デカンとは
ホロスコープは、12のサイン(星座)を土台に読み解きます。それぞれのサインは、ちょうど30度ずつの幅を持っています。
このサイン1つ分の30度を、10度ずつ、3つのブロックに分けたもの。それがデカン(decan)です。日本語では「十度分割」と訳されることもあります。
つまり、ひとつのサインは、前半(0〜10度)・中盤(10〜20度)・後半(20〜30度)という、3つのデカンでできていることになります。
ここで大切なのは、同じサインでも、デカンが違えば色合いが少し変わる、という考え方です。
たとえば、同じ牡羊座生まれでも、太陽が牡羊座の2度にある人と、25度にある人とでは、表に出てくる持ち味のニュアンスが違ってくる、と見ます。前半のデカンはより牡羊座らしいストレートな勢いが、後半のデカンは少し趣の異なる風味が混じる、といった具合です。
サインという大きなくくりの中に、さらに3段階のグラデーションがある。デカンは、その細やかな濃淡を読むための物差しだと考えてください。
デカンの考え方
では、それぞれのデカンの「色合い」は、どうやって決めるのでしょうか。じつは、ここには複数の方式があり、占星術の流派や時代によって採用するものが違います。代表的なものを、中立に2つ紹介します。
ひとつめは、同じエレメント(火・地・風・水)の3サインで色づける方式です。
・牡羊座(火)のデカンなら、前半は牡羊座、中盤は同じ火の獅子座、後半は同じ火の射手座の風味、と重ねます
・つまり、牡羊座の後半デカンには、射手座のような色がほんのり加わる、と読みます
・牡牛座(地)なら、牡牛→乙女→山羊、という同じ地のサインの流れで色づけます
もうひとつは、カルデア順の惑星を、各デカンの支配星として割りあてる方式です。
・カルデア順とは、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月という、伝統占星術で使われる惑星の並び順のことです
・この順番で、各デカン(牡羊座前半・中盤・後半…)に惑星を1つずつ当てていきます
・たとえば牡羊座の前半デカンは火星、中盤は太陽、後半は金星、というように、惑星のキャラクターでデカンの性質を読みます
このように、デカンには「同エレメントのサインで読む立場」と「カルデア順の惑星で読む立場」があり、どちらかだけが正解というわけではありません。さらにインド占星術など、別の体系では割りあて方が異なる場合もあります。まずは「複数の見方がある」と知っておけば十分です。
デカンを知るメリット
デカンを知る一番の価値は、「同じ太陽星座なのに、人によってこんなに違うのはなぜ?」という疑問が、すっと腑に落ちることです。
同じ星座の友人と性格がまるで違っても、不思議ではありません。デカンという物差しを当ててみると、そこには前半・中盤・後半という細やかなグラデーションがあり、二人は別のデカンに立っているのかもしれない。そんなふうに、違いを丁寧に説明できるようになります。
すると、自己理解の解像度が一段あがります。
・「牡羊座だから一括りにこう」ではなく、「牡羊座の後半デカンだから、自分にはこういう色も混じっている」と、もう一歩細かく自分を捉え直せます
・大ざっぱな12分類ではどうにもしっくりこなかった部分が、より自分の実感に近い言葉でつかめてくることがあります
占星術は、人を「12タイプ」に振り分けて終わりにする道具ではありません。デカンに触れると、それがむしろ、自分という存在を細やかに、立体的に知っていくための地図なのだと実感できるはずです。
各サインがどんな持ち味を持つのか、その詳しい解説は本事典の各サインの項目をご覧ください。そして、あなたの太陽や月が、どのサインの何度、つまりどのデカンにあるのかは、「無料のホロスコープ作成」で実際に計算して確かめられます。自分の星の位置を知る、その第一歩として役立ててみてください。