ラグナは、インド占星術における上昇宮で、西洋占星術のアセンダント(AC)にあたります。出生の瞬間に東の地平線から昇っていた星座を指し、出生図(ラーシ・チャート)の第1ハウスの基準になります。チャート全体を組み立てる出発点であり、その人の体質や人生への向き合い方、外に向ける姿勢を映す、もっとも大切な点のひとつとされます。
インド占星術では、ラグナのある星座がそのまま第1ハウスとなり、そこから順に12のハウス(バーヴァ)が時計回りとは逆に割り当てられていきます。つまりラグナが決まって初めて、どの星座がどのハウスを担うかが定まります。ラグナは約2時間で次の星座へ移っていくため、わずかな出生時刻の違いでも大きく変わります。正確なチャートを描くには、できるだけ正しい出生時刻が欠かせません。生まれた日と時刻に加えて、生まれた場所も必要です。同じ時刻でも、場所が違えば東の地平線に昇っている星座が変わるためで、太陽星座が誕生日だけでほぼ決まるのとは事情が違います。
たとえばラグナが獅子座なら、獅子座の全体が第1ハウス、次の乙女座が第2ハウスになります。ハウスの大きさが星座ごとに不均等になる西洋式のプラシダスとは違い、ひとつの星座がひとつのハウスに対応する、という組み立てです。ハウスの区切り方の違いは、
バーヴァ(インド占星術のハウス)の項で説明しています。
出生時の上昇宮である「ジャンマ・ラグナ」を基本としつつ、月のある星座を第1ハウスに見立てて読む「チャンドラ・ラグナ(月のラグナ)」など、補助的な基準点を併用することもあります。複数の起点から重ねて読むことで、チャートを立体的にとらえるわけです。西洋占星術のアセンダントと同じく、ラグナは人生の入り口を示す軸といえます。
チャンドラ・ラグナの組み立ては単純です。ラグナが牡羊座、月が天秤座にある人なら、天秤座を第1ハウスに見立て、次の蠍座を第2ハウス、というように全体をずらして読み直します。ラグナで読んだときに別のハウスにいた天体が、月を起点にすると違うハウスに移るため、二つの景色を比べることになります。月の読み方の全体像は、
ジョーティシュにおける月のコラムにまとめています。
同じ出生データでも、ラグナと西洋式のアセンダントは、同じ星座になるとは限りません。ジョーティシュは恒星を基準にするサイデリアル方式ですから、トロピカルで出した位置からアヤナムシャの値を引いて読みかえます。西洋式でアセンダントが牡羊座の早い度数にあるなら、アヤナムシャの値ぶん戻すと、ひとつ手前のうお座に入ります。
注意したいのは、アセンダントもラグナも出生時刻にきわめて敏感な点です。度数がサインの境目の近くに出たときは、数分の差で隣の星座に移ることがあります。その場合は、読み始める前に、まず出生時刻の確かさを確認しておきます。出生時刻の確かめ方は、
なぜ出生時刻が大事なのかに詳しく書いています。自分のチャートのアセンダントは「
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