ベテルギウスは、狩人オリオンの右肩(または右脇)に当たるオリオン座α星です。赤橙色に輝く赤色超巨星で、視等級は約0.0〜1.6の範囲で約400日周期に揺らぐ半規則変光星にあたります。スペクトル型はM1〜M2で、地球からの距離は測定が難しく、おおむね400〜550光年と見積もられています。名はアラビア語の「ヤド・アル・ジャウザー(オリオンの手)」や「脇(イブト)」に由来し、13世紀の写本の読み違いを経て現在の綴りになったと伝えられます。リゲル、シリウス、プロキオンとともに冬の夜空を彩る巨星として親しまれてきました。
伝統占星術では、ベテルギウスはプトレマイオスにより火星と水星の性質を併せ持つとされてきました。火星の力強さと水星の機知が結びつくと解され、ロブソンら恒星占星術の古典では、武勲や名誉、登用、富をもたらす「王者的(kingly)」な星として語られます。ブレイディは、世俗的な力や強さ、成功と結びつく非常に幸運な星とみなしたと伝えられます。一方で頑固さや性急さ、変わりやすさといった火星的な激しさが影として挙げられることもあり、栄光と試練が背中合わせに描かれてきた星といえます。いずれも「〜とされる」象徴的な伝承です。
惑星的な性質で比べると、ベテルギウスの輪郭がつかみやすくなります。同じく火星的とされる
アルデバランが火星だけの星であるのに対し、ベテルギウスには水星の機知が加わります。足の
リゲルは木星と土星の性質とされ、用語
ベテルギウスでは、肩(行動)と足(土台)の対比として語られています。
恒星は、出生図の天体やアングル(ASC・MCなど)と狭いオーブ(伝統的に1〜2度以内、とくに合)で重なったときに働くと読みます。ベテルギウスがそうした位置にあると、力強い行動力と機知を併せ持ち、努力によって評価や地位を得ていく資質として描かれることが多い星です。現在のトロピカル黄道ではふたご座28〜29度付近にあり、歳差で約72年に1度進むため、実際の重なりは個々のチャートで確かめる必要があります。同じオリオン座のリゲルとは対になる星として並べて論じられます。これは伝統的な象徴であり、運命を断定するものではありません。
トロピカル黄道のふたご座には、輝く恒星がいくつも並んでいます。各ページにある現在の位置で見ると、
アルデバランが9〜10度付近、
リゲルが16〜17度付近、ベテルギウスが28〜29度付近です。ふたご座に太陽や月、アングルがある人は、サイン名だけで判断せず、度数を一つずつ照らし合わせて、どの星と重なるのかを区別します。自分の天体やアングルがふたご座の何度にあるかは、
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ベテルギウスはふたご座の終わり近くにあります。恒星はサインではなく黄道上の一点として読むので(用語
恒星(フィクストスター))、かに座の入口に天体がある場合も、度数の差が狭ければ重なりとして確かめます。読み方の例を挙げると、水星との合なら、水星が示す話し方や考え方に機知と行動力の色合いが加わる、と読みます。太陽との合なら、自己表現の場で力強さが前に出やすい、と読みます。いずれも、その天体が入るサインやハウス、結んでいるほかのアスペクトとあわせて眺めるための手がかりです。
ベテルギウスは、同じオリオン座で対をなすリゲル(オリオンの足・木星と土星的とされる)と並べて学ぶと理解が深まります。また冬の大三角を形づくるシリウス(おおいぬ座)、プロキオン(こいぬ座)とのつながりも見どころです。四王星(ロイヤルスター)やベヘニアン恒星十五星には数えられませんが、火星・水星という惑星的性質を軸に他の恒星と比較すると象徴が立体的に見えてきます。恒星の全体像は用語集「恒星(フィクストスター)」やコラム
恒星(フィクストスター)とはで、王の星の概念は用語
ロイヤルスターで補えます。