この時期に高まるエネルギー
進行の水星がネイタルの太陽に触れるあいだは、自分は何を考えているのかを、自分の言葉でつかみ直したくなる時期と読まれます。
進行の天体は、出生後の1日を人生の1年に置き換えて求めます。これが二次進行です。進行の水星と出生時の太陽のあいだで問題になるのは、重なる合と、45°のセミスクエア、90°のスクエアの三つで、手応えがあるのは合とスクエア、45°は控えめにとどまります。進行の水星は1年に最大約2°で、遅いときはほとんど動かないため、オーブを1°前後に取ると、一つの角度は1〜2年ほど続きます。
この組み合わせでは、オポジションは起きません。進行の水星は進行の太陽から約28°以内にとどまり、進行の太陽も80年で約80°しか進まないため、真向かいまでは届かないのです。45°や90°も、進行の太陽がある程度進んでからでないと届かないので、合に比べると巡る人が限られます。
ネイタルの太陽は、生きる目的や自己表現、活力を示す動かない点です。そこへ水星が届くと、何を考え、どう言葉にするかが、自分はどこへ向かうのかという問いと重なります。ふだん用事のために使っている頭が、「自分の言葉で話せているか」に向き直る感覚です。
出生直後に水星が逆行に転じる日があった場合、その日数に当たる年齢で、進行の水星も逆行に転じます。留の近くでは何年も同じ度数にとどまるため、同じ角度に2〜3回触れることもあります。何歳で起きるかは人によって違います。
起こりやすい出来事・テーマ
家族の中で、自分の希望をはっきり口にする場面が増えやすくなります。休日の過ごし方や住まいの選び方、家計の優先順位について、これまで周りに合わせてきた人ほど、「自分はこうしたい」と言いたくなる1〜2年です。
子どもや後輩に、自分がしていることを説明する機会も出ます。なぜこの仕事を選んだのか、何を大事にしているのかを、相手に分かる言葉で話すうちに、自分でも考えの芯が見えてきます。
買い物や住まいのような身近な選択でも、理由を自分の言葉で説明したくなります。勧められるまま選ぶのではなく、なぜこれがいいのかを言えるものを選びたい、という気持ちが強まります。
趣味の場では、好きなものについて語る口ぶりに熱が入ります。仲間内の集まりで自分の見方を話すと意外なほど面白がられ、それが自信になる人もいます。
角度ごとに見ると、合は考えと自分らしさが重なり、素直な言葉が出やすい時期です。スクエアは、言いたいことを言えないもどかしさや、身近な人との意見の食い違いとして表れやすいでしょう。45°は、言い方ひとつで印象が変わると気づく程度の小さな出来事にとどまります。
見落としやすいのは、言葉にした自分像に引っぱられすぎる点です。一度口にした考えを守ろうとして、変わりつつある本音に気づきにくくなることもあります。
このエネルギーの活かし方
考えを自分の中心へ戻したいときは、「それはなぜ」と自分に三回たずねてみるのが合います。
最初の答えは周りから借りた理由であることが多く、二回目、三回目と重ねるうちに、自分が本当に大事にしていることが出てきます。家族に希望を伝える前にこの自問をしておくと、話がぶれにくくなります。
家族に希望を伝えるときは、「わたしはこうしたい」と主語を自分にして話すと、相手を責める響きになりにくくなります。身近な人との意見の食い違いは、結論を急がず、違いを整理するところまでを目標にすると無理なく進みます。
趣味の仲間内で面白がられた見方は、短い言葉にまとめて手元に残しておきましょう。人に響いた自分の視点は、自分らしさを確かめる手がかりになります。
水星の進みが遅い年もあるので、この1年で答えを出さなければ、と焦る必要はありません。同じ話題を何度も語り直したくなるのも自然な動きで、語るたびに輪郭が整っていきます。
季節が変わるごとに、自分の口ぐせやよく使う言い回しを一つ振り返ってみてください。1〜2年たつころには、言葉の選び方そのものに自分らしさが映っているのが見えてくるでしょう。