この時期に高まるエネルギー
進行の水星とネイタルの火星の角度は、考えに行動の速さを与え、言葉に切れ味を出す配置と読まれます。
二次進行では、出生後の1日を人生の1年とみなして、進んだ天体が出生図のどこに触れるかを読みます。進行の水星は1年に最大約2°動き、遅いときはほとんど動きません。オーブを1°前後に取ると、一つの角度は1〜2年ほど続きます。合(0°)、セミスクエア(45°)、スクエア(90°)、セスキコードレート(135°)、オポジション(180°)を一つにまとめて扱い、合・スクエア・オポジションに重みがあります。
ネイタルの火星は、行動の向き、怒りの出し方、競争心、体の熱を示す点です。そこに水星が届くと、考えと行動の間にあった距離が縮まります。思いついたらすぐ動く、言いたいことをすぐ言う、という速さが前に出て、議論や交渉、判断の場面で頼もしさにも荒さにもなります。頭の回転が速くなったように感じる一方、結論を急いで細部を取りこぼしやすい点は、押さえておきたいところです。
もし生まれた直後に水星が逆行に転じる日があったなら、その日数に当たる年齢で、進行の水星も逆行に転じます。留の近くでは何年も同じ度数にとどまるので、火星への角度に2〜3回触れることもあります。ただし何歳で来るかは人によって異なります。
起こりやすい出来事・テーマ
実務では、判断の速さを求められる場面が増えます。トラブルの一報を受けて最初の指示を出す役、遅れている工程を立て直す役、現場で素早く判断する役を任される人もいます。
副業や独立、転職のような、行動を伴う決断に頭が向く人もいます。情報収集から申し込みまでが早く、迷う時間が短くなるのがこの時期の特徴です。
議論では、意見の応酬が熱を帯びやすくなります。合の時期は、考えたことがすぐ行動に移り、話し合いの途中で自分だけ動き出していることもあります。スクエアでは、相手の話を最後まで聞く前に結論を言ってしまい、早合点として表れやすくなります。オポジションは、同じくらい弁の立つ相手と張り合う形をとり、言い負かしたい気持ちが強まる時期です。45°や135°は、返事がそっけなくなる程度にとどまることが多いとされます。
家では、子どもの支度や宿題を待てずに急かしてしまう、家族の話を途中で引き取って結論を言ってしまう、といった形で、自分の速さが周りの速さとぶつかりやすくなります。
文章を書く速さも上がり、報告書や申請書を短時間で仕上げられる一方、誤字や添付漏れが増えやすくなります。
体の面では、頭に熱がこもりやすく、肩や首のこり、寝つきの悪さとして出る人もいます。
趣味では、将棋や囲碁、謎解きのような頭の勝負に熱が入りやすく、負けると眠れないほど悔しい、という自分に驚く人もいます。
このエネルギーの活かし方
速さを味方にするなら、決める前に一つだけ確かめる習慣を入れてみてください。数字、日付、相手の名前など、確認する点を一つ決めておくだけで、勢いを保ちつつ誤りを減らせます。
言葉が強くなりそうなときは、主語を「あなた」から「わたし」に置き換えて言い直してみます。「なぜやらないのか」を「わたしは急いでほしい」に変えるだけで、同じ要求でも相手の受け取り方が穏やかになります。
角度が働く1〜2年のうちは、速さを活かす場と、ゆっくり進める場を分けておきます。スピードが要る仕事は午前に、慎重さが要る確認作業は午後に、といった時間割にすると、同じ熱でも使い分けやすくなります。言い争いになりかけたら、先に要点だけ整理させてください、と一言入れてみると、相手の勢いを受け止めつつ自分の熱を下げられます。
家族と話すときは、相手が話し終えてから三つ数えて口を開く、と決めておくと、先回りして結論を言う癖が和らぎます。子どもの支度を待つ時間は、自分の予定を一つ減らして余白にしておくと、急かす言葉が出にくくなります。
勝ち負けのある趣味は、この時期の熱のよい逃がし先です。頭の勝負で使い切った熱は、職場や家での言葉の鋭さを和らげてくれます。