この時期に高まるエネルギー
進行の火星がネイタルの月に角度を結ぶと、暮らしの安心を守るための動きが、気持ちより先に出やすくなります。
歩みの遅い進行の火星は、1年に最大約0.8°しか進みません。出生後の1日を人生の1年とみなす二次進行の中でも、月との角度は長く続く部類で、1°前後の幅で見て3〜4年ほどになることもあります。そのあいだ、感情の熱は暮らしの底に流れ続けます。強く感じられるのは合とスクエア、オポジションの三つで、45°のセミスクエアと135°のセスキコードレートは、くすぶる苛立ちのような形をとります。
月は感情の反応と安心、暮らしの習慣を表し、出生図で固定された点です。そこへ意欲と怒り、体の熱を担う火星が近づくと、守りたいものが脅かされたと感じたときの反応が速くなります。不安を抱えて待つより、自分の手で何とかしようと腰を上げる場面が増えていきます。怒りそのものより、その奥にある「守りたい」という気持ちに気づけるかどうかで、この数年の過ごし方は大きく変わってきます。
合は、感情と行動がほぼ同時に動く角度で、気がかりがあるとすぐ手を打ちたくなります。スクエアの頃は、落ち着きたい気持ちと動かずにいられない気持ちが引っ張り合い、居心地の悪さが続きやすくなります。オポジションでは、身近な人が先に怒り出し、それに応じる形で自分の中の熱に気づく、という順になりやすいのが特徴です。
起こりやすい出来事・テーマ
家の備えに手をつける人が目立ちます。玄関の鍵を替える、非常用の水や食料をそろえる、家具の転倒を防ぐ金具を付けるなど、家族と住まいを守る作業に、急に本気になる流れです。
家族の誰かのために走り回る場面もあります。親の通院の付き添い、子どもの学校とのやりとり、役所での手続きなど、身近な人の事情を自分が引き受けて動く形です。頼られるほど力が出る一方で、自分の休みは後回しになりがちです。
台所では、作り置きや弁当づくりに熱が入る人がいます。まとめて刻み、手早く仕上げる作業は、気持ちのざわつきを静める時間にもなります。
職場では、後輩や同僚が理不尽な扱いを受けたときに、自分が矢面に立って掛け合うことがあります。仲間を守る行動は頼もしく映る一方、感情の勢いのまま話すと、話がこじれやすくなります。
近所づきあいで動く場面も出ます。騒音や共有部分の使い方をめぐって管理会社に掛け合う、自治会の役を引き受けるなど、住む場所の安心のために声を上げたくなります。
同じ種類の気がかりが、間を置いて戻ってくる人もいます。生まれた直後に火星が逆行へ転じる日がある出生図では、その日数に当たる年齢で進行の火星も逆行に入り、そのあたりで何年も同じ度数にとどまるため、月への同じ角度を2〜3回くぐることもあります。時期は人それぞれです。
幼い頃の記憶がよみがえる場面もあります。昔、安心できなかった状況と似た場面に出会うと、そのときの怒りや心細さが、いまの反応に重なって強く出てしまいます。
このエネルギーの活かし方
住まいと家族の備えを一つずつ点検していくと、この配置の熱は落ち着ける暮らしを支える力に変わります。
非常袋の中身、連絡先の一覧、鍵や窓の具合など、確かめる項目を書き出して、週末ごとに一つずつ手を入れていく進め方が合っています。終えた項目に印をつけていくと、守れている実感が増えていきます。
役所や病院の手続きを引き受けるときは、やることと期限を一覧にして、家族の目に入る場所に貼っておきます。一人で抱えていないことが伝わるだけで、気持ちの張り詰め方が変わります。
近所との件は、感情が高ぶった勢いで掛け合わず、日時と内容を記録してから相談すると、話が通りやすくなります。
反応が強すぎたと感じた日は、似た気持ちを昔どこで味わったかを、ノートに書き出してみてください。いまの自分にはもう別の守り方ができる、と分かるだけで、次の反応は穏やかになっていきます。
守るために動いた数年は、自分の手で安心をつくれるという感覚を、暮らしの土台に残していきます。