ソーラーリターン(太陽回帰)は、運行する太陽が生まれたときと同じ位置にぴったり戻る瞬間(ちょうど誕生日のころ)の空でチャートを作り、その1年のテーマを読む技法です。太陽が1年かけて空を一周し、出発点に帰ってくるその瞬間を「今年の出発点」として切り取ります。太陽が実際に出生時と同じ度数へ戻る瞬間は天文現象として一点に定まる時刻であり、暦の誕生日当日からは前後にずれることもあります。作られたチャート(ソーラーリターン図)のアセンダントや、天体がどのハウスに集まっているかを見て、その年どの分野に力が注がれやすいかを読み解きます。毎年の誕生日ごとに新しい1枚が生まれ、ネイタル(生涯変わらない設計図)に対して、その年だけの一時的な見取り図として働きます。
ソーラーリターンを読むときは、まずその年のアセンダント(上昇サイン)と、太陽がどのハウスに入ったかに注目します。太陽の入ったハウスは、その1年でとくに光が当たる分野を示すと考えられます。とくに1室・4室・7室・10室のような節目のハウス(角、かどのハウス)に天体が入っている年は、その天体が示すテーマの重みが増すと読まれます。太陽が10室に入った年は仕事や社会的な立場に光が当たりやすく、4室に入った年は家庭や暮らしの基盤に関心が向きやすいと読まれます。次に、天体が集中しているハウスや、リターン図のアセンダント付近にある天体を見ると、その年の関心の重心が見えてきます。混同しやすいのは、リターン図の天体配置を、動き続けるトランジット(運行中の天体)の動きと同じものだと捉えてしまうことです。リターン図は誕生日の瞬間で止まった1枚の静止図であり、そこにトランジットや進行の動きを重ねて初めて、年内の細かな時期を読み分けられます。さらに、リターン図の天体がネイタルのどこに触れるかを重ねると、より具体的にテーマがつかめます。大切なのは、これは1年ごとに切り替わる一時的な天気図であって、生まれ持った性質そのものを書き換えるものではない、と捉えることです。
チャートで確かめるときは、まず自分の正確な太陽の度数を知り、運行中の太陽がその度数に戻る日時(誕生日の前後)を求めます。ネイタルの太陽が何座何度何分にあるかまで正確に知っておく必要があり、分単位のずれでもリターンの瞬間や結果のハウス配置に影響します。多くのツールでは「ソーラーリターン」を選ぶと自動で計算され、その瞬間の空が1枚のチャートとして表示されます。作成する場所はその年に過ごす土地にするのが一般的で、同じ誕生日でも滞在地が違うとアセンダントやハウスの配分が変わります。アセンダントやハウスの区切りは、その土地の緯度経度と地方恒星時をもとに計算されるため、太陽が同じ瞬間に戻ってきても滞在地が変われば上昇点の位置がずれます。まずはリターン図のアセンダントと太陽のハウスを確かめ、続いて天体の集まる分野を見てください。
無料のホロスコープ作成で自分のネイタルを出し、その年の太陽回帰図と読み比べられます。
ソーラーリターンを知っておくと、誕生日を区切りに「今年はどんなことに力が向きやすいか」を、自分なりの計画づくりの参考にできます。仕事の分野に光が当たる年、人との関わりがテーマになる年。たとえば太陽が7室に入った年はパートナーシップや契約といった対人関係の場面に光が当たりやすいと読まれ、11室に入った年は仲間や将来の展望との関わりが前面に出やすいと読まれる、というように、光が当たる分野はハウスごとに違う顔を見せます。そうした重心の置きどころを前もって眺めておくと、1年の過ごし方に納得感が生まれます。思いどおりにいかない時期も、その年だけの一時的な配置だと分かれば、必要以上に落ち込まずに次の1年へ目を向けられます。占星術はその年の出来事を保証したり、選択を決めたりするものではありませんが、1年というリズムで自分を見つめ直す区切りの地図として役立ちます。