ハウスの分け方は一つではない
ホロスコープには「ハウス」という考え方があります。ハウスとは、人生をテーマ別に12の分野へ分けたものです。第1室は自分自身、第7室はパートナーシップ、第10室は社会的な役割……というように、空を12のエリアに区切って読みます。
ところが、この「12に区切る線」の引き方には、実は一通りではなく複数の方式があります。区切りの線を「カスプ(境界)」と呼びますが、どの理屈でカスプを決めるかが、流派や時代によって違うのです。
差がはっきり出るのは、主に「中間のハウス」のカスプと、高緯度(北欧など、赤道から遠い地域)で生まれた人のチャートです。たとえば同じ生年月日・出生時刻・出生地でも、方式を切り替えると、ある天体が第8室に入ったり第9室に入ったりと、ハウスの番号が変わることがあります。だからこそ、自分のチャートが「どの方式で計算されているか」を知っておくと、解釈の土台がぶれません。
主なハウスシステム
代表的なハウスシステムを、特徴とともに並べてみましょう。
・プラシダス(Placidus)=現在もっとも広く普及している方式です。天体が地平線から天頂へ昇っていく「時間」をもとに空を分割します。多くの占星術ソフトが初期設定に採用しており、本サイトのホロスコープ計算もこのプラシダスを使っています。
・ホールサイン(Whole Sign)=最古の方式で、ヘレニズム時代(古代ギリシャ・紀元前2世紀ごろ)にさかのぼります。アセンダント(東の地平線に昇るサイン)が入っているサイン全体を、まるごと第1室とします。1サイン=1ハウスとぴったり対応するのが特徴で、近年あらためて見直され、使う人が増えています。
・イコール(Equal)=アセンダントの度数を起点に、そこから30度ずつ均等に区切っていく方式です。各ハウスの大きさが等しくなり、シンプルで分かりやすいのが魅力です。
・このほかにも、コッホ(Koch)、カンパヌス(Campanus)、レギオモンタヌス(Regiomontanus)など、歴史の中で考案されてきた方式が複数あります。レギオモンタヌスはホラリー(事象占星術)で好まれるなど、用途で選ばれることもあります。
どれを使えばいい?
「どの方式が正解か」という唯一の答えは、実はありません。学んだ流派や、しっくりくる感覚によって選ばれているのが現状です。プラシダスは予測に向くと言われ、ホールサインは古典の読み方と相性がよい、というように、それぞれに支持する理由があります。
方式によって差が出るのは、おもに「カスプ(境界)のすぐ近くにある天体が、どちらのハウスに入って見えるか」という部分です。逆に言えば、アセンダント(ASC)と天頂(MC=第10室の起点)は、ほとんどの方式でほぼ共通します。つまり、チャートの骨格となる二つの軸は方式が変わってもおおむね揺らがず、変わりうるのは中間のハウスの線の引き方、というイメージです。なお高緯度の出生地では、プラシダスやコッホはハウスの大きさが極端に歪むことがあり、その場合はホールサインなどが選ばれることもあります。
本サイトは、世界でもっとも一般的なプラシダスを採用しています。まずは標準的な一枚として眺めてみるのがおすすめです。自分のハウスがどう分かれているのかは、「無料のホロスコープ作成」で実際のチャートを出してたしかめてみてください。