この時期に高まるエネルギー
言葉の選び方に美意識が宿り、人との会話がやわらぎやすい1〜2年を、進行の水星とネイタルの金星の角度は運んできます。
二次進行の物差しでは、出生後の1日が人生の1年にあたります。進行の水星は1年に最大約2°進み、遅いときはほとんど動かないので、オーブ1°前後で見ると、一つの角度は1〜2年ほど続きます。取り上げるのは、進行の水星が出生図の金星に合(0°)、セミスクエア(45°)、スクエア(90°)で触れる時期です。
この組み合わせでは、オポジションは起きません。ネイタルの金星は太陽から約47°以内にあり、進行の水星は進行の太陽から約28°以内にとどまります。進行の太陽は80年で約80°しか進まないため、真向かいまでは届かないのです。読むのは合・45°・90°が中心になります。
ネイタルの金星は、好み、美意識、人からの好かれ方、お金の感覚を示す点です。そこへ水星が届くと、「何をいいと感じるか」を言葉で説明したくなり、会話の運びや文章の端々に柔らかさや品が出てきます。好みを人に伝える力が増す反面、気に入られようとして本音が薄まる場面もあります。
生まれた直後に水星が逆行に転じる日があれば、その日数に当たる年齢で、進行の水星も逆行に入ります。留の近くでは何年も同じ度数にとどまるため、同じ角度に2〜3回触れることもあります。何歳で起きるかは人によって違います。
起こりやすい出来事・テーマ
人との会話そのものが楽しくなる時期です。気が合う相手と長電話をする、新しい知り合いと趣味の話で盛り上がる、といった場面が増えます。
恋愛では、相手の好みを言葉で知ろうとする動きが出ます。好きな映画や食べ物、心地よい休日の過ごし方を聞き合ううちに、相手の価値観が見えてきます。パートナーがいる人も、ふだん口にしない好みを言葉にしてみると、長い付き合いの中に新しい発見が生まれます。
言葉そのものを味わう楽しみも深まります。詩や歌詞、季節のあいさつ文などに惹かれ、気に入った一節を口ずさむ、便りの書き出しを季節に合わせて選ぶ、といった形で、ことばの響きへの感度が上がります。
友人の相談に乗る場面では、相手を傷つけない言い方を自然に選べるようになり、言いにくい指摘をやわらかく伝える役を頼まれることもあります。外国語や古典の言葉の響きに惹かれて、学び始める人もいます。
頼まれごとにもセンスが出ます。結婚式のスピーチや送別会のあいさつ、店のメニューや催しの案内文づくりなど、場の雰囲気に合った言葉を選ぶ役で喜ばれやすい1〜2年です。
合のあいだは、選ぶ言葉や文字の書き方にまで好みが表れ、手書きのカードが相手の記憶に残ります。スクエアでは、好みを言葉にしたとたんに相手との違いが際立ち、どちらかが譲るまで話がまとまらないことがあります。45°は、ちょっとした言葉選びの違和感程度にとどまるでしょう。
このエネルギーの活かし方
人に伝えたいことがあるなら、まず相手が受け取りやすい順番を考えてみてください。
結論、理由、お願いの順にするだけで、やわらかさと明確さの両方が保てます。
友人に言いにくいことを伝えるときは、よいところを一つ先に言葉にしてから本題に入ると、やわらかさを保ったまま要点が届きます。
贈り物を選ぶときは、添える一言まで考えてみてください。なぜそれを選んだのかを短く書いたカードは、品物以上に相手の心に残ります。
角度が働く1〜2年のあいだに、好きな言葉や表現を集めておく、気に入った文章を書き写すといった習慣を持つと、自分の言い回しが磨かれていきます。季節の便りの書き出しを自分なりに考えてみるのも、言葉の美意識を育てる気軽な練習です。
気を遣いすぎて疲れるときは、断るときの決まり文句を一つ用意しておくと楽です。「今回は見送らせてください、また声をかけてもらえるとうれしいです」のように、角を立てずに線を引ける言い方があれば、好かれたい気持ちと自分の都合を両立させやすくなります。