ビル・メリディアン(Bill Meridian、1949年生まれ)は、金融占星術とマンデン占星術を専門とするアメリカの占星術家・サイクル研究家です。ニューヨーク大学で金融を学び、1972年に経営学修士(MBA)を得てウォール街に入りました。占星術の勉強を始めたのも同じ1972年だとされています。
占星術の世界では、株式を上場して最初に取引された日時のチャート(ファースト・トレード・チャート)を使って銘柄を分析する著書『Planetary Stock Trading』で知られています。この本は版を重ね、現在は第4版の『Planetary Stock Trading IV』が出ています。日食の研究や、サイクルを使った世界の出来事と市場の予測にも取り組み、金融とマンデンの分野で4冊の著書があります。
もう一つの特徴は、師であるチャールズ・ジェインと、ジェインが手本とした L・エドワード・ジョンドロの仕事を受け継ぎ、紹介し続けていることです。メリディアン自身の文章によると、ジェインは12年にわたる師であり友人でした。
経歴の上では、投資の現場に長く身を置いています。2007年の金融専門誌のインタビュー紹介文によると、ウォール街では投資調査会社バリューラインのファンダメンタル・アナリストとして出発し、1978年には株価の動きをサイクルと関連づけるコンピュータ・プログラムを書き始めました。その後は買い手側と売り手側の両方で働き、中東でファンドマネジャー兼ストラテジストとして14年を過ごしたと紹介されています。Wikipedia は、1983年からコンピュータを金融占星術に応用し始め、解析ソフト AstroAnalyst を設計したと記しています。
占星術の技法としては、1974年からハンブルク派の流れをくむ
ユラニアン占星術を学んだと本人の講演者紹介にあります。また、ニューヨークでジョン・ピエラコスのもとでコア・エナジェティクス(身体心理療法の一派)の訓練を受けたことも、講演者紹介と Wikipedia に記されています(訓練の年数は、Wikipedia が7年、講演者紹介が9年としていて食い違います)。
メリディアンの仕事の中心は、
金融占星術をデータで確かめられる形にしようとする試みです。代表的なのがファースト・トレード・チャートの活用です。本人のサイトでは、その入り口として「決算サプライズ法」を紹介しています。企業が決算を発表する日に、その銘柄のチャートに天体がどれだけ触れているかを調べる方法で、接触が少なければ決算は予想どおり、強く接触していれば株価が大きく動きやすいという考え方です。分析ではネイタルの MC・太陽・月を中心に見て、
セカンダリー・プログレッションを順行と逆行(コンバース)の両方で当てるよう勧めています。
日食の研究も大きな柱です。メリディアンはジェインの日食研究を発展させており、著書では食の帯(皆既・金環の影が地上を通る経路)を予測に使う方法を扱っています。
日食の影響がいつ始まりいつまで続くかについて、ジェインから学んだ目安を紹介した文章もあります。
ハーモニクスにも関心を寄せています。メリディアンは、
ジョン・アディから第1〜第9ハーモニクスの基本的な意味を教わったと書き、ジョンドロが重視した第24ハーモニクス(15度の倍数)が株式市場の転換点で目立つという自身の観察を述べています。2023年には、太陽の赤緯の差を使う「デクリネーション・アーク」による予測についての記事も発表しています。
ただし、これらは金融占星術の一つの実践例であり、本事典は将来の相場や投資の結果を保証するものとして紹介するものではありません。
『Planetary Stock Trading』は、上場企業のファースト・トレード・チャートを使って銘柄を選ぶ方法を解説した本です。現行の第4版『Planetary Stock Trading IV』は Cycles Research から出ており、公式サイトでは決算サプライズ法の更新や新しい事例研究を加えたと紹介されています。
『The Predictive Power of Eclipse Paths』(Cycles Research Publications、2010年、332ページ)は日食の本です。目次には、日食とネイタル・チャートの関係、食の帯、マンデン占星術での使い方、アストロカートグラフィとの組み合わせなどが並び、ジェインの元の論文を収めた章(Jayne's Original Articles)もあります。紹介ページでは、ジェインの日食の規則や、ジョンドロの出生前日食の規則と「エレクトリック・フェーズ・アーク」を扱うと説明されています。
ほかに『Planetary Economic Forecasting』(公式サイトの表記では改訂第2版、2008年)と、副題のとおりマンデン占星術を応用した予測を扱う『Mastering Geopolitical Prediction: Applied Mundane Astrology』があります。また、ジェインが夫人とともに1958〜1962年に編集した研究誌『In Search』を、Cycles Research から復刊しています。
メリディアンは雑誌『Dell Horoscope』でマンデン占星術のコラムを1990年から担当していると紹介されており、一般の読者に向けた発信も長く続けています。サイクル研究の団体 Foundation for the Study of Cycles の理事を務め、ウィーンの未来学の会 Kenos Circle の会員でもあります。
占星術の歴史に対する貢献としては、ジェインとジョンドロの仕事を記録に残したことが挙げられます。英国の占星術団体ユラニア・トラストのサイトには、メリディアンが2016年に書いたジェインとジョンドロの評伝が掲載されています。ジョンドロの日食研究の多くは生前に出版されておらず、メリディアンはジェインとの交流を通じて知った内容をまとめています。この二人については
チャールズ・ジェインと
L・エドワード・ジョンドロの項目もご覧ください。
2026年の国際会議 United Astrology Conference でも講演者に名を連ね、アメリカの天王星回帰と2026〜2027年の日食、金の取引と天体の関係といったテーマを取り上げています。
メリディアンを知ると、
マンデン占星術と金融占星術の現代の実践が、20世紀前半のジョンドロから20世紀後半のジェインへ、そして現在へと受け継がれてきた一本の線が見えてきます。同じ金融占星術の実践家である
レイモンド・メリマンの項目と読み比べると、この分野の広がりもつかめます。
学ぶ入り口としては、ユラニア・トラストに掲載されたジェインとジョンドロの評伝が、メリディアンの考え方の源を知るのに向いています。日食に関心があれば『The Predictive Power of Eclipse Paths』が中心的な著作です。日食の基本は
日食と月食のコラムで確認できます。現代の占星術家の関係は
現代占星術家マップにもまとめています。