倉本和朋氏(くらもと かずとも)は、1968年生まれの日本の占星術家で、英語圏の占星術文献を読み込み、日本語で紹介してきた人物です。著者紹介によれば、2004年に西洋占星術に興味を持ち、2007年に
松村潔氏の著書を読んだことをきっかけに本格的に学び始めました。2008年からは占星術の洋書を読み始め、
ウィリアム・リリーの『
Christian Astrology』第1巻・第2巻や、
レクティフィケーションの専門書『Complete Book of Rectification』などを読んだとされます。
2010年からは和書・洋書の占星術書のレビューを書き始めました。2021年9月時点で、Amazon.co.jp に投稿した占術関連書のレビューは324件、そのうち208件が西洋占星術の洋書のレビューだったと紹介されています。
倉本氏の仕事は、海外の占星術文献とその歴史を日本語の読者に橋渡しすることに重心があります。著書として、説話社から電子書籍の『西洋占星術洋書ガイドブック』Vol.1〜5と『西洋占星術家年鑑』を出しています。
2019年の共著『マンディーン占星術』では、第2章「マンディーン占星術の歴史的背景」を担当しました。
マンディーン占星術がどこで生まれ、どのように広まったかを、古代メソポタミアからギリシャ時代、6〜10世紀のヨーロッパでの衰退とアラブ・イスラム世界の占星術、11世紀から17世紀半ばのヨーロッパ、17世紀後半から19世紀後半のヨーロッパとアメリカ、19世紀末から1970年代、1980年から2019年までと時代を追ってたどり、市場や企業、事故、地震などの災害を扱う占星術や、日本での広がりにも触れています。版元は、携わってきた占星術家の活動まで説明した、西洋占星術史としての価値も高い章と紹介しています。
マンディーン占星術の歴史の概略は本事典でも扱っています。
翻訳には、ニュージーランド出身で英国を拠点に活動した著述家
マイケル・ベイジェント(1948〜2013年)の『古代メソポタミア占星術 前兆の科学と天空の知識』(太玄社、2021年11月。原題『Astrology in Ancient Mesopotamia』)があります。ベイジェントは、
ニコラス・キャンピオン、
チャールズ・ハーヴェイとの共著『Mundane Astrology』(1984年)でも知られる人物です。
本書は三部構成で、第一部「発見」ではメソポタミアの発掘の歴史、ニネヴェの王室図書館、アッシリアの学者たちの書簡、前兆の双書『エヌマ・アヌ・エンリル』を、第二部「神話と天体」では月のシン、太陽のシャマシュ、金星のイシュタルなど七つの天体と神々、天文書『ムル・アピン』を、第三部「余波」ではハッラーンなどを経て「バビロンからボッティチェリへ」と後世への流れを扱っています。
バビロニアの占星術の背景を知るうえで、日本語で読める資料の一つです。
共著には、松村潔氏・
芳垣宗久氏・
賢龍雅人氏との『マンディーン占星術』(説話社、2019年)があります。