インターセプトとは
ホロスコープは、空を12のハウス(部屋)に区切って読みます。それぞれのハウスの入り口の線を、カスプと呼びます。
ふつうは、ハウスの数(12)とサインの数(12)が対応し、各ハウスのカスプには別々のサインが乗ります。ところが時々、あるハウスの中に、どのカスプにも触れないまま、ひとつのサインがまるごと収まってしまうことがあります。
この、カスプに顔を出さずハウスの内側に封じ込められた状態を、インターセプト(封入)と呼びます。日本語では「封入サイン」「インターセプトサイン」などと言います。
封入は、必ずペアで起こります。あるサインが封入されると、その真向かいのサインも、反対側のハウスで同時に封入されます。たとえば、2ハウスに牡牛座が封入されていれば、8ハウスにはその対向の蠍座が封入される、という具合です。
封入は、クアドラント方式(プラシダスなど、四分円を基準に時間で区切る方式)を使うときに生じます。とくに、高緯度。赤道から離れた、北や南の地域での出生で起きやすいことが知られています。日本のように比較的緯度の高い土地では、珍しいことではありません。
そしてもうひとつ。あるサインが封入されると、その分、別のサインが2つのカスプに連続して現れる「重複」も、同時に生じます。封入と重複は、いわば裏表の関係でセットで起こるのです。
どう読むか
封入されたサインや、その中に入っている天体は、どう読めばよいのでしょうか。
ポイントは、「無い」のではなく「表に出にくい」と捉えることです。カスプという入り口に顔を出していないぶん、その性質は、ふだんは内側に隠れていて、すぐには発揮されにくい。そんなイメージで読みます。
たとえるなら、家の中にある「鍵のかかった部屋」のようなものです。
・その部屋(封入されたサイン)には、ちゃんと中身があります
・けれど扉が開きにくく、使いこなすには時間や、意識的な努力が必要になります
・人生のある時期に、ふとした経験をきっかけにその扉が開き、それまで眠っていた力が動きだす:そんな読み方をします
具体的には、たとえば3ハウスに双子座が封入されている人なら、「伝える・学ぶ・言葉にする」といった双子座の力が、若いうちは表に出しにくいかもしれません。けれど、その課題に意識して取り組むうちに、後半生でその才能が花ひらいていく、と読むことができます。
封入は「欠けている」しるしではなく、「あとから育つ・あとから開く」テーマのありか、と受け止めるのが基本の姿勢です。
封入を知るメリット
インターセプトを知ることの価値は、自分への見方がやわらかくなることにあります。
「どうして自分は、この部分だけうまく出せないんだろう」。そんな引っかかりを抱えている人は、少なくありません。封入という考え方は、その引っかかりに、別の角度から光を当ててくれます。
・うまく出せないのは、あなたの欠点や能力不足のせいだ、とは考えません
・それは「扉が開くのに時間がかかる、あとから花ひらくテーマ」なのだ、と受け止め直せます
・「今はまだ開いていないだけ」と思えると、自分を責める気持ちが、少し軽くなることがあります
言葉にしにくい内面のモヤモヤに、「これは封入されたテーマかもしれない」と名前がつく。それだけで、漠然とした自己否定が、ひとつの理解できる特性へと姿を変えていきます。
占星術は、こうして、ふだんは言葉にならない感覚に名前を与え、自分にやさしくなるための手がかりをくれます。封入は、その一例にすぎません。
あなたのチャートに封入されたサインがあるのか、あるとすればどのハウスのどのサインなのかは、「無料のホロスコープ作成」で実際に計算して確かめられます。もし見つかったら、それを欠点としてではなく、「これから開いていく、自分のもうひとつの部屋」として、そっと眺めてみてください。