パータイル(partile)は、二つの天体が同じ度数でぴたりと結ぶ、完全なアスペクトを指す古典占星術の用語です。たとえば牡羊座10度の天体と獅子座10度の天体が作るトラインのように、サインだけでなく度数までそろった状態をいいます。オーブ(許容される幅)のなかでも、もっとも強く正確に働くアスペクトとされ、古典では特に重く読まれてきました。文献で「パータイルのアスペクト」とあれば、度数まで一致した、効き目の濃い配置を指しています。
アスペクトには、はたらきの「強さ」に幅があると考えられてきました。サインだけが合って度数はずれている「プラティック(広い)」アスペクトに対し、パータイルは度数まで一致した「ぴったり」のアスペクトです。古典では、ふたつの天体が同じ度数で向き合うと、その象徴がもっとも純粋に、強く混ざり合うとされました。どこまでのずれを有効とみなすか。その許容幅が「オーブ」で、流派によって数度の差があります。パータイルはそのオーブの幅をほとんど使わない、中心の一点で成立する配置にあたります。そのぶん効き目が濃いと読まれ、出生図でもトランジット(運行中の天体)でも、見逃さないよう注意される配置です。
出生図でパータイルを探すときは、まず二つの天体のサインを見て、アスペクトが成り立つ組み合わせかどうかを確かめます。そのうえで度数を見比べ、同じ度数であればパータイルです。オーブの内側にあっても度数が離れているものはプラティックで、パータイルの強さとは区別して読まれます。たとえば水星が牡牛座10度、土星が山羊座10度にあれば、サインは違っても同じ度数でトラインを結んでいるので、パータイルのトラインと読みます。同じ度数でも、隣り合う牡羊座と牡牛座のように
アスペクトを作らない組み合わせは、パータイルとは呼びません。
トランジットで見る場合は、動いている天体が出生図の天体と同じ度数に届いた瞬間がパータイルにあたります。その手前は近づく途中のアプライング、通り過ぎたあとは離れていくセパレーティングです。
アプライングとセパレーティングのコラムが説くように、同じ角度でも「これから」と「もう済んだ」で読みのニュアンスが変わるため、パータイルはその切り替わる境目の配置と整理できます。
パータイルは、アスペクトの強弱を見分けるものさしのひとつとして使われます。サインと度数を並べれば目で確かめられるため、占星術を学びはじめた段階でも取り入れやすい見方です。同じトラインやスクエアでも、度数が一致しているか、何度ずれているかで、はたらきの濃さが変わると考えるわけです。もっとも、これは象徴的な強さの目安であり、特定の出来事を断定するものではありません。度数のずれをどう扱うかは「オーブ」の考え方に深く関わるため、両者は対にして覚えると整理しやすくなります。古典の文献では、パータイルでそろった配置を、その図のなかでとりわけ意味の重い結びつきとして読み解いていきました。
実際の読みでは、パータイルかどうかだけで結論を出さず、
オーブの内側にあるほかのアスペクトと見比べて、どれを先に読むかの優先順位をつけます。誤差の小さいアスペクトほど目立つ特徴として先に読む、という考え方と同じ流れです。