バジル・フィアリントン(Basil Fearrington)は、
ノエル・ティルの方法を学び、教えてきた米国の占星術家です。1999年にLlewellyn社から入門書『The New Way to Learn Astrology』を出し、ティルの方法を初学者向けにまとめました。2020年に配信された『The Astrology Podcast』のティル追悼回では、
キャシー・ローズとともに、ティルのもっとも著名な弟子の二人として紹介されています。
占星術家であると同時に、フィラデルフィア出身のベーシスト・作曲家・プロデューサーでもあります。本人は17歳ごろからプロの音楽家として活動してきたと述べており、ベース奏者向けのインタビュー記事では、ロバータ・フラック、スティーヴィー・ワンダー、チャカ・カーンらと仕事をしてきた人物として紹介されています。
フィアリントンによれば、占星術に触れたのは13歳のときで、10歳年上の長兄に教わったのが始まりでした。のちにニューヨークの占星術書店でティルの全12巻のシリーズ『The Principles and Practice of Astrology』を見つけて一式を買い求め、読み込んだといいます。そのうえでLlewellyn社に手紙を書いてティルの鑑定を申し込み、それをきっかけに電話と手紙でのやり取りが長く続きました。
1990年代に入ると、フィアリントンの記事が雑誌に載るようになり、ティルが手がけたLlewellyn社のシリーズ本2冊に加わりました。そのうち1冊では序文を任され、本人はこれをティルの本に他人が序文を書いた最初の例だったと語っています。本人のブログでは、序文を書いたのは『Astrology of the Famed』だとしています。1998年にはティルの求めに応じて南アフリカへ移り、ヨハネスブルグで1年間ティルの方法を教えました。
フィアリントンの仕事の中心は、ティルの方法を入門者に手渡す教材づくりと、指導です。『The New Way to Learn Astrology』は、ティルが自分の受講生のために書くよう勧めたものだと本人は説明しています。書誌の紹介文によれば、天体・サイン・ハウス・アスペクト・逆行・プログレッション・トランジットといった基本を、課ごとの要約と確認問題を添えたワークブックの形で学べるようになっています。
ブログ「Basil Fearrington's Progressive New Way Astrology」では、
ソーラーアークや
ミッドポイントを使った解説を多く載せており、ミッドポイントの解釈をまとめた「Midpoint Manual」や技法をまとめた「Techniques Manual」も案内しています。ティルは時期を読む技法としてソーラーアークを用い、ミッドポイントはエバーティンのコスモバイオロジーから取り入れて解釈を改めながら使っており、フィアリントンの関心もその延長にあります。
指導の面では、2020年の時点で、ティルの修士課程にあたる通信講座をキャシー・ローズとともに教えていると、ローズが同じ番組で話しています。ローズは、2000年の占星術会議「Astro 2000」で初めてフィアリントンに会ったと振り返っています。
代表作は『The New Way to Learn Astrology』(Llewellyn Publications、1999年、264ページ)です。書誌情報では、ティルとの連名で扱われることもあり、ティルの方法による入門書として位置づけられています。2020年の時点では絶版で、本人は「本文の権利は自分に、題名の権利はLlewellyn社にある」と説明していました。
ほかに、ティルが手がけたLlewellyn社のシリーズ本への寄稿があり、本人のブログでは『The Mountain Astrologer』誌や『Dell Horoscope』誌に記事が載ったこと、全米占星術会議(UAC)で2度講演したことを経歴として挙げています。ティルの講演18本の録音をデジタル化し、希望者に頒布していることも、2020年の番組で話しています。
フィアリントンは、ティルに長く師事した弟子の一人として、ティルの方法をいまに伝える立場にあります。2020年の番組では、ティルが1998年の全米占星術会議で受けたレグルス賞が、ティルの没後に自分のもとへ送られてきたと話しています。同門のキャシー・ローズとは、通信講座の指導で協力してきました。
人物どうしのつながりは
現代占星術家マップでも確かめられます。ティルを起点とする米国の心理占星術の流れは、
近代・心理派占星術の系譜にもまとめています。
フィアリントンを知る意義は、ティルの方法が入門書という形でどのように整理されたかを確かめられる点にあります。ティルの大著に入る前の足場として『The New Way to Learn Astrology』を読み、そのうえで
ソーラーアークや
ミッドポイントの項目で技法を確かめると、ティル系の読み方の骨組みがつかみやすくなります。
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