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冠
アルフェッカ(恒星)
Alphecca・アリアドネの冠を飾る一粒の宝石
所属星座
かんむり座(α星)
視等級
約2.23(白色A0V+黄色G5Vの食連星)
黄道上の位置(トロピカル・目安)
J2000基準で蠍座 約12度18分(2050年で約13度00分)
伝統的な性質
金星・水星的(プトレマイオス/ロブソン)
この記事の内容: 天文と神話占星術での意味チャートでの読み方関連する星・用語
天文と神話
アルフェッカはかんむり座のα星で、この星座でもっとも明るい星です。視等級は約2.23、A0V型の白い主星とG5V型の黄色い伴星からなる連星で、軌道面をほぼ真横から見る位置関係にあるため、互いに食を起こします。公転周期は約17.36日、明るさは約2.21から2.32のあいだでごくわずかに変化します。地球からの距離はおよそ75光年です。名はアラビア語で「途切れた星の環の明るい星」を意味する語に由来し、2016年7月に国際天文学連合の恒星名作業部会が Alphecca を固有名として承認しました。ラテン語で宝石を意味するゲンマ(Gemma)の名でも親しまれ、ウェルギリウス『農耕詩』がクノッソスの冠の星と歌った一節に由来するグノシア・ステラ・コロナエの名でも呼ばれてきました。ギリシア神話では、テセウスに置き去りにされたクレタの王女アリアドネにディオニュソスが贈った冠が、二人の婚礼を記念して天に上げられたものがかんむり座だと語られてきました。アルフェッカはその冠の中央を飾る一粒の石にあたります。
占星術での意味
プトレマイオスは『テトラビブロス』で恒星の性質を惑星になぞらえて記し、かんむり座の星々を金星と水星の性質を帯びるものとしました。この帰属を受け継いだヴィヴィアン・ロブソン『The Fixed Stars and Constellations in Astrology』(1923)は、アルフェッカを名誉や品位、詩や芸術の才と結びつく星として紹介しています。同書はあわせて、アルウィダス(Alvidas)が火星と水星の性質と見なしたことも書き添えており、伝統の内部でも見方が一つに定まっていないことがうかがえます。またアルフェッカは、アグリッパ『隠秘哲学三書』に記された十五のベヘニアン恒星のひとつにエルフェイア(Elpheia)の名で数えられ、トパーズやローズマリーと対応づけられた護符の伝統が伝えられてきました。なおこの護符の対応表では惑星を金星と火星としており、プトレマイオスの金星・水星とは系統が異なります。星座ごとに性質を割り当てる伝統と、護符の対応表をつくる伝統の違いによるもので、どちらか一方だけが正しいというものではありません。いずれも古典が語り継いできた象徴であり、吉凶や結果を断定するものではない点に留意して読まれます。
チャートでの読み方
恒星を出生図で読むときは、伝統的に合を中心に据え、1度から2度ほどの狭いオーブに限って考えるのが通例です。太陽や月といった光度の高い天体、アセンダント・MCなどのアングルと狭く重なるかどうかを確かめます。アルフェッカのトロピカル黄経は2000年の基準で蠍座12度18分あたりとされ、歳差により約72年で1度進むため、2050年には蠍座13度00分あたりへ移ると見積もられています。文献に載る度数は基準年によって少しずつ違うので、出生年に応じた位置で重なりを確かめてください。なお、かんむり座は黄道から北へ離れた北天の星座で、この星が実際の空で天体と並んで見えるわけではありません。黄経だけを取り出して重ねる読み方は、あくまで象徴をたどる手がかりです。
関連する星・用語
アルフェッカは、アルゴル・スピカ・アルクトゥルス・ヴェガなどと並ぶ十五のベヘニアン恒星のひとつです。金星的な性質で語られてきた点ではスピカと近く、二つを並べて読むと、伝統が星の質をどのように惑星にたとえてきたかが見えてきます。天の四方を見張るとされるロイヤルスター(四王星)の枠組みとあわせて眺めれば、恒星が体系として語られてきたことがつかめます。用語の基礎は恒星(フィクストスター)の項を、出生図で扱うときの前提はコラム「恒星(フィクストスター)とは」をご覧ください。自分の太陽やアセンダントの度数は「無料のホロスコープ作成」から確かめられます。
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関連する用語・コラム
恒星(フィクストスター)とは→ ロイヤルスター(四王星)とは→ ベヘニアン恒星とは→ 恒星(フィクストスター)とは(コラム)→
参考文献:英語版Wikipedia「Alphecca」:かんむり座α星・視等級約2.23(2.21〜2.32)・A0V+G5Vの食連星・公転周期約17.36日・距離約75光年・名称の由来(https://en.wikipedia.org/wiki/Alphecca) / Star Facts「Alphecca (Alpha Coronae Borealis)」:距離75.0±0.5光年・周期17.3599日・IAU恒星名作業部会による固有名 Alphecca の承認(2016年7月20日)・ゲンマ/グノシア・ステラ・コロナエの別名(https://www.star-facts.com/alphecca/) / 英語版Wikipedia「Corona Borealis」:ディオニュソスがアリアドネに贈った冠を天に上げたとする神話(https://en.wikipedia.org/wiki/Corona_Borealis) / 英語版Wikipedia「Behenian fixed star」:アグリッパ『隠秘哲学三書』第2巻47章・52章のベヘニアン15星一覧にエルフェイア(Alphecca)が含まれること、対応石トパーズ・草ローズマリー(https://en.wikipedia.org/wiki/Behenian_fixed_star) / Constellations of Words「Alphecca」:プトレマイオスによる金星・水星的性質、ヴィヴィアン・ロブソン『The Fixed Stars and Constellations in Astrology』(1923)の記述、アルウィダスの火星・水星説、2000年基準のトロピカル位置(https://www.constellationsofwords.com/alphecca/) / Astrology King「Fixed Star Alphecca」:トロピカル位置 2000年 蠍座12度18分/2050年 蠍座13度00分、ベヘニアン恒星としての護符伝承(https://astrologyking.com/alphecca-star/)
監修:編集部(占星術担当)最終更新 2026-09-05
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