秋月さやか氏は、西洋占星術と夢解釈の分野で執筆を続けてきた日本の占星術家です。本人の公式サイト「秋月さやかの占星幻想館」のプロフィールによれば、天体観測と古天文学への関心から占星術の世界に入り、古代から受け継がれた伝統的な解釈にもとづいて占星術を現代に伝える担い手の一人となることを目指しています。
占星術を学び始めたきっかけは、
ルル・ラブアの著書との出会いだったと、同じプロフィールに記されています。その後、ルル・ラブアとの親交を通じて占星術をより詳しく学んだとしています。生年や出身地は公表されていません。
活動の柱は、学習研究社(学研)から出た入門書や事典類の執筆、専門誌への寄稿、そして有限会社ムーンラボ(MoonLABO)が運営するウェブサイトでの発信です。ムーンラボは、天文計算プログラムにもとづく暦データの算出や占術プログラムの作成を手がける会社です。占術の伝承を調べるうちに古代の夢解釈にも強く惹かれたとされ、夢解釈の事典も数多く手がけています。
秋月氏の仕事の特徴は、占星術を天文学の知識の上に置こうとする姿勢です。サイトの解説記事「占星術と占星学は違うのか?」では、占星術と占星学は呼び名が違うだけで根本の構造は同じであり、「占星学」と名乗っても科学になるわけではないと述べています。占星術を、天空の星の動きと心や運命との照応にもとづく推測と定義したうえで、その根底には天文計算があるため、学ぶには
天文学の知識が欠かせないとしています。
この関心は、サイトの内容にもよく表れています。毎月の天文暦と星の動きを解説する「占星情報」、新月と満月を扱う「月暦」、ユリウス暦とグレゴリオ暦の違いを扱う解説、冬至の日没の方位と環状列石の遺構を結びつけた記事などが並びます。
月の満ち欠けや暦を、天文の事実として押さえたうえで占星術に結びつける書き方です。
もう一つの柱が
マンデーン占星術です。サイトでは毎年、東京を基準にした
春分図をもとにその年の日本を読む記事を公開しているほか、国家の始まりを示す「国家開始図」とは何か、日本の始まりの時刻をどう置くかといった基礎の解説も載せています。講座でも、春分図の振り返りと翌年以降の先読み、本人のリターンチャートの読み方、ネイタルの天体と
トランジットから一年の運勢を読む方法などを扱っています(2026年秋期の講座案内による)。
初期の著作で扱った「リリト」も、秋月氏を語るうえで欠かせない主題です。サイトの解説「リリトの記号は?」では、リリト(ダークムーン・リリス)を実体のない架空の感受点、いわば「影」と説明し、天文学上の意味はないと明記しています。約119日で全天を一周し、記号には空集合と同じ「φ」を用いるとしています。本事典の
リリスの項目で扱う月の遠地点(平均で一周におよそ8年10か月)とは周期が異なる別の点なので、読むときは区別が必要です。
最初の占星術書は『前世を知る「リリト占星術」』(学習研究社・Elfin books series、1991年)で、2003年に増補改訂版が出ています。公式サイトでは、西洋占星術を用いて前世を読み解く本と紹介されています。
主著といえるのが『正統占星術入門』(学習研究社、1995年)です。国立国会図書館の書誌によれば637ページの大冊で、エフェメリスの作成は小曽根秋男氏が担当し、巻末に主要参考文献を収めています。本人の紹介では、1993年から1995年3月にかけて執筆し、ホロスコープの作成から
サイン・
ハウス・
アスペクトまでを1冊にまとめた本で、占星術を学びたいという読者の要望に応えることを目的にしたとしています。こちらも2003年に増補改訂版が出ました。
ほかに、専門誌「エルフィン」の掲載作品を集めた学研のムック『正統西洋占星術大全』で、サイン、ハウス、アングル、小惑星の原稿を担当しています。夢解釈では『細密夢占い事典』(学習研究社、1992年)、『あなたを読み解く夢事典』(日本文芸社、2005年)などがあり、星や月、暦などを題材にした写真集シリーズ『Nature Mind Book』(青菁社)の文章も手がけました。
秋月氏は、1990年代に学研の単行本と専門誌「エルフィン」を舞台に執筆し、ウェブでの発信へと活動を広げてきました。公式サイトの著作権表示は1996年から始まっています。ルル・ラブアの著作から占星術に入り、天文計算と暦への関心を手放さずに入門書を書いてきた書き手として見ることができます。
学ぶなら、まず『正統占星術入門』で、ホロスコープの作成から基本要素までを一続きに追うのがよいでしょう。そのうえで公式サイトの月暦や占星情報を読むと、毎月の天体の動きを天文の事実として確かめる習慣が身につきます。ほかの日本の占星術家との位置関係は
現代占星術家マップで見渡せます。