19世紀に見つかった四柱の女神
ケレス、パラス、ジュノー、ベスタは、1801年から1807年にかけて相次いで発見された小惑星です(最初に見つかったケレスは、現在は準惑星に分類されています)。火星と木星のあいだをめぐるこれらの星に、発見した天文学者たちは、それぞれローマ・ギリシャ神話の女神の名を与えました。
占星術にこの4小惑星を本格的に取り入れたのは、20世紀後半のこと。デメトラ・ジョージの著書『Asteroid Goddesses(1986年)』が大きな役割を果たしました。彼女は、月と金星だけでは描ききれない女性性の多彩な側面を、この4女神が補ってくれると考えたのです。
四つの女神が描くもの
4小惑星は、それぞれ神話の女神らしいテーマをあらわします。
・ケレス(豊穣の女神デメテル)……育てること、慈しみ、母と子の絆。
・パラス(知恵と戦略の女神アテナ)……創造的な知性、技、問題を解く力。
・ジュノー(結婚の女神ヘラ)……対等なパートナーシップ、絆と約束。
・ベスタ(かまどの女神ヘスティア)……集中、献身、ひとつのことに打ち込む聖なる炎。
出生図でこれらがどのサイン・ハウスにあるかは、「どう人を育てるか」「何に打ち込むか」「どんな関係を結ぶか」といった、より具体的なテーマを照らし出します。10天体という大きな骨格に、こまやかな彩りを添える存在です。
小惑星は、実はこの4つだけではありません。発見された小惑星は今や数十万にのぼり、なかにはさまざまな名を持つものを読み込む占星術家もいます。そのなかでケレス・パラス・ジュノー・ベスタの4つは、最初に見つかった“古典の4女神”として、いまも小惑星占星術の入り口とされています。まずはこの四柱から親しむと、そこから世界が広がっていきます。
自分の多彩さを描き足す
4小惑星を取り入れるメリットは、自分のなかにある多彩な側面を、より細やかに言葉にできることです。「母のように育てる自分(ケレス)」「戦略を立てる自分(パラス)」「深く一つに打ち込む自分(ベスタ)」。人は誰でも、こうした複数の顔を持っています。
これらは「当たる・当たらない」を競うものではなく、自分という人間の解像度を上げるための、追加の絵の具のようなものです。10天体だけでは大づかみだった自画像に、女神たちが繊細なニュアンスを描き足してくれます。まずは「無料のホロスコープ作成」で、土台となる10天体のチャートを開いてみてください。そこが見えてくると、小惑星という彩りもいっそう生きてきます。