トランジット冥王星 スクエア ネイタルアセンダント
いまの冥王星が出生時のアセンダントにスクエアを取るとき
この時期に高まるエネルギー
トランジット冥王星がネイタルのアセンダント(ASC)にスクエア(90°)を結ぶ時期は、自分の出し方と、外から押し寄せる力とがぶつかり、はっきりした摩擦として感じられる局面とされます。ASCは第一印象や体、人前での振る舞い、新しいことに踏み出す姿勢をあらわす点です。ここへ、徹底的に作り替える力をもつ冥王星が直角に当たるので、これまでの出方のままでは通らない壁に、繰り返し突き当たりやすくなります。
スクエアは、合のように重なって溶け合うのではなく、互いが別方向から押し合う角度です。そのため、変化は自分の内側からだけでなく、人や状況の圧として外から迫ってくる形をとりやすいとされます。冥王星は動きが遅く、2〜3年にわたって作用し、逆行と順行を繰り返しながら同じ度数に何度か戻ってきます。そのあいだ、緊張は強まったり緩んだりしながら続きます。
冥王星は約248年で黄道を一周しますが、軌道が楕円で速さが年代によって大きく違うため、この角度が訪れる時期や回数は人によって一様ではありません。ASCは出生時刻の数分の違いで度数が動く点でもあります。時刻が曖昧な場合は、この摩擦の時期を正確に読むのは難しいと考えておくのが安全です。
起こりやすい出来事・テーマ
人間関係では、自分への見られ方や扱われ方をめぐって、強い衝突が表に出やすくなります。新しい職場や集まりで、本人の意図とは違う印象やレッテルを貼られる、支配的な上司や親、パートナーの圧を急に重く感じる、といった場面です。反対に、自分のほうが無自覚に相手を威圧してしまい、距離を置かれることもあります。会議や面談で、普通に話したつもりなのに「きつい人」という評価が広がっていた、というような行き違いも語られます。
心の中では、「自分はこう見られたい」という像と、実際に周囲が受け取っている像の落差が、はっきり突きつけられます。自分でも気づかなかった威圧感や、引っ込み思案の癖が、人の反応を通して見えてくることもあります。見ないようにしてきた怒りや、引っ込めてきた主張が突き上がり、感情の波が急に大きくなる人もいます。気が張った状態が続いて、人前に出ること自体が消耗する、という声もよく聞かれます。ぶつかる相手や出来事が、自分の避けてきた課題をそのまま映す鏡のように働く、という読み方もあります。
体のほうでは、エネルギーの鬱積が筋肉の張りや眠りの浅さとして出る例が語られます。運動や作業に打ち込むことで発散する人もいれば、逆に動けなくなる人もいるようです。人前に立つ直前の動悸や、朝いちばんの胃の重さなど、緊張が体に先に出る人もいます。この時期の体調の乱れが続くときは、専門の医療機関への相談を優先してください。
このエネルギーの活かし方
衝突の最中は、相手を変えようと力を込めるより、自分の出し方のどこに無理があったかを静かに洗い出すほうが、後で効いてきます。相手が威圧的な場合は、同じ土俵で張り合わず、冷静さを保ったまま自分の言い分を短く伝えるほうが、結果として尊重を得やすくなります。意見を通す場面と、一歩引いて聞く場面の線引きを、前もって自分の中に決めておくと、反射的に反発する場面が減ります。たとえば、お金と時間にかかわる話だけは譲らない、それ以外は相手に合わせてみる、といった具体的な線で十分です。感情が高ぶっているときは、返信を一晩置くなど、時間の置き方で摩擦をやわらげられます。
支配しようとする、あるいは支配される、という二つの極に偏りやすい時期でもあります。どちらかに振り切れるのではなく、「自分の意思を保ちつつ、相手の言い分も聞く」という中間の姿勢を探っておくと、人間関係の傷が浅くなります。信頼できる第三者や、心理的なケアの専門家に、状況を話してみるのも有効です。圧が強い時期ほど、一人で抱えず、自分の話を聞いてくれる場所を先に確保しておくと、感情の波に飲まれにくくなります。
数年にわたるこの圧は、自分の出方を大きく刷新する下地にもなります。以前なら流していたことに「ノー」を言えるようになる、本心に近い振る舞いが身につく、といった変化は、この時期を経た人に比較的よく語られます。声の出し方や姿勢まで落ち着いたものに変わり、人前で堂々としていると言われるようになった、という声もあります。摩擦のさなかに結論を出し切ろうとせず、見えてきた自分の輪郭を、次の数か月のあいだ試しながら確かめていくほうが、無理が出にくいと読めます。
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参考文献: Robert Hand, 'Planets in Transit: Life Cycles for Living' (Whitford Press, 1976) / Howard Sasportas, 'The Gods of Change' (Penguin/Arkana, 1989) / Bernadette Brady, 'Predictive Astrology: The Eagle and the Lark' (Weiser, 1999)