タイムロード(時の支配星)は、人生のある期間に「主役」となる天体を順番に割り当て、その天体の状態から、その時期のテーマを読む技法の総称です。「時を支配する星」という名のとおり、いまどの天体が舞台の中心にいるかを示します。ヘレニズムや中世の占星術で発達し、プロフェクション(年運法)・フィルダリア・ゾディアカルリリーシングなどが、その代表例とされます。
タイムロードのしくみは、時間を一定のまとまりに区切り、それぞれの区間に天体を順ぐりに当てはめていく、というものです。たとえばプロフェクションでは1年ごとに支配星が切り替わり、フィルダリアでは天体ごとに決まった年数が割り当てられます。その期間の主役となった天体が、出生図でどんな状態にあるか(どのサインやハウスにいて、ほかの天体とどう関わるか)を見て、その時期にどんなテーマが前面に出てくるかを読み解きます。トランジット(運行)が「いまの空」を見るのに対し、タイムロードは「人生のどの章にいるか」を、決まった順序で示してくれる地図のような技法だといえます。
同じタイムロードでも、区切りの長さと決め方は技法ごとにちがいます。
プロフェクションは、誕生日ごとにアセンダントから1サインずつ進め、そのサインの支配星をその年の主役に立てます。たとえば天秤座が強調される年なら、金星がその1年のタイムロードです。
フィルダリアは、昼生まれは太陽から、夜生まれは月から始め、天体ごとに決まった年数で人生の章を移していきます。数年にわたる長い章を見るのに向いています。三つめの
ゾディアカルリリーシングは、ロットを起点にしてサインごとの年数で期間を区切る技法で、大きな期間のなかに小さな期間が入れ子になっています。1年ごとのプロフェクションと、数年単位のフィルダリアを重ねるなど、時間の粒度のちがう技法を組み合わせる読み方もあります。
タイムロードの諸技法は、近年の古典占星術(ヘレニズム占星術)の復興とともに、ふたたび広く使われるようになりました。いつ・どの天体のテーマが前面に出るかを、あらかじめ見通せるのが魅力とされます。複数の技法を重ねて、共通して浮かび上がる時期に注目する読み方もよく行われます。もっとも、これらはあくまで象徴的なものさしであり、特定の出来事を断定するものではありません。慎重に意味を組み立てていくのが基本です。
読む手順はどの技法でもほぼ共通しています。まず技法に従って、いま主役にあたる天体を出します。次に、その天体が出生図でどのサインとハウスにあり、どんなアスペクトを受けているかを確かめます。そのうえで、いまの空のトランジットがその天体にどう触れているかを重ねます。たとえば主役の天体が金星なら、金星が出生図でどのハウスにあるかが、その時期に人間関係や価値観のどの領域が前面に出やすいかのヒントになります。
多くの技法は、アセンダントや昼夜の別を出発点にするため、正確な出生時刻が前提になります。技法ごとの詳しい手順は
プロフェクションの技法ページや
フィルダリアの技法ページにあります。