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アストロカートグラフィ(場所の占星術)
出生時刻の天体がアングルに来る場所を地図上の線で示し、土地との相性を読む
分類
読み解きの技法
要点
天体の線を地図に引く
この記事の内容: とは読み解きのポイントチャートでの見方
アストロカートグラフィとは
アストロカートグラフィは、生まれた瞬間に空にあった天体が、地球上のどの地点でアングル(ASC・DSC・MC・IC)にあたっていたかを、世界地図の上に線として描き出す技法です。出生図そのものは一生変わりませんが、どこに立つかによって、その配置のどの部分が地平線や子午線に重なるかは変わります。その変わり方を地図の形で一望できるようにしたもの、と考えると分かりやすいと思います。成り立ちと各ラインの基本的な意味づけはアストロカートグラフィのコラムにまとめてあるので、このページでは実際に手を動かす段取りに絞ります。呼び名についてひとつ補足すると、この技法を体系化したのは米国の占星術家ジム・ルイスで、彼が用いた名称は1976年に商標として登録されています。そのため一般名詞としては、アストロカートグラフィ、あるいは場所の占星術という言い方が使われます。この技法が扱うのは、いつという問いではなく、どこという問いです。
読み解きのポイント
読む順序は、線の種類の確認から始まります。地図に引かれるのは、その天体が東の地平線から昇っていた地点をつないだアセンダントの線、西の地平線に沈んでいたディセンダントの線、南の空のもっとも高い位置にあったMCの線、その真下にあたるICの線の4種類です。四つの軸がそれぞれ何を受け持つかはアングルのページのとおりで、地図の上でもその担当は変わりません。次に見るのが天体です。ただし天体のキーワードを土地の性格に当てはめる前に、出生図でその天体がどのサイン・ハウスに置かれ、どんなアスペクトを受けているかを先に読んでおくことが勧められます。強弱の見方としては、複数の線が近くを通る地点や、性質の異なる線が交わる地点を、働きの重なる場所として見ます。線がどのくらいの範囲まで及ぶとみるかは、およそ数百キロ以内という説明が広く使われますが、根拠のある一つの数値が定まっているわけではないので、幅のある目安として受け取り、線の上か外かで白黒をつけない扱いが無難です。
チャートでの見方
手順は五つです。最初に出生時刻を確かめます。この技法はアングルを基準に線を引くので、時刻が不確かなままでは地図全体がずれます(なぜ出生時刻が大事なのか)。次に、作図ソフトやサービスでアストロカートグラフィの地図を出します。三つ目に、地図を眺めて良さそうな土地を探すのではなく、実際に候補になっている土地を先に決め、その周辺をどの線が通っているかを調べます。移住や長期滞在の候補は、仕事や家族の事情である程度絞られているのがふつうなので、そこから入るほうが現実的です。四つ目に、見つかった線の天体を出生図に戻して確かめます。無料のホロスコープ作成で自分のネイタルを出し、その天体のサイン・ハウス・アスペクトを押さえておくと、線の読みが具体的になります。五つ目に、その土地でリロケーションチャート(出生の日時はそのままに、場所だけを移して立て直した図)を作り、ハウスの配置がどう組み替わるかを見ます。線は候補地を一望するのに向き、リロケーションチャートは細部を追うのに向くので、両方を出しておくと迷いにくくなります。過去に滞在したことのある土地があれば、そのときの実感と照らし合わせてみてください。
流派による違いと注意点
立場の違いは、まず何を主な資料にするかに表れます。地図の線を主に見る立場と、リロケーションチャートを主に見る立場があり、実践では両方を併用する人が多いようです。また、出生地から見た方角で場所を読むローカルスペースという別系統の手法もあり、マイケル・アーレワインの『Local Space』が知られていますが、地図に線を引くアストロカートグラフィとは前提が異なります。読みの深さにも幅があります。ジム・ルイスとケネス・アーヴィングによる1997年の共著は、線を幸運と不運の割り当てとしてではなく、その土地で前に出やすくなる心の側面として説明する立場を取っています。注意点は二つあります。ひとつは出生時刻の精度です。MCとICの線は地球の自転に直結しているため、時刻がおよそ4分ずれると、線は経度でおよそ1度ぶん動きます。もうひとつは、線の読みがその土地の評価そのものにすり替わりやすいことです。ある線の近くへ移れば運が開ける、という言い方は、この技法の前提を超えています。住む場所を決めるのは仕事や制度、家族、費用といった現実の条件で、線はそこに視点を一つ足すものにとどまります。
この技法を自分に活かす
日常で使いやすいのは、移住のような大きな決断よりも、旅行や出張の機会です。仕事や帰省で訪れる土地の線を事前に調べ、実際に過ごしてどう感じたかを控えておく。これを何度か重ねると、地図の読み方が自分の手応えを持つようになります。長く住むことを考えている土地があるなら、短い滞在を挟んでから決めるほうが順当です。線が通っていない土地に意味がないわけでもありません。地図に描かれるのは40本ほどの線だけで、人が暮らす場所の大半はその間にあります。占星術は移り住んだ先の結果を保証しませんが、場所という切り口で出生図を眺め直す機会にはなります。トランジットで時期を見ているなら、どこで過ごすかという視点を重ねてみるのも一つです。
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参考文献:Jim Lewis & Kenneth Irving『The Psychology of Astro*Carto*Graphy』(1997) / Michael Erlewine『Local Space』(手法名の言及のみ) / 本事典 columns/astrocartography(技法の成り立ち・名称の由来・ラインの本数はこのページに準拠)
監修:編集部(占星術担当)最終更新 2026-09-05
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