四気質(テンペラメント)は、古代ギリシャの四体液説に由来する、人の性格を四つに分ける考え方です。多血質(陽気で社交的)、胆汁質(情熱的で短気)、憂鬱質(思慮深く慎重)、粘液質(おだやかで落ち着いている)の四つで、それぞれ占星術の四元素(多血質=風、胆汁質=火、憂鬱質=地、粘液質=水)と対応づけられてきました。性格を大きな四つの型でつかむための、古くからの枠組みです。
四体液説は、人の体は四つの体液(血液・黄胆汁・黒胆汁・粘液)でできていて、そのうちどれが多いかで気質が決まる、と考える古代医学の理論です。ヒポクラテスに始まり、のちのガレノスらが体系化したと伝えられます。この四つの体液は、火・地・風・水という四つの元素と結びつけられ、たとえば血液は風、黄胆汁は火、というように対応づけられました。占星術の四元素も同じ自然観から生まれているため、気質の分類と元素の分類は、もともとひとつの根からのびた枝のような関係にあります。だからこそ、四気質は占星術と自然に重ね合わせて語られてきました。
四気質は、元素のほかに、体液・季節・天体ともセットで語られてきました。多血質は風・血液・温かく湿った性質・春・木星、胆汁質は火・黄胆汁・温かく乾いた性質・夏・火星の組み合わせです。憂鬱質は地・黒胆汁・冷たく乾いた性質・秋・土星、粘液質は水・粘液・冷たく湿った性質・冬・月と結びつけられてきました。
たとえば木星の拡大や楽観が、多血質の開かれた社交性と響き合う、といった具合に、天体の象徴と気質の傾向が重ねられます。火星の積極性が胆汁質の行動力と、土星の慎重さが憂鬱質の内省と、月の受容が粘液質のおだやかさと、それぞれ呼応すると読まれてきました。四つの気質と天体・季節の対応は
四体液説と占星術にまとまっていて、気質ごとのコラムへもそこから進めます。
占星術では、出生図全体でどの元素が多いか・少ないかという偏りから、その人の気質のタイプを読む、という使い方をされます。火が多ければ胆汁質的に情熱的、水が多ければ粘液質的におだやか……といった具合に、おおまかな傾向の手がかりとされます。ただしこれはあくまで象徴的な見立てであり、性格を四つの型に決めつけるものではありません。あくまで、その人を理解する入り口のひとつとして読まれます。
具体的には、太陽・月・アセンダントをはじめとする天体のサインを、火・地・風・水に振り分けて数えます。牡羊・獅子・射手は火、牡牛・乙女・山羊は地、双子・天秤・水瓶は風、蟹・蠍・魚は水です。たとえば太陽も月も金星も火のサインにあるチャートなら、胆汁質的な色合いが濃いと読み、反対に風のサインにほとんど天体がなければ、多血質的な軽やかさは表に出にくい、と読みます。ひとつのサインや元素を持つだけで、その気質の人だと決まるわけではありません。
四体液説は、古代・中世の医学や哲学の体系です。現代医学の診断や、心理学の性格分類とは別のものとして、歴史的な知恵の枠組みとして参照します。
どの気質にも長所と課題があり、優劣をつけるものではありません。元素そのものについては、
コラム「四元素(火・地・風・水)とは」と用語
エレメント(元素)にくわしくあります。