カレン・ハマカー=ゾンダグ(Karen Hamaker-Zondag)は、オランダを拠点に活動する占星術家・著述家で、ユング心理学と占星術を結びつけて教えてきた人物です。ロンドンの心理占星術センター(The Centre for Psychological Astrology、CPA)の紹介によれば、1975年に占星術の個人鑑定の仕事を始め、オランダの代表的な占星術家の一人とされています。英語版の著者紹介では、アムステルダム大学で社会地理学を学んだと紹介されています。
彼女の活動は、教育機関の設立、多数の著作、国際的な講義の三本柱で成り立っています。オランダでは1980年に占星術の学校 Stichting Achernar を、1987年にユング心理学の学校 Stichting Orderir を共同で設立しました。著作はオランダ語で書かれたものが多く、英語圏では米国の Weiser 社から多くの英語版が出ています。2022年にもオランダのメディアに登場し、占星術から見た時事の話題について語るなど、現在も発信を続けています。
ハマカー=ゾンダグの仕事の中心にあるのは、ユング心理学の概念を手がかりにホロスコープを読むという方法です。主著のひとつ『Psychological Astrology: A Synthesis of Jungian Psychology and Astrology』は、副題が示すとおりユング心理学と占星術の統合を主題にしています。この点で、同じくユング心理学を背景に持つ
リズ・グリーンらの英国の
心理占星術と近い立場にあり、オランダ語圏で同じ方向の仕事を展開してきた存在といえます。
彼女の著作のもうひとつの特徴は、心理的に読みにくいとされる配置を一冊ずつ取り上げて掘り下げている点です。『The Twelfth House』では、困難と結びつけて語られることの多い
第12ハウスを、ユング心理学の視点から創造的な可能性の源としても捉え直し、集合的無意識、夢のような非合理的な知覚、このハウスに入る天体、祖先から受け継ぐもの、運命、無意識の働きといった主題を扱っています。
『The Yod Book』では、セクスタイルを組む二つの天体がともに第三の天体へ
クインカンクスを形成する配置、すなわち
ヨッドを主題にしました。版元の紹介によれば、彼女はヨッドを何世代にもわたって続く家族のパターンと結びつけて論じ、あわせてどの天体ともアスペクトを組まない
ノーアスペクトの天体や、互いにだけアスペクトを組む二天体の表れ方も扱っています。エレメント、クオリティ、オーブといった要素をどう読みに組み込むかも説明されています。
心理占星術の著者として知られる一方で、
ホラリー占星術の教科書を書いていることも、彼女の幅を示しています。『Handbook of Horary Astrology』は、出生図の読みを身につけた人がホラリーとの違いを学ぶための入門書として書かれ、古典的な技法を簡潔に紹介したうえで、オランダでの実践で彼女自身が使っている方法を中心に解説しています。
Open Library の書誌によれば、オランダ語の著作は1970年代末から出ています。初期の『De astrologische duiding』(1979年)、ホラリーの手引き『Handboek voor uurhoekastrologie』(1983年)、『Het twaalfde huis』(1989年)などで、版元は Schors です。
英語版は Weiser 社から続けて刊行されました。主なものに『Elements and Crosses as the Basis of the Horoscope』(1984年)、『Planetary Symbolism in the Horoscope』(1985年)、『Handbook of Horary Astrology』、『The Houses and Personality Development』(1988年)、『Psychological Astrology: A Synthesis of Jungian Psychology and Astrology』(1990年)、『Aspects and Personality』(1990年)、『Foundations of Personality』(1994年)、『The House Connection』(1994年)、『The Twelfth House: The Hidden Power in the Horoscope』、『Tarot as a Way of Life』(1997年)、『The Yod Book: Including a Complete Discussion of Unaspected Planets』(2000年)があります。
『The House Connection』はハウスの支配星を軸にハウスどうしのつながりを読む本で、本事典のハウス・ルーラー関連のページでも参考文献に挙げています。2020年には英語で『Chiron: Healer and Wholemaker』を出しています。CPA の講師紹介では、代表作として『Foundations of Personality』『Psychological Astrology』『Horary Astrology』『The Yod Figure and Unaspected Planets』『The Twelfth House』の五冊が挙げられています。
ハマカー=ゾンダグは、オランダ国内にとどまらず英語圏の心理占星術の教育にも関わってきました。CPA では1997年に初めて講義を行い、現在も同センターのコース講師に名を連ねています。CPA は1983年にリズ・グリーンと
ハワード・サスポータスが設立した心理占星術の教育機関で、彼女はここでユング心理学に根ざした占星術を教える講師陣の一人となっています。
また1999年には、CPA の紹介で米国初の公式な占星術大学とされるケプラー・カレッジ(Kepler College)に招かれ、教員に加わりました。オランダで占星術とユング心理学の二つの学校を立ち上げ、英国と米国の教育機関でも教えてきたという経歴は、大陸ヨーロッパと英語圏の心理占星術を結ぶ役割を果たしてきたことを示しています。著作はオランダ語から英語に訳されたほか、ドイツ語、スペイン語、ヘブライ語の版も出ています。
ハマカー=ゾンダグの著作は、第12ハウス、ヨッド、ノーアスペクトの天体、ハウスの支配星といった、入門書では手短にしか触れられない主題を一冊単位で掘り下げている点に価値があります。自分のチャートにこうした配置がある人にとっては、まず該当する一冊から読むのが入りやすいでしょう。ユング心理学と占星術の関係を体系的に知りたい人には『Psychological Astrology』が、ホラリーを学び始めたい人には『Handbook of Horary Astrology』が入口になります。
ユング心理学と占星術の関わりの全体像は
ユング心理学と占星術のコラムで、ハウスを心理占星術の視点から読む本としては、サスポータスの
『12のハウス』とあわせて読むと理解が深まります。CPA を中心とする心理占星術の人脈は
現代占星術家マップでも確認できます。自分のチャートでヨッドやノーアスペクトの天体を確かめるには、
無料のホロスコープ計算機が役立ちます。