ルル・ラブア(Lulu Labua、1945年11月19日〜1999年12月27日)は、戦後日本における西洋占星術の普及に大きな役割を果たした占星術家です。茨城県出身で、1960年代に占星術の研究を始め、1970年代以降にマスコミ媒体や著作を通じて広く活動し、「正統占星学の第一人者」と紹介されてきました。代表作『占星学』は長く版を重ね、新装版が現在も流通する日本語圏占星術の基礎文献のひとつとなっています。
同時代の海外占星術家としては
アラン・レオ や
セファリアル、サンサイン占星術を広めた
リンダ・グッドマン が挙げられます。
ルル・ラブアが占星術に取り組み始めた1960年代の日本は、戦後の混乱を抜け、欧米文化が雑誌・書籍を通じて広く流入していた時期にあたります。海外では英国の伝統を受け継ぐ
アラン・レオ 系列の啓蒙書や
リンダ・グッドマン によるサンサイン本がベストセラーとなり、心理占星術の方向では
リズ・グリーン が活動を本格化していきます。
日本国内ではまだ西洋占星術の体系的な紹介書が少なく、雑誌の星座コーナーや断片的な翻訳記事が中心でした。そうした環境のなかでルル・ラブアは独学と研究を重ね、1971年頃から雑誌・テレビなどマスコミを通じた活動を広げていったと伝えられます。
ルル・ラブアの最大の功績は、英米の古典的・近代的な西洋占星術の体系を、日本語で総合的に読める一冊にまとめあげたことです。代表作『占星学』では、天体・星座・ハウス・アスペクトといった基本要素から、出生図(ネイタルチャート)の読み方、進行図やトランジットによる未来予測の手法までを、平易な表現と豊富な作例で解説しています。
理論面では、特定の流派に偏らず、英米で標準化されつつあった近代占星術の枠組みを丁寧に紹介する姿勢が特徴です。サンサインだけに頼らず、ハウスやアスペクトを含む総合的な読み解きを重視した点で、日本の一般読者に「ホロスコープを読む」という発想を根づかせた書き手として評価されています。
ルル・ラブアの著作のうち、書誌情報が確実に確認できる代表作は次の一冊です。
- 『占星学』(実業之日本社・新装版2017年):日本語で読める西洋占星術の総合的な入門・実用書として長く読み継がれ、2017年には新装版が刊行された。
ルル・ラブアの著作は、後続世代の日本人占星術家にとって入門期の参照点のひとつとなりました。雑誌連載や占星術コラムを通じて一般読者層を広げた点でも、現在の
石井ゆかり氏 や
鏡リュウジ氏、
松村潔氏 といった、執筆と翻訳・解説を組み合わせるスタイルの先駆けとして位置づけられます。
特に『占星学』はプロ・アマを問わず手に取られた基本書として、日本の占星術コミュニティで長く言及されてきました。「占星家のバイブル」のように扱われたという読者の証言も残っており、後発の入門書・実用書が組み立てを参考にした事例も少なくないと考えられます。
近年は海外の心理占星術や進化占星術、ヘレニズム占星術などの翻訳が進み、日本でも多様な流派が学べる状況になっています。進化占星術では
スティーヴン・フォレスト、ヘレニズム再評価では
クリス・ブレナン などが参照されるなかで、ルル・ラブアの著作は「日本語で書かれた近代西洋占星術の基本書」という独自のポジションを保ち続けています。
特定の流派色が薄く、基礎技法を網羅的に押さえている点は、海外の最新理論を学ぶ前段階として日本語で全体像をつかむ役割を担っており、現代でも参照価値があります。
ルル・ラブアを学ぶことは、日本における近代西洋占星術がどのように受容され、一般読者に橋渡しされてきたかという歴史を知ることでもあります。海外占星術家の翻訳書を読む前に、日本語で書かれた基本書として『占星学』を一度通読しておくと、用語や図版の見方に慣れることができ、その後の学習がスムーズになります。
学び方の手順としては、まず『占星学』で天体・星座・ハウス・アスペクトの基本を押さえ、次にアスペクトを掘り下げる解説書や、海外の心理占星術・進化占星術の翻訳に進むのがおすすめです。並行して、サインやハウスの意味を
モダン心理派の系譜 や
現代占星術の太陽星座普及史 と読み合わせると、日本の受容史と世界の潮流が立体的に見えてきます。
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