ソーラーアーク(Solar Arc Directions)は、出生図のすべての天体を「太陽が1年間に移動した角度と同じ量」だけ等しく進めて、人生の節目を読む技法です。「太陽弧進行」とも呼ばれます。
太陽は1年でほぼ360度を一周し、1日に約1度ずつ動きます。ソーラーアークでは「1年=約1度」を基準として、たとえば30歳の節目を見たいなら、出生図のすべての天体を約30度進めた位置を計算します。この進行後の天体配置を「ソーラーアーク図」と呼びます。
よく似た技法に「セカンダリープログレッション(二次進行)」があります。プログレッションは「1日=1年」という法則で、出生後30日目の実際の天体位置を、30歳の節目として使います。これに対しソーラーアークは、太陽の移動量をすべての天体に均等に適用するシンプルな技法です。
セカンダリープログレッションでは月の速度が速い(約1か月で約1度)ため、月の動きが重要になります。ソーラーアークではすべての天体が同じ速度(約1度/年)で動くため、「何歳頃に何が起きるか」をシンプルに追いやすい特徴があります。
両者は無関係な技法でもありません。ソーラーアークで全天体を進める角度は、二次進行で太陽が進んだ角度そのものなので、SA太陽の位置は進行の太陽と重なります(
ソーラーアークの太陽とネイタルのアセンダント)。違いが出るのは月やほかの天体で、二次進行ではそれぞれの実際の速さで動くのに対し、ソーラーアークでは太陽と同じ歩幅でそろって進みます。どちらが優れているというものではなく、二つを組み合わせて使うことも多くあります。
ソーラーアーク図は出生図と「重ね読み」します。ソーラーアーク後の天体(SA天体)が、出生図のどの天体と新たにコンジャンクション(合)、スクエア(90度)、オポジション(180度)を形成しているかを見ます。これが特定の年齢・時期のテーマや変化の節目を示すとされます。
たとえば、SA火星が出生図の土星と合になる時期は、責任や制限に関するテーマでエネルギーが大きく動く節目として読まれることがあります。SA太陽が出生図のアセンダントと合になる時期は、自己表現や対外的な転機として解釈されることが多いです。組み合わせごとの読み方は、
ソーラーアークの項目一覧にSA天体とネイタルの点の組み合わせ別にまとめてあります。
オーブは1〜2度以内を目安とすることが一般的で、1度がおよそ1年の時間幅に相当します。ソーラーアークの天体は逆行せず一方向に進むので、同じ天体に同じ角度で触れるのは一度きりです。トランジットのように行きつ戻りつして何度も角度を結ぶことはなく、角度がそろう年をはさんだ前後の時期を、ひとつのまとまった節目として読みます(
SA火星とネイタルの土星)。
辞典のソーラーアーク計算では、出生情報と対象日を入れると、内側にネイタル、外側にソーラーアーク後の天体を重ねた二重の円が表示されます。対象日を空欄にすると現在の時刻で計算され、結果の冒頭には経過年数とアーク量が示されます。
見どころは、「ネイタル × ソーラーアーク アスペクト」の表に★印で示されたタイトな接触です。その中から合とスクエア、オポジションを拾い、SA天体とネイタル天体の組み合わせの意味を考えます。続いてソーラーアーク天体の一覧で、そのSA天体がネイタルの何室に入っているかを見ると、テーマが現れやすい生活の場面に当たりがつきます。対象日を1年ずつ動かして再計算すると、ある接触が近づき、ぴたりとそろい、離れていく流れを追えます。
アセンダントやMCが絡む接触は、出生時刻の精度に左右されます。アセンダントは平均して約4分で1度動くため、出生時刻が4分ずれると、角度がそろう時期がおよそ1年ずれる計算です(
ソーラーアークの太陽とネイタルのアセンダント)。時刻があいまいな場合は、
アングルとの接触の年を幅をもって読みます。
ソーラーアークは「1年に約1度」という直感的な法則で出生図のすべての天体を進め、人生の節目を読む進行技法です。セカンダリープログレッションとともに、現代占星術でよく使われる「時間の技法」の一つです。トランジット・プログレッション・ソーラーアークを重ね合わせることで、特定の時期のテーマがより立体的に見えてきます。
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