チャールズ・ジェイン(Charles A. Jayne Jr.、1911年〜1985年)は、20世紀米国の占星術家です。1911年10月9日にペンシルベニア州ジェンキンタウンで生まれました。出生図の感受点
バーテックスを見いだした人物として知られ、予測技法、
レクティファイ(出生時刻の修正)、
マンデン占星術、日食・月食の研究に長く取り組みました。
弟子の
ビル・メリディアンが書いた評伝によれば、プリンストン大学で哲学、バージニア工科大学で電気工学、コロンビア大学で心理学を学び、アジア研究所(Asia Institute)でも学んでいます。神智学にも通じていました。
ジェインは、20世紀半ばの米国で占星術団体の運営と研究誌の発行に深く関わりました。メリディアンの評伝によると、ニコラス・デヴォアの「Astrological Research Society」の副会長を務め、1958年から1960年まで米国占星術家ギルド(Astrologers' Guild of America)の会長を務めました。1958年には「Astrological Research Associates」を設立し、妻のヴィヴィア・ジェインとともに国際的な占星術研究誌『In Search』を1958年から1962年まで編集しています。
1961年から1969年まではウォール街でテクニカル・アナリストとして働きました。1970年には、占星術を主流の科学に組み入れ直すことを目指す「Association for Research in Cosmecology」を設立し、全米ジオコズミック研究評議会(NCGR)の創設者の一人にも数えられています。『Dell Horoscope』誌ではおよそ15年にわたってマンデン占星術の欄を担当し、1940年代には第二次世界大戦の推移をこの欄で論じました。
ジェインの名がもっともよく知られているのは、バーテックスの発見によってです。評伝によると、
L・エドワード・ジョンドロから、新たに考案した「電気的アセンダント(electrical ascendant)」についての手紙を受け取ったジェインは、この点に
ソーラーアークを当てて検証しました。その結果、黄道上でその反対側にある点のほうが敏感に働くと結論づけ、これがのちにバーテックスと呼ばれるようになりました。この発見は、重力(G)・電気(E)・磁気(M)の三つで出生図の軸を捉える、ジェイン独自の「GEM力場理論」にもとづくものだったとされています。ジョンドロとジェインは手紙でやり取りしましたが、直接会うことはありませんでした。
時期を読む技法では、赤緯アーク、バーテックス・アーク、アセンダント・アークといったアークの技法を整え、二次進行より鋭く短い期間に働くものと見ていました。ジェインは、どの技法も働くので、問いに合った道具を選ぶのが占星術家の役目だと考え、結果は検証によって判断する姿勢をとったと、メリディアンは伝えています。
レクティファイには50年以上取り組み、エリノア・ヘゼルタインとの共同作業では、ソーラーアークと
赤緯アークがもっとも正確な技法だと見いだしました。50枚のチャートのレクティファイに成功すれば優れた占星術家になれる、とジェインは語っていたといいます。
ほかにも、
日食の研究に約50年を費やし、ロケーション(地域)占星術、長期の周期、出生前のチャート、ヘリオセントリックのノード、未知の惑星など、幅広い主題を扱いました。
メリディアンは、ジェインの予測技法の本を今も画期的な仕事と評しています。American Federation of Astrologers(AFA)からは『Progressions and Directions』の題で2011年版が出ています。
『The Best of Charles Jayne』は、『Horoscope Interpretation Outlined』『Introduction to Locality Astrology』『Parallels: Their Hidden Meaning』『The Technique of Rectification』の4冊をまとめた合本です。もとは1970年代にAstrological Bureauから個別に出たタイプ原稿の冊子で、合本はヴィヴィア・ジェインの1995年5月付の序文を付けてAFAから刊行され、2009年版も流通しています。このうち『An Introduction to Locality Astrology』は、1978年にAstrological Bureauの「Trident Series」として出たことが書誌で確かめられます。
研究誌『In Search』は、メリディアンの主宰するCycles Researchによって再刊が始められています。
ジェインの考えの多くはジョンドロの着想をもとにしており、ジョンドロの協力者だったケネス・ブラウンが書き始めたジョンドロへの追悼文を、ブラウンの没後にジェインが仕上げました。ジョンドロの仕事を後世に伝えた点でも、ジェインの役割は小さくありません。
もっとも直接の後継者は、ジェインを12年にわたって「師であり友」としたビル・メリディアンです。UAC 2026 の講師紹介によれば、マンデン占星術と金融占星術の分野で著作を持つメリディアンの日食の本は、ジェインとジョンドロの仕事を応用したものです。ジェインは
マーク・エドモンド・ジョーンズの名を冠した賞も受けています。人物どうしのつながりは
現代占星術家マップで確かめられます。
ジェインを知る意義は、いまのソフトが当たり前に表示するバーテックスが、どのような検証の手順から生まれたのかをたどれる点にあります。まずは本事典のバーテックスと
アンチバーテックスの項目で計算上の定義を確かめ、そのうえで『Progressions and Directions』や『The Best of Charles Jayne』に進むと、アークの技法やレクティファイの考え方を原典で追えます。
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