ロブ・ブレズニー(Rob Brezsny)は、週刊の星座コラム「Free Will Astrology(フリー・ウィル・アストロロジー)」で知られるアメリカの占星術家・作家・ミュージシャンです。コラムはかつて「Real Astrology」という名前で書かれていました。生年は公表されていません。
出身地については、地元紙 Good Times の2023年のインタビューで、テキサス州ボージャーに生まれ、ミシガン州とオハイオ州で育ち、10代をニュージャージー州で過ごしたと紹介されています。1997年の Utne Reader の記事によれば、デューク大学で宗教学を学び、1970年代にバーモント州プレインフィールドで個人の先生について占星術を学びました。公的な認可や資格には関心を示していないとも書かれています。2000年の The Village Voice の記事では、ゴダード・カレッジの卒業生とされています。
その後カリフォルニア州サンタクルーズに移り、カリフォルニア大学サンタクルーズ校では詩人ウィリアム・エヴァーソンのもとで詩を学びました(Good Times)。現在はサンフランシスコ北方のマリン郡に長く暮らしており、出版社 North Atlantic Books の著者紹介ではミル・ヴァレー在住とされています。
一般的な新聞の
ホロスコープ欄より文学的な文体で星の配置を語るのが特徴です。1994年の The New York Times の記事(Wikipedia が引用)では、未来を予言するのではなく現在を予言するのだと語っています。
ブレズニーは、コラムを書き始めたころの新聞の星座欄を厳しく見ていました。2023年の Good Times の記事で、当時の新聞の星座欄は文章が下手で退屈であり、迷信を助長し、占星術が自由意志を否定するかのような印象を与えていたと振り返っています。
同じ時期、サンタクルーズではロックバンドの活動も並行していました。1990年代後半には全米100紙以上のオルタナティブ系新聞に掲載されるようになり、2000年の時点ではニューヨークの The Village Voice にも載っていました。
ブレズニーの仕事の中心は、1978年から続く週刊コラムです。Good Times の2023年の記事によると、最初の回は1978年1月26日に同紙に載り、以来一週も欠かさず続いていて、同記事の時点で連続2,357週目に当たりました。コラムを始めたきっかけは、サンタクルーズで暮らしていたころ、Good Times の求人欄で占星術担当を募集しているのを見つけたことでした。
1997年の Utne Reader の記事の時点で、コラムは103紙のオルタナティブ系新聞に載り、合計の発行部数は約400万部とされていました。North Atlantic Books の著者紹介では、世界の120の媒体に掲載されているとされています。現在は公式サイト freewillastrology.com で毎週の星座コラムを公開し、音声で聴く拡張版の星座予報や、週1回のメールマガジン(無料、任意の有料購読つき)も配信しています。
文体の特徴は、一人称の語りを使い、従来の星座欄よりも文学的に書くことです。Utne Reader はそのコラムを、即興の詩、政治的な主張、遊び心のある冗談を混ぜ合わせたものと評しました。ブレズニー自身は同誌に、自分の文体を「皮肉な誠実さ」と表現し、読者に現実についての思い込みを問い直してもらうことを目指していると語っています。
占星術そのものについては、2023年の Good Times の記事で、占星術はゴールデンゲート・ブリッジが実在するのと同じ意味ではなく、エミリー・ディキンソンの詩が実在するのと同じ意味で「本物」なのだと説明しています。科学的な予測の道具としてよりも、象徴を通じて人生を語る言語として占星術を位置づける立場です。それでも書く手順はチャートから始まり、2000年の The Village Voice の記事では、まずチャートを描いてから文章を考えると紹介されています。
もうひとつの柱が「プロノイア(pronoia)」です。被害妄想を意味するパラノイアの反対で、世界が自分に恵みを注ごうと共謀している、という感じ方を指します。この語自体は1982年にクイーンズ・カレッジのフレッド・ゴールドナーが学術誌『Social Problems』の論文で用いたのが早い例ですが、ブレズニーは2005年の著書の題名に掲げ、自身の発信の中心的な考え方として広めました。
最初の著書は『Images Are Dangerous』(1985年、サンタクルーズの Jazz Press)です。
『The Televisionary Oracle』(2000年、Frog Books)は長編小説で、現在は North Atlantic Books の目録に入っています。
『Pronoia Is the Antidote for Paranoia: How the Whole World Is Conspiring to Shower You with Blessings』(2005年、Frog Books)は、プロノイアの考え方をまとめた自己啓発書です。のちに増補改訂版が North Atlantic Books から出ています。
『Astrology Is Real: Revelations from My Life as an Oracle』(2023年9月、Televisionary Publishing、516ページ)は、回想録、読者への託宣、占星術と神話的な知性についての随筆を組み合わせた本です。どこから読んでもよい構成になっています。2023年4月の Good Times の記事では刊行前の本として紹介され、副題も異なっていました。
音楽では、1970〜80年代にサンタクルーズのバンド Kamikaze Angel Slander や Tao Chemical で歌と作詞作曲を担当し、1990年代初めにはバンド World Entertainment War で活動しました。North Atlantic Books の著者紹介によると、このバンドは MCA レコードから作品を出しています。ブレズニーが書いた曲「Dark Ages」は、ジェファーソン・スターシップが1995年のアルバム『Deep Space / Virgin Sky』で録音しました。
ブレズニーのコラムは、新聞の星座欄という大衆的な形式を使いながら、従来の星座欄より文学的な書き方をとっています。1978年から同じ形式で毎週書き続けており、2023年4月の時点で連続2,357週に達していました。
同じく大衆向けの媒体で占星術を広めた人物としては、月ごとの長文予報をウェブで公開した
スーザン・ミラー、英国の日刊紙で書いた
ジョナサン・ケイナー、テレビで知られた
ラッセル・グラントがいます。こうした人物の配置は
現代占星術家マップで見渡せます。
ブレズニーを知ると、星座コラムという同じ形式でも、書き手の考え方しだいで中身がまったく違うものになることがわかります。運勢を当てる欄としてではなく、象徴をもとに読者に問いかける文章として星座コラムを書く、というやり方の一例です。
入り口としては、公式サイト freewillastrology.com で毎週のコラムを読むのが手軽です。考え方の背景を知りたい場合は『Pronoia Is the Antidote for Paranoia』や『Astrology Is Real』に進むとよいでしょう。太陽星座だけで語るコラムと、出生図全体を読む占星術との違いは、コラム
太陽星座の先へで整理しています。自分の
出生図は
無料のホロスコープ計算機で確かめられます。