リターン(回帰法)とは
リターン(回帰法)は、ある天体が出生時とちょうど同じ位置に戻る瞬間をとらえ、その時刻のチャートを作って、そこから先の期間を読む技法です。太陽が戻る「ソーラーリターン」はその一年を、月が戻る「ルナーリターン」はその一か月を、土星が戻る「サターンリターン」は人生の大きな節目をあらわすとされます。回帰のチャートは出生図と同じように読みますが、その効力は次の回帰までの期間にかぎられる、と考えられている点が異なります。回帰図は出生図を「置きかえる」ものではなく、出生図という土台の上に重ねて、その期間だけ色濃くあらわれるテーマを描き出すものと位置づけられます。つまり生まれもった性質そのものを書きかえるのではなく、ある一定期間にどんな主題が前面に出やすいかを、もう一枚のチャートとして示すという考え方です。そのため回帰図だけを単独で読むのではなく、つねに出生図と照らし合わせながら読むのが基本とされ、両者のあいだに共通して強調されるサインやハウスがあれば、その期間のテーマがより際立つと解釈されてきました。
出生時の位置に「戻る」しくみ
天体は、空をめぐって、いつかまた出生時とそっくり同じ黄道上の位置に帰ってきます。リターンは、その「ぴったり戻る瞬間」を割り出してチャートを立てる技法です。一周にかかる時間は天体ごとに違い、月はおよそ一か月、太陽はおよそ一年、土星はおよそ29年で元の位置に戻ります。そのため、月の回帰はその月の、太陽の回帰はその一年の、土星の回帰は人生の節目のテーマを示す、と読み分けられてきました。立てた回帰図は出生図とは別の一枚として、サインやハウス、アスペクトをふだんどおりに読んでいきます。注意したいのは、回帰の瞬間は誕生日のその日ぴったりとはかぎらない、という点です。太陽が出生時の度数に戻る時刻は年によって前後し、誕生日の一、二日前後にずれることもあります。さらに、その回帰の瞬間にどの場所にいたかでアセンダントやハウスの配置が変わるため、同じソーラーリターンでも観測地点を出生地にとるか現在地にとるかで読みが変わります。月の回帰も同じ考え方で、一か月ごとに立てれば一か月単位の流れを、太陽の回帰なら一年単位の流れを区切って眺める手がかりになります。
期間を区切って読む技法として
リターンは、トランジット(経過)やプログレッション(進行)と並んで、未来の時期を見る予測技法のひとつに数えられます。とりわけ、毎年の誕生日ごろに作るソーラーリターンと、約29年ごとにめぐってくるサターンリターンがよく知られています。回帰図はその期間の傾向を象徴的に示すものとされ、特定の出来事を断定するものではありません。慎重に、出生図と重ねながら読み解きます。実際の読み方としては、トランジットが「いまこの瞬間に空を動いている天体」を見るのに対し、リターンは「ある天体が一周して戻った瞬間に固定した一枚」を見る、という違いがあります。両者は対立するものではなく、ソーラーリターンでその一年の大きな主題を見立て、トランジットでその年のなかの細かな時期を追う、というふうに補い合って使われることが多い技法です。サターンリターンのように周期の長い回帰は、二十代後半や五十代後半など、人生の区切りと結びつけて語られることもあります。いずれの場合も回帰図はあくまで象徴的な見取り図であり、そこから読み取れるのは傾向やテーマであって、確定した未来ではないという前提を忘れずに扱うことが大切です。用語「ソーラーリターン(太陽回帰)」「サターンリターン(土星回帰)」もあわせてどうぞ。自分のチャートは「無料のホロスコープ作成」から確かめられます。