この時期に高まるエネルギー
一つのことをとことんやり抜きたい気持ちが、進行の火星が冥王星に近づくにつれて強まります。
1年に最大約0.8°。出生後の1日を人生の1年とみなす二次進行で、進行の火星が進むのはそれだけです。ネイタルの冥王星との一つの角度は、1°前後の幅で見て3〜4年ほど続くこともあり、深い層で動く変化に、火星が数年かけて触れ続けます。五つの角度のうち、0°と90°、180°は手応えが重く、45°と135°は火種がくすぶるような緊張として長く残ります。
冥王星は深い集中と徹底、再生を受け持ちます。生まれ年の近い人はたいてい似た位置に持っているため、個人の物語になるのは、進行の火星のように、その人だけの時間で動く天体が触れたときです。火星の意欲が冥王星の底力に火をつけると、中途半端では済まなくなり、やるなら根こそぎ、という気分が強まります。
合の頃は、意欲と底力が一点で重なり、一つのことに没頭していきます。スクエアの頃は、強い衝動と現実の条件が正面からぶつかり、無理に押し通すか、あえて手放すかを問われます。オポジションでは、組織の再編や住まいの立ち退きといった、自分では選べない大きな変化が外から迫り、それにどう応じるかで底力が試されやすくなります。
起こりやすい出来事・テーマ
長年の習慣を断ち切る人がいます。夜更かしや間食、だらだらと見続けていた画面など、何度やめようとしても続いてきた習慣を、ある日を境にきっぱりやめる、という形です。決めたあとの徹底ぶりに、周りが驚くこともあります。
納得するまで調べ尽くす場面も増えます。気になった出来事の経緯を資料にあたって確かめる、買う物の仕組みを分解してまで理解しようとするなど、表面の説明では満足できなくなります。
住まいや持ち物を根こそぎ見直す人もいます。押し入れの奥まで中身を出して、残すものを一から選び直すなど、中途半端な片づけでは気が済まなくなります。
競争の場面では、勝ち負けへのこだわりが強まりやすくなります。試験や大会、社内の選考で、自分でも驚くほどの粘りを見せる一方、負けた悔しさを長く引きずることもあります。
仕事では、誰も手をつけなかった難しい案件や、古い仕組みの立て直しに惹かれます。粘り強さが求められる仕事ほど力が出て、近寄りがたいほどの集中ぶりに見えることもあります。
やめると決めたことへの反動や、押し通した末の関係のこじれは、スクエアの頃に出やすくなります。オポジションでは、外から来た変化に抵抗したい気持ちと、受け入れて作り直したい気持ちが、行ったり来たりします。
このエネルギーの活かし方
とことん向き合う対象を一つに絞り、やめる日も最初に決めておくと、強い集中が自分を支える力として働きます。
始める日と同じように、ここまでやったら一度手を離す、という区切りを決めておいてください。終わりが見えていると、徹底する力が消耗ではなく成果に向かいます。
同じ主題が何度か戻ってくる人もいます。生まれた直後に火星が逆行へ転じる日がある出生図では、その日数に当たる年齢で進行の火星も向きを変え、留の近くでは同じ度数にとどまって、冥王星への同じ角度に2〜3回触れることがあります。何歳かは人によって違います。一度目は表面を、二度目は根の部分を扱う、という順で進むこともあるので、戻ってきた課題は深める機会として迎えてください。
怒りや執着が湧いたときは、すぐに相手と話さず、日を改めて話す場を設けます。時間を置くと、何に腹を立てていたのかの芯が見えて、伝える言葉が短く強くなります。調べものに没頭するときは、知りたい問いを一つの文に書いてから始めると、深く潜っても戻る場所を見失いません。
外から大きな変化が迫ったときは、抵抗する前に、まず情報を集めることに力を使います。知るほど選べる道が増え、変化を自分の手で作り直す余地が見えてきます。
徹底して向き合った経験は、時間がたってから、ほかの人には真似しにくい強みとして、静かに周りに認められていきます。