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プラネタリーアワー(惑星時間)
日の出と日の入りを基準に昼夜を12等分し、時間ごとの支配天体で行為を選ぶ
分類
読み解きの技法
要点
一日を7天体で区切る
この記事の内容: とは読み解きのポイントチャートでの見方
プラネタリーアワーとは
プラネタリーアワー(惑星時間)は、一日を昼と夜に分けてそれぞれ12等分し、区切られた各時間を7つの古典天体が順に支配すると考える、古典占星術の時間の区切り方です。定義としくみは用語集のプラネタリーアワーとはにまとめてあるので、この技法ページでは実際に使うための段取りを中心に扱います。この技法が答えようとするのは、「今日という一日のうち、どの時間帯がどの天体の色を帯びているか」という問いです。日取りそのものを選ぶエレクショナル占星術が数日から数か月の幅で候補を絞る技法だとすれば、プラネタリーアワーはその内側、一日のなかの時間帯を選ぶ小さな道具にあたります。日付がすでに決まっていて時間帯だけを選びたいときや、本格的な選定を組む余裕がないときに、簡易版として使われてきました。扱う天体は肉眼で見える7つに限られ、近代に発見された天王星以降は含まれません(古典の7天体と、現代の3天体)。
読み解きのポイント
判断は三つの層を順に重ねていきます。第一の層は、その日の主星です。日の出の最初の時間を支配する天体がその日全体の主星となり、曜日の名の由来にもなったとされます。第二の層は、いま使おうとしている時間帯の支配星です。日の出を起点にカルデア順、つまり土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月の並びで数えていくと、その時間を司る天体が決まります。第三の層は、その天体が自分の出生図でどんな状態にあるかです。同じ金星の時間でも、出生図の金星がどのサイン・ハウスにあり、どの天体と角度を結んでいるかによって、その人にとっての手ざわりは変わると読まれます。支配星(ルーラー)の考え方は、ここでも土台になります。強弱を見るうえで外せないのが、一時間の長さそのものが一定ではないという点です。昼の長さを12で割ったものが昼の一時間、夜の長さを12で割ったものが夜の一時間なので、昼が長い夏は昼の一時間がおよそ70分に伸び、冬はおよそ50分に縮みます。春分・秋分のころだけ、時計の60分に近づきます。古典では、行為の性質に合う天体の時間を選ぶという読みが伝えられてきました。学びや連絡ごとは水星の時間に、和解や愛情に関わることは金星の時間に、決断や勝負ごとは火星や太陽の時間に、といった対応です。
チャートでの見方
手順は四つです。第一に、調べたい日と場所の日の出・日の入り時刻、そして翌日の日の出時刻を調べます。第二に、日の入りから日の出を引いた長さを12で割って昼の一時間を出し、翌日の日の出から当日の日の入りを引いた長さを12で割って夜の一時間を出します。第三に、その日の曜日の主星を昼の第1時間に置き、そこからカルデア順で昼の12区切り、続けて夜の12区切りへ順に天体を割り当てていきます。第四に、目当ての時間帯の支配星が決まったら、その天体が自分のネイタルでどこにあるかを確かめます。無料のホロスコープ作成で出生図を出し、その天体のサイン・ハウス・アスペクトを先に読んでおくと、時間帯の性質を自分の文脈に引き寄せて考えられます。ここで注意したいのは区切りの起点です。プラネタリーアワーの一日は真夜中ではなく日の出から始まるため、深夜から明け方にかけての時間帯は、カレンダー上の日付が変わっていても前日の割り当てが続いている扱いになります。時計の0時で数え直すと、丸ごとずれます。現在は日の出・日の入り時刻を返すツールや、惑星時間をそのまま表示するソフトが多いので、計算そのものは手計算にこだわらなくてかまいません。
流派による違いと注意点
前提の違いとして大きいのは、一時間の長さの扱いです。昼夜をそれぞれ12等分するのが古典の前提ですが、時計の60分で機械的に区切るやり方も流通しています。後者は手軽な代わりに、季節による伸び縮みというこの技法の骨格を落としてしまいます。日の出・日の入りの時刻も基準の取り方で数分の差が出るので、区切りの境目ぎりぎりの時間帯は避けておくのが無難です。緯度の高い土地ほど夏と冬の差は大きく、白夜や極夜になる地域では昼夜の12等分そのものが成り立ちません。位置づけにも幅があり、エレクショナルの補助として最後に時間帯を詰めるために使う立場と、簡易な選定法として単独で使う立場があります(月とホラリー・エレクショナルエレクショナル占星術の技法)。よくある誤りは、真夜中から数え始めること、時計の60分で割ること、7天体以外を混ぜることです。なお、この技法は日付と場所だけで決まるので、他の予測技法と違って出生時刻の精度は要りません。記述はH.C. アグリッパ『隠秘哲学三書』(1533)からW. リリー『Christian Astrology』、アラビア語圏に由来する『ピカトリクス』まで、時代の異なる文献に残っています。
この技法を自分に活かす
プラネタリーアワーは、一日を7つの色合いで塗り分けてみる練習として気軽に始められます。大きな日取りを動かせない日でも、連絡を入れる時間、書きものに向かう時間、人と話す時間を、その日の区切りに合わせて並べ替えてみる。それだけで、漫然と過ぎていた一日に手ざわりが生まれます。伝統的にどの行為がどの天体の時間に結びつけられてきたかを知っておくと、選択の理由を象徴の側から言葉にできるようにもなります。もっとも、これは古典が積み上げてきた象徴の対応であって、結果を保証するものではありません。時間帯が思いどおりにならない日もあります。うまく合わせられたら少し嬉しい、くらいの距離感で付き合うのが、この小さな技法にはちょうどよいのだと思います。
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参考文献:H.C. アグリッパ『隠秘哲学三書』(1533) / William Lilly『Christian Astrology』(1647) / 『ピカトリクス』 / 本事典 glossary/planetary-hours・glossary/chaldean-order に準拠
監修:編集部(占星術担当)最終更新 2026-09-05
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