キャシー・ローズ(Kathy Rose)は、米国バージニア州バージニアビーチを拠点に活動するコンサルティング占星術家・講師です。公式サイトでは1983年から鑑定を続けてきたと述べ、人間性を重んじるヒューマニスティックな立場から、セラピーに近い視点でチャートを読むことを自らの方法として掲げています。
ノエル・ティルに学び、ティルの修士認定プログラム(Master's Degree Certification Program)を最優秀の成績で修了しました。ティルの教材映像「TYL MasterWork」シリーズを共同制作し、長年ティルとともに教えたことも、本人のプロフィールに記されています。2020年に配信された『The Astrology Podcast』のティル追悼回では、司会のクリス・ブレナンが、ローズとバジル・フィアリントンをティルのもっとも著名な弟子の二人として紹介しました。
現在は個人鑑定を中心に、講座・講演・執筆、そしてYouTubeとポッドキャストでの発信を続けています。
ローズ自身の説明によれば、占星術を学び始めたのは8歳のときです。CAELiのポッドキャストの紹介文では、3年生のときの担任の先生と母親がきっかけをつくり、最初に手にした占星術書は
リンダ・グッドマンの『
Sun Signs』だったとされています。子どものころは独学で本を読み、級友を観察して記録をつけていたと語っています。
24歳のときにデンバーで個人開業し、それ以来占星術で生計を立ててきたと本人は述べています。2000年にバージニアビーチへ移ったのち、ティルの講演を聞き、2005年にティルに連絡を取って同年10月にバージニアビーチでのセミナーを企画しました。同年12月にティルの通信講座に入り、2006年1月の受講生セミナーに参加したあと、ティルの指導助手を務めるようになったと、2020年のポッドキャストで振り返っています。
ティルの没後(2019年)は、ティルに直接学んだ世代として、その方法を講座や動画で伝える側に立っています。
ローズの仕事の柱の一つは、ティルの方法を記録し、伝え続けることです。公式サイトによれば、「TYL MasterWork」シリーズは9本の講義映像からなり、占星術の基礎の扱い方、月、人生の発達における緊張、時間の次元、コンサルテーションの指針、レクティファイ、職業のプロファイリング、医療占星術、成熟した占星術家といった題で構成されています。ローズはポッドキャストで、撮影に約2年をかけ、ティルがバージニアビーチを3度訪れたと話しています。
2020年の時点では、ティルの修士課程にあたる通信講座をバジル・フィアリントンとともに教えていると述べ、毎年の「Empowered Astrology Conference」を主催していることも紹介しました。この年の会は会場からオンラインに切り替えて開かれ、15本の講義の録画が提供されたと本人は語っています。
技法の面では、ほかの天体とアスペクトを結ばない
アンアスペクトの天体を重視し、それについて『The Mountain Astrologer』誌に記事を書いたと述べています。ティルのMC(
ミッドヘヴン)の展開手法をもとにした職業分析の図式も、自身の教える内容として挙げています。
公開講座の題目からも、関心のありかがうかがえます。Astrology Universityで扱うウェビナーには、共感性の高い人のサイン、鑑定で使う「セラピューティック・マントラ」、不安の傾向を示す配置、子どものチャートの読み方、アリエスポイントなどがあります。2025年の対談では、惑星が出来事を引き起こすのではなく、人が選んで出来事をつくるという考えを語り、恐れを前提にした解釈から距離を置く姿勢を示しています。
ローズの執筆は、主に雑誌記事と講座教材の形で公開されています。公式サイトの記事一覧には「Moon Sense」「The Aries Point Bloom」「Saturn & Guilt」などが並び、「Moon Sense」は『The Mountain Astrologer』誌に掲載された記事として再録されています。この記事では、月がサインを移る周期と気分や活力の変化を、日記をつけながら自分で確かめる方法が紹介されています。
講座では、
新里ひろき氏と共同で「9 Powerful Keys for Chart Interpretation」と「The Art of Forecasting」をAstrology Universityで開いています。前者は2025年の対談で、11本の講義(約12時間)から成る録画講座として紹介され、父母を示す配置、アスペクト、ハウスの心理的な意味などを扱うとされています。後者は
ソーラーアークと
トランジットを組み合わせて時期を読む講座です。ローズはこの対談で、ティルの著書の多くが絶版になったことから、その教えを残すためにこの講座をつくったと述べています。Kepler Collegeでも、予測の技術を扱う講座を受け持ってきました。
ローズはYouTubeでの発信に力を入れています。2010年に開設したチャンネル「roseastrology」では、星の動きを月ごとに解説する月間フォーキャストを長く続けており、年末には翌年を見通す2時間前後の年間フォーキャストを公開しています。2026年版の年間フォーキャストは、風水を扱うアグネス・ベレズナイとの共同出演でした。チャンネルの登録者数は2026年10月時点で2万人を超えています。
同じチャンネルでは、ゲストとの対話番組「The Maverick Podcast」も配信しています。公式サイトによれば、番組は占星術だけでなく、心霊的な感覚、マインドフルネス、呼吸、風水などの話題を扱っています。2023年の第34回には新里ひろき氏が出演し、ローズは新里氏を友人と紹介しています。2017年には、「TYL MasterWork」の撮影の際に収録したティルへのインタビュー映像「TYL unfiltered」も公開しました。
講演では、エドガー・ケイシーの研究団体A.R.E.、ISAR、NCGR、OPA、Astrology University、Kepler Collegeなどで話してきたとされます。2025年3月の「Cosmic Patterns Conference」(米フロリダ州オーランド)の講演者としても紹介され、演題は鑑定でのセラピューティック・マントラを扱う「Therapeutic Mantras For Consultations」と告知されていました。
ローズの位置づけは、ティルが整えた心理占星術の方法を、動画と講座の形で現在の学習者に届ける実践者という点にあります。ティル本人の著作は手に入りにくくなっていますが、教材映像の共同制作、通信講座での指導、ティルに直接学んだ同門との共同講座を通じて、その考え方が引き継がれています。
近代・心理派占星術の系譜で見ると、ティルを中心とする米国の心理占星術から、ローズ、フィアリントン、新里氏へと伸びる線が、現在も講座という形で続いていることがわかります。人物どうしのつながりは
現代占星術家マップでも確かめられます。
ローズの考え方に触れる入口としては、YouTubeの月間フォーキャストがもっとも手軽です。そのうえで、ティルの方法を体系的に学びたい人には、本人が共同制作した「TYL MasterWork」シリーズや、新里ひろき氏との共同講座が用意されています。
ノエル・ティルの項目とあわせて読むと、どの技法がどこから来ているのかを確かめやすくなります。
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