シンボルの情景
このシンボルには、いったん手からこぼれ落ちた機会が、想像力という内なる働きによって再びかたちを得てゆく情景が描かれます。言いそびれた一言、閉じたはずの扉。それらが記憶の奥でくすぶり、ある時ふと心の中で像を結び直し、別の入り口が見えてくる。そんな静かな手応えが宿ります。「失われた機会」は、過ぎ去って取り返しがつかないと思われた出来事を、「想像力」は、現実をただ受け取るのではなく心の中で組み立て直し、別の道筋を描く力を指すと読み解けます。黄道の最初のサインである牡羊座は、衝動のままに前へ踏み出す始まりの星座です。その勢いの中で逃したものを、立ち止まって思い描き直す内側からの再出発が、ここには示されています。
度数が示すもの
この度数は、終わったと思えた事柄を、心の働きによって新たな現実へとつなぎ直す気質を帯びるとされます。光の面では、過去の失敗や見送った縁を悔やむだけで終わらせず、構想や工夫によって意味を再生させる粘り強さと創造性が現れるといわれます。一度途切れた糸の端を見つけ、別のかたちで結び直す柔らかな知恵でもあります。影の面では、現実の手当てをせずに頭の中の理想像へ逃げ込みやすいこと、また「もし、あのとき」という想像に留まる傾向も指摘されます。当事典はこれを吉凶の断定ではなく、想像力を取り戻しの翼にも逃避の隠れ家にもしうる気質の傾きとして読みます。どちらへ向かうかは、その力をどう扱うかにかかっていると考えられています。
この度数を持つ人へ
太陽や月、アセンダントなどがこの度数の近くにある方は、一度断たれた縁や見送った道を、心の中で描き直しながら再び動かしてゆく感覚を持ちやすいとされます。過去を悔やむより、そこから何を組み立て直せるかへ意識を向けると、想像の力が現実を支える方向へ働きやすいといわれます。たとえば、あきらめた企画や疎遠になった相手を、新しい角度から思い描いて小さな連絡や試作を一つ添えてみる。頭の中の構想に現実の一歩を結ぶことが助けになると考えられます。これは傾向を象徴的に示すもので、結果を約束するものではありません。自分の天体がどの度数にあるかは、無料のホロスコープ作成で確かめられます。