プライマリーディレクション(主要方向法)は、地球の自転による天球の見かけの回転を使って、人生のタイミングを読む、もっとも古い予測技法のひとつです。生まれたあとに続く天球の回転を、そのまま人生の時間の流れに対応させ、おおむね「天の赤道上の1度=1年」という目安で、感受点どうしが出会う時期を割り出します。出生直後のわずか数分間の天の動きが、生涯ぶんの時間に引き伸ばされて読まれるイメージで、ごく短い時間に人生の長い物語が畳み込まれていると考えます。プトレマイオスの『テトラビブロス』にさかのぼる由緒ある技法で、もともとは寿命の長さを見積もる文脈で論じられました。手計算は煩雑ですが、古典占星術では二千年近くにわたり中心的な「時」の技法として重んじられてきました。手計算が煩雑になるのは、天球上の位置を赤経などの座標に置き換えて扱う球面三角法の計算を要するためです。シグニフィケーターには太陽や月、アセンダントやMCなど出生図の中心となる点が選ばれることが多く、プロミッサーにはそれ以外の天体や感受点が用いられます。
動かされる側の点を「プロミッサー」、本人をあらわす固定点を「シグニフィケーター」と呼びます。天球の回転にともなってプロミッサーが進み、シグニフィケーターのもとへ到達した時を、ひとつの節目として読みます。このとき、1年あたりどれだけ進めるか(キー)には複数の流儀があり、いちばん素朴なものはプトレマイオス由来の「1度=1年」です。これをやや精密にしたものとして、太陽の赤経上のおおよその1日ぶんの平均運動を1年に当てるナイボッドの度数(およそ0度59分08秒)がよく使われます。ナイボッドは16世紀の天文学者ヴァレンティン・ナイボッドにちなむ呼び名です。さらに、地平や子午線をどう使って点を投影するかという「ハウス分割」の取り方でも結果が変わり、プラキドゥス式やレギオモンタヌス式などが知られています。わずかな度数の差がそのまま読む年のずれにつながるため、計算はどの流儀でも一段ずつていねいに組み立てられます。この差は一年ごとにはわずかでも、人生の後半にあたる遠い年を読むときほど積み重なって大きくなります。
プライマリーディレクションは、太陽の見かけの進みを使うセカンダリープログレッション(二次進行法)などと並ぶ、古典の代表的な「時」の技法とされてきました。プログレッションが「1日=1年」と日単位の動きを使うのに対し、プライマリーは天球そのものの回転という、より速い動きを土台にする点が対照的です。感受点がいつ出会うかという一点に意味が託されるため、出生時刻のわずかな誤差が読む年を数年単位で動かすこともあり、正確な出生時刻が読みを大きく左右します。導かれる節目は、伝統的な象徴にもとづく読み筋であり、特定の出来事を断定するものではなく、「こうしたテーマが動きやすい時期」の目安として慎重に受け取るのが穏当です。たとえばシグニフィケーターの太陽にプロミッサーの土星が重なる時期は責任や制約にまつわるテーマが浮上しやすいと読まれ、金星が重なる時期は人間関係や価値観にまつわるテーマ、木星が重なる時期は学びや視野の広がりにまつわるテーマ、火星が重なる時期は行動や挑戦にまつわるテーマとして受け取られます。アセンダントやMCといったアングルは出生時刻のわずかな差で度数が大きく動くため、これらを感受点に使う組み合わせは、太陽や月を使う組み合わせよりも節目の年がずれやすくなります。用語「ディレクション」「ナイボッド」もあわせてどうぞ。自分のチャートは「
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