水星逆行はいつ起きるのか
水星逆行は年に3回前後、それぞれおよそ3週間続きます。年間で合わせると約60〜70日、つまり1年のうちおよそ20%の期間が逆行にあたる計算です。意外と多い、と感じられるかもしれません。
ただし、水星逆行は地球から見た「見かけ上の動き」であり、水星が実際に逆向きに動くわけではありません。地球より内側の軌道を速く公転する水星が、地球を追い抜くタイミングに、地球から見て後ろ向きに進んでいるように見える現象です。電車に乗っていて、追い抜く側の電車が一瞬後ろへ流れて見える、あの錯覚に近いものとされます。
占星術では水星はコミュニケーション、移動、情報処理、契約、知性を象徴する天体とされ、その水星が見かけ上の逆行に入る時期を、確認や見直しを丁寧に行うリズムとして読みます。
この記事では、2026年と2027年の正確な水星逆行カレンダーを、通過するサインとあわせて整理します。水星逆行そのものの基本については
水星逆行とはもあわせてご覧ください。
2026年の水星逆行カレンダー
2026年は3回の水星逆行があります。
1回目は、2026年2月26日に魚座22.6度から始まり、2026年3月20日に魚座8.5度で順行に戻ります。
2回目は、2026年6月29日に蟹座26.3度から始まり、2026年7月24日に蟹座16.3度で順行に戻ります。
3回目は、2026年10月24日に蠍座21.0度から始まり、2026年11月13日に蠍座5.0度で順行に戻ります。
3回ともサインをまたがず、同じサインの中で逆行を終えるパターンになっているのが2026年の特徴です。魚座から魚座へ、蟹座から蟹座へ、蠍座から蠍座へ。境界をまたがず1つのサインの中でじっくりと往復するイメージです。
そしてもう1つ、
魚座、
蟹座、
蠍座はいずれも水のエレメントに属します。2026年の水星逆行はすべて水のサインで起きる年と言えます。感情や記憶、親密な関係といった水のテーマが、見直しの対象として浮上しやすい1年になるかもしれない、と象徴的に読むことができます。
2027年の水星逆行カレンダー
2027年も3回の水星逆行があります。
1回目は、2027年2月9日に魚座6.0度から始まり、2027年3月3日に水瓶座20.9度で順行に戻ります。
2回目は、2027年6月10日に蟹座6.4度から始まり、2027年7月4日に双子座27.5度で順行に戻ります。
3回目は、2027年10月7日に蠍座4.9度から始まり、2027年10月28日に天秤座19.3度で順行に戻ります。
2026年とは対照的に、2027年は3回ともサインをまたぐパターンになっています。魚座から水瓶座へ、蟹座から双子座へ、蠍座から天秤座へ。それぞれ1つ前のサインへとさかのぼる形で順行に戻ります。
サインの境界をまたぐ逆行は、占星術では2つのテーマを交互に行き来する時期として象徴的に読まれます。1つ前のサインの未整理だった部分に戻り、確認を終えてから次のテーマへ進む、という動きです。2026年が水のサインに集中していたのに対し、2027年は水・風という異なるエレメントを行き来する点も対照的な特徴です。
シャドウ期間も含めると2か月のサイクル
水星逆行を考えるときに、本逆行の期間だけを見ていると見落とすものがあります。それがプレシャドウとポストシャドウです。
プレシャドウは、逆行に入る前に、逆行の始点となる度数帯を順行で通過しておく期間です。逆行が始まる前段階として、テーマがすでに視野に入り始める時期と考えられます。
本逆行は、見かけ上の動きが後ろ向きになる時期。最も「見直し」の象徴が強まる期間です。
ポストシャドウは、逆行が終わって順行に戻ったあと、もう一度同じ度数帯を順行で通過しなおす期間です。逆行中に出てきたテーマを、今度は通常のペースで整理し直し、結論や次の一歩に落とし込んでいく時期と読まれます。
プレシャドウ、本逆行、ポストシャドウの三段階を合わせると、一連のサイクルは2か月近くに及びます。「3週間だけ気をつければよい」というよりも、もう少し長いリズムで波がやって来ては引いていく、という見方が現実に近いと言えるでしょう。
詳しい技法的背景は
逆行(技法)もあわせて参照してください。
通過サインで読む水星逆行の質感
水星逆行が起きるサインによって、どんなテーマが浮上しやすいかは少しずつ違うとされます。占星術ではエレメント別に大まかな質感が語られます。
火のサイン(牡羊座・獅子座・射手座)での逆行は、情熱や行動、未来へのビジョンへの問い直しが象徴されると言われます。
地のサイン(牡牛座・乙女座・山羊座)での逆行は、所有、仕事、現実的な手続きの確認が象徴されると語られます。
風のサイン(双子座・天秤座・水瓶座)での逆行は、コミュニケーション、人間関係、契約や情報のやり取りが象徴されるとされます。
水のサイン(蟹座・蠍座・魚座)での逆行は、感情、記憶、親密な関係、心の奥のテーマが象徴されると読まれます。
この観点から見ると、2026年は3回とも水のサインで起きるため、感情や過去の記憶、近しい人間関係というテーマが浮上しやすい1年になる、と象徴的に読まれます。2027年は水と風を行き来するため、感情と言葉、心と論理のあいだを往復するような質感になりやすい、とも語られます。
ただしこれは決定論ではなく、あくまでサインの象徴を踏まえた読み方の1つです。
過去の水星逆行を振り返るヒント
これから先のカレンダーを眺めるだけでなく、過去を振り返るのもおすすめです。
直近では2025年11月9日から11月29日まで、射手座6.9度から蠍座20.7度にかけて水星逆行が起きていました。この時期、自分にどんな出来事や心の動きがあったかを思い出してみると、自分にとっての水星逆行のリズムが見えてきます。
連絡が行き違いやすかったか、過去の人から連絡があったか、計画を立て直すような出来事があったか。あるいは、特に何も気にならなかったか。人によって受け取り方はかなり違うものです。
水星逆行はあらゆる人に同じ影響を与えるものではなく、自分のネイタルチャートとの関わりや、その時のテーマによって体感が変わると考えられています。だからこそ、自分自身の過去の水星逆行を観察しておくことが、未来のカレンダーを活かす一番の手がかりになります。
水星逆行カレンダーの活かし方
カレンダーを見て「この期間はすべて避けなくては」と身構える必要はありません。むしろ、年に20%もある期間をすべて避けるのは現実的ではありません。
水星逆行の時期は、無理に行動を止める時期というよりも、確認やメンテナンスを丁寧にする時期として活かすのがおすすめです。
新規プロジェクトの大きな決定は、可能であれば逆行明けにずらしてみる。
重要なメールや書類は、送信前にもう一度読み返す時間を取る。
旅行や引っ越しの予定は、予備時間を多めに見ておく。
過去にやりかけだったタスク、連絡し損ねていた相手、書きかけの原稿を見直す。
このように使うと、逆行は「禁止期間」ではなく、整理整頓のための追い風のように感じられてきます。実践的なヒントについては
水星逆行とはの後半でもまとめています。
英語の re(再び、見直す、やり直す)から始まる言葉は、水星逆行のテーマを表すと占星術ではよく語られます。re-view(見直し)、re-connect(再接続)、re-vise(改訂)、re-turn(戻る)。「re」のつく動作を、ふだんよりほんの少し丁寧にする時期と考えてみてください。
自分のチャートと重ねて読む
水星逆行のカレンダーは、誰にとっても同じ日付で訪れますが、影響の出方には個人差があります。
たとえば、水星逆行が起きるサインが自分のネイタル水星と同じサインなら、より「自分自身の領域」として影響を実感しやすいとされます。出生図で水星のあるハウスに今回の逆行が重なる場合も、そのハウスのテーマが見直しの対象になりやすいと読まれます。
無料のホロスコープ作成ツールを使うと、自分の水星が何座の何度にあり、どのハウスに入っているかを確認できます。カレンダーの度数と自分のチャートを照らし合わせると、「2026年6月の逆行は自分の水星にちょうど重なる」といった具体的な読みが可能になります。
水星そのものの象徴については
水星のページ、逆行という現象の意味は
逆行(用語)が入口になります。生まれつき水星が逆行している方は
出生図の逆行、複数の天体が同時に逆行している時期の読み方は
複数天体の逆行もあわせてご覧ください。
水星逆行はあくまで天文学的なリズムであり、占星術ではそのリズムを「確認を丁寧にする時期」として象徴的に読みます。カレンダーを味方につけて、見直しと整える時間を、自分のペースで暮らしに織り込んでみてください。