マーティン・シュルマン(Martin Schulman)は、1975年から1979年にかけて米国の出版社 Samuel Weiser から刊行された「カルマ占星術(Karmic Astrology)」シリーズの著者です。米国議会図書館の典拠レコードでは、1941年生まれとされています。
シリーズは、
月のノードと
逆行惑星を、輪廻(生まれ変わり)とカルマの考え方から読むものです。第1巻『The Moon's Nodes and Reincarnation』は1975年刊で、シリーズはのちにスペイン語やフランス語にも訳されています。
シュルマンの仕事の中心は、出生図の
サウスノードと
ノースノードを、過去生から持ち越したものと今世で向かう方向として読む枠組みを、一般の読者向けの参考書として示したことです。
第1巻の構成を見ると、その考え方の順序がよく分かります。最初の章で輪廻とカルマの考え方を説明し、次の章で「輪廻の占星術」として、サウスノードとノースノードの意味を論じます。そのうえで、ノードの軸を12サインと12ハウスごとに読み解き、ノードへのアスペクト(コンジャンクション、スクエア、トラインなど)を扱い、実例の読み解きを経て、1850年から2000年までのノースノードの位置表を巻末に付けています。
本文では、サウスノードを多くの生涯にわたって積み重なった行動の傾向の表れとし、それを今世でできるかぎり良い形で生かさないうちは、ノースノードから得られるものは期待より小さいと述べています。どちらのノードが望ましいかは一定ではない、という立場です。また著者は、自分が扱ってきた事例から、今の人生のほかの部分とうまく結びつかない性質ほど、過去生から持ち越されたものであることが多いと書いています。
第2巻『Retrogrades and Reincarnation』では、逆行惑星を扱います。出版社の内容紹介によれば、逆行を吉か凶かで判断する従来の説明をとらず、逆行惑星が表れうる三つの「振動の調子(vibrational moods)」で説明する体系を示し、各惑星を全サイン・全ハウスで論じています。第1巻で始めた秘教的・カルマ的な象徴の検討を引き継ぐ巻とされています。
第3巻『Joy and the Part of Fortune』は
パート・オブ・フォーチュンを主題にした巻です。シリーズの最終巻とされる第4巻『The Karma of the Now』は、過去と未来は人が考えるときにしか存在しないが、現在は考え方にかかわらず存在する、という理解に立ち、惑星をサインごとにたどりながら、過去にとらわれすぎず未来に過大な期待をかけずに惑星の力を使う方法を示すと紹介されています。
カルマ占星術シリーズは4巻で、いずれも Samuel Weiser 刊です。第1巻『Karmic Astrology, Volume I: The Moon's Nodes and Reincarnation』が1975年、第2巻『Retrogrades and Reincarnation』が1977年(204ページ)、第3巻『Joy and the Part of Fortune』が1978年(115ページ)、第4巻『The Karma of the Now』が1979年です。
シリーズのほかに、ホロスコープの読み方の手引き『Celestial Harmony: A Guide to Horoscope Interpretation』(1980年)、『Venus: The Gift of Love』(1981年、Golden Light Press)、『The Astrology of Sexuality』(1982年)、二人のチャートを比べる
シナストリーにカルマの考え方を当てはめた『Karmic Relationships』(1984年)、
アセンダントを主題にした『The Ascendant: Your Karmic Doorway』(1988年)などがあります。版元は『Venus』を除いて Weiser 系です。
ノードの軸を魂の過去と未来の方向として読む見方は、
進化占星術でも中心的な位置を占めています。ノードの読み方が流派によってどう違うかは、
月のノードの解釈を比べるコラムで整理しています。シュルマンのシリーズは、ノードと逆行惑星をサイン別・ハウス別に引ける参考書の形をとっており、第1巻は1975年の初版のあとも刷りを重ねています。
シュルマンを知ると、ノードや逆行惑星に「カルマ」という意味づけがどのような前提から組み立てられているかを、原典の構成から確かめられます。まずは本事典の
月のノードと
逆行の技法ページで基本の定義を確かめ、そのうえで第1巻の章立てと照らし合わせると、どこまでが天文学上の事実で、どこからがシリーズ独自の意味づけかを区別しながら読めます。人物どうしのつながりは
現代占星術家マップで確かめられます。
無料のホロスコープ計算機で自分のチャートを見る