プロフェクション(年間プロフェクション)は、1年ごとにアセンダント(上昇点)を1サインずつ進めて、その年に活性化する分野と「その年の主役」となる天体を決める伝統的な技法です。生まれた年(0歳)はアセンダントのサインがそのまま第1ハウスとして主役になります。1歳で次のサイン(第2ハウス)、2歳でさらに次……と進み、12歳でひと回りして再び第1ハウスへ戻ります。そのため、年齢を12で割った余りを見れば、その年に光が当たるハウスが分かります。活性化したサインを支配する天体は「ロード・オブ・ザ・イヤー(年の主星)」と呼ばれ、その1年のテーマを束ねる中心になると考えられます。ヘレニズム占星術で古くから使われてきた、時間の区切り方の一つです。活性化する起点のサインがそのまま第1ハウスとして扱われるのは、各サインをそのまま1つのハウスとみなすホールサインハウスという古典的な区分法を前提にしているためです。ここで1サインずつ動いていくのはあくまで象徴的な起点であり、出生図に刻まれた本来のアセンダント自体が実際に移動するわけではありません。
プロフェクションで鍵になるのは、その年に活性化したハウスと、ロード・オブ・ザ・イヤー(年の主星)です。たとえば活性化したハウスが対人関係を扱う第7ハウスなら、その1年はパートナーシップや他者との関わりがテーマになりやすいと読みます。さらに、年の主星がネイタルでどのサイン・ハウスにあり、どんな状態かを見ると、その年のテーマがどんな色合いで展開しやすいかが見えてきます。年の主星の状態を見るときは、その天体が品位(サインとの相性を測る伝統的な指標)の高い位置にあるか、他の天体と調和的なアスペクト(天体同士がつくる角度関係)を結んでいるかを確かめます。品位が低かったり厳しいアスペクトを受けていたりすると、その年のテーマは扱いにくく感じられやすいと読みます。トランジットや太陽回帰と組み合わせ、年の主星に巡ってくる動きに注目すると、より立体的に読めます。活性化したハウス以外の領域が消えるわけではなく、あくまでその年に光量が増す場所を示している点を混同しないよう注意が必要です。出来事を断定するのではなく、その年どの舞台に光が当たるかを示す目印として使うのがポイントです。
チャートで確かめるときは、まず自分のアセンダントのサインを起点(0歳=第1ハウス)にして、満年齢のぶんだけサインを順に数え進めます。たとえば33歳なら、33を12で割った余りは9なので、起点から9つ進んだサイン=第10ハウスがその年の舞台になります。数えるときは、出生時のサインを0番目として数える点に注意してください。1番目から数え始めると、活性化するハウスが一つずれてしまいます。また、プロフェクションの1年は誕生日を境に切り替わるため、暦の1月1日ではなく、その人の誕生日を起点に考えます。次に、そのサインを支配する天体を確かめれば、それが年の主星です。活性化したサインに、ネイタルの天体がもともと入っているかどうかも合わせて確認すると、その年の中心テーマがより具体的に浮かび上がります。多くのツールでは「プロフェクション」を選ぶと、活性化ハウスと年の主星を自動で示してくれます。まずは今年活性化するハウスと主星を出し、その主星の居場所を確かめてください。
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プロフェクションを知っておくと、「今年はどの分野に意識を向ける年なのか」を、シンプルな目安としてつかめます。仕事の舞台が活性化する年、住まいや家族がテーマになる年。たとえば第2ハウスが活性化する年は収入や所有物との向き合い方が意識に上りやすく、第10ハウスが活性化する年は仕事上の立場や社会的な役割が変わる場面に立ち会いやすいというように、活性化するハウスによって浮かび上がる場面は変わります。あらかじめ重心のありかが分かっていれば、限られた時間やエネルギーをどこに注ぐかを考えやすくなります。年の主星を手がかりに、その1年つき合う中心の天体を知っておくのも、自分の状態を見つめる助けになります。占星術はその年の結果を保証したり、選ぶべき道を決めたりするものではありませんが、1年ごとにテーマを切り替えて生活を整えるための地図として役立ちます。