岡本翔子氏(おかもと しょうこ、1956年生まれ)は、日本の心理占星学研究家・著述家・翻訳家です。生年は国立国会図書館の著者典拠(岡本, 翔子, 1956-)によります。
『月の心理占星学』(方丈社、2020年)の著者紹介によれば、岡本氏はロンドンの英国占星学協会で、心理学を土台にした占星術を学びました。その際、ロンドンの心理占星学センター(CPA)の設立メンバーである
ハワード・サスポータスに師事したとされます。日本語版ウィキペディアでは、英国への留学は1980年からとされています。
帰国後は女性誌を中心に数多くの連載を手がけ、同じ著者紹介では「日本における心理占星学のパイオニア」と紹介されています。同じ著者紹介では、英国占星学協会と米国占星学協会の会員とされています。占星術家としての顔のほかに、イスラム文化や料理にも詳しく、モロッコを紹介する企画・執筆や現地でのコーディネートにも携わっていることが、本人の著者プロフィールで公表されています。
岡本氏が英国で学んだ1980年代のロンドンは、心理学と占星術を結びつける動きが制度として形になっていった時期でした。サスポータスは1983年に
リズ・グリーンとともに心理占星学センター(The Centre for Psychological Astrology)を設立し、深層心理学と人間性心理学を取り込んだ占星術教育を体系化しました。岡本氏が師事したのは、この流れの中心にいた人物です。
帰国後の岡本氏は、英国の心理占星学を、入門書・女性誌の連載・翻訳という三つの経路で日本語の読者に紹介していきます。同じく英国の心理占星術を紹介してきた
鏡リュウジ氏とは、『占星学』の共訳(1994年)や『星が教える恋と運命』(扶桑社、1999年)の責任監修で協働しています。この系譜の全体像は
心理占星術の歴史にまとめています。
岡本氏の仕事の中心は、英国の心理占星学を日本語で使える形にすることです。『完全版 心理占星学入門』の内容紹介は、同書のねらいを、吉凶を判断することではなく、占星術が受け継いできた象徴体系と深層心理学を結びつけて、自分の内面の可能性をどう表現していくかを探ることだと説明しています。章立ては黄道12宮、「4つの心の機能」、10惑星、12ハウス、アスペクト、シャドウ、カイロンという構成です。
もう一つの柱が月です。『月の心理占星学』は、太陽星座による一般的な星座読みに物足りなさを感じる読者に向けて、
月の星座の読み方を解説した本です。ダ・ヴィンチWebの紹介記事によれば、同書は月の星座を無意識・本能・気質を表すものとして扱い、幼少期に育まれた性質、母親との関係、人間関係の築き方、ストレスの解消法といった観点から読み解いています。月の星座を心理面から読む考え方は、本事典のコラム
モダン太陽星座占星術での月の読み方や
ユング派心理占星術での月の読み方でも扱っています。
月の満ち欠けを記したダイアリー『MOON BOOK』を2004年から毎年刊行しており、月のリズムに合わせた暮らし方を提案しています(『月の心理占星学』著者紹介)。日本語版ウィキペディアによれば、刊行元は2008年版までがソニー・マガジンズ、2009年版から2014年版までがアスペクトです。新月と満月を扱った『新月&満月のリズムで夢をかなえる』(2007年)や『ムーン・マジック』(ベストセラーズ、2011年)も、この関心の延長にある著作です。月の満ち欠けそのものについては
月相(新月・満月)とはを参照してください。
単著の最初期のものが『ロマンチック心理占星学:あなたと彼の、相性を占う』(主婦の友社、1988年)です。続いて『愛のサイコ・ウオッチング:星座でわかるあなたの行動パターン』(扶桑社、1992年)、『星が知ってるココロの秘密』(双葉社、1998年)を出しています。『心理占星学で解き明かすトクする恋とソンする恋』(文春ネスコ、2001年)は、雑誌『CREA』の心理分析コラム33回分をまとめた一冊です。
入門書の代表作は『心理占星学入門』(扶桑社、2000年)で、2008年にアスペクトから『完全版 心理占星学入門』が出て、2020年には文藝春秋から電子書籍版が刊行されました。月を主題とする『月の心理占星学』(方丈社、2020年)が近年の代表作です。
翻訳では、リズ・グリーンの『Relating』を鏡リュウジ氏と共訳した
『占星学』(青土社、1994年)がよく知られています。同書は2000年に新装版、2013年に新版、2019年に新・新版が出ています。ほかにテレサ・ムーリー『月のリズムで暮らす本』(2004年)と『月の大事典』(2005年、いずれもソニー・マガジンズ、監訳)、エリザベス・ブルーク『ハーブ占星術』(東京堂出版、2012年、梶原雅子氏と共訳・監修)、マーガレット・H・ガモン『エドガー・ケイシーのリーディング占星術』(たま出版)などがあります。
『月の心理占星学』の著者紹介によれば、岡本氏は『CREA』『Ray』『Caz』など多くの雑誌で連載を手がけ、約30年に及ぶ長期連載もあります。ダ・ヴィンチWebは『CREA』の連載を創刊号から続くものとして紹介しています。占星術の専門書に手を伸ばさない読者層に、心理占星学の語彙が雑誌を通して届いてきたことになります。
翻訳の面では、『占星学』が1994年の初版から2019年の新・新版まで版を重ね、リズ・グリーンの主著の一つを日本語で読める状態を保ってきました。
岡本氏の著作は、英国心理占星学が日本語の一般書にどう移されたかをたどる手がかりになります。出生図の読み方から入るなら『完全版 心理占星学入門』、月の星座に関心があるなら『月の心理占星学』が入口です。あわせて原典にあたる『占星学』(リズ・グリーン)を読むと、岡本氏が紹介してきた考え方の出どころが見えてきます。日本の占星術家の系譜の中での位置は
現代占星術家マップでも確認できます。
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