ヴァルガは、星座を一定の数で割ってつくる分割図(ディビジョナル・チャート)の総称です。出生図を割る数によって、D2・D3・D9・D10といった具合に名前がつき、それぞれが人生の特定のテーマを細かく映し出す副チャートになります。出生図という一枚の地図を、テーマごとに拡大して見るルーペのような仕組み、と考えるとわかりやすいでしょう。
分割図には、テーマごとに専用のものがあります。D9(ナヴァムシャ)は結婚や人の本質、D10(ダシャムシャ)は職業や社会的な達成、D4は財産や不動産、D7は子ども、D3はきょうだい、D2は富、というように、それぞれの分割図が特定の分野を担います。出生図(D1)だけでは見えにくい細部を、専用のレンズで確かめていくわけです。割る数が大きいほど、より具体的で奥まったテーマを扱う傾向があります。
古典では、十六の分割図をまとめて用いる「ショーダシャ・ヴァルガ」という方法もあります。複数の分割図にわたって良い配置を保つ天体は、見かけだけでなく本当に力のある天体とみなされます。逆に、出生図では目立っても分割図で弱まる天体は、力を発揮しにくいと考えます。代表格であるD9については用語「ナヴァムシャ(D9)」もあわせてどうぞ。
分割図を読む前に、土台になる出生図(D1)がどの方式で作られているかを押さえておきます。ジョーティシュはサイデリアル方式を使うため、西洋式(トロピカル)で出した位置から、アヤナムシャの分だけ引いた位置が出発点になります。現在その差は約24度とされ、同じ生年月日でも、星座がひとつ前にずれて読まれることが少なくありません。西洋式チャートの度数をそのまま割っても、インド式の分割図にならないのはこのためで、仕組みは
ジョーティシュと
アヤナムシャの項目にまとめてあります。
そのうえで、天体を一つずつ、D1と分割図で見比べます。たとえば火星が出生図で目立っていて、職業を映すD10でも良い配置を保っているなら、仕事の場面でも力を発揮しやすい天体と読みます。D1では目立つのにD10で弱まるなら、仕事の舞台では見かけほど働かない、と慎重に見ます。D4やD7など、ほかの分割図も、気になるテーマに合わせて同じ手順で見比べます。分割図は出生図を打ち消すものではなく、出生図で見えた強弱を別の角度から確かめ直すための副チャートです。
D9を例にとると、ひとつの星座(30度)を9等分してつくり、ひと区分は3度20分です。そのため同じ星座に入っている二つの天体でも、度数が数度ちがうだけで、ナヴァムシャでは別の星座に分かれることがあります。割り方の詳細は
ナヴァムシャ(D9分割図)とはにあります。
出生時刻にも触れておきます。ラグナ(上昇宮)は約2時間で次の星座へ移るため、時刻が少しずれるだけで出生図そのものが変わります。分割図はその出生図をもとに組み立てるので、正確な出生時刻が前提になります。ラグナについては
ラグナ(上昇宮)とはを参照してください。自分の西洋式チャートは「
無料のホロスコープ作成」から確かめられます。