月 スクエア アセンダント
月がアセンダントにスクエアを結ぶとき
月 スクエア アセンダントの基本
感じたままに出したい気持ちと人前での振る舞いのあいだに、小さな摩擦を抱えやすいのが、月とアセンダントのスクエアです。月は感情の反応と、安心の作り方をあらわします。アセンダントは、新しい場に入るときの自分の出方と、身を守る構えです。90度に置かれると、安心したい気持ちと、外に見せる構えとが、うまく噛み合わずにきしみます。素直に甘えたいのに、つい平気な顔をしてしまう。逆に、気丈に振る舞いたい場面で、表情に弱さがにじんでしまう。そんなちぐはぐさが顔を出しやすい配置です。本人にとっては自然な反応でも、周りからは「何を考えているのか分かりにくい」と受け取られることがあります。
90度という角度は、向かいのディセンダントに対しても同じ90度になります。そのため出方だけでなく、一対一で向き合う相手との関わりにも、同じ緊張が顔を出す形です。近づいてほしいのに、近づかれると身構えてしまう。そうした距離の揺れが、親しい相手ほど目立ちやすいと読まれます。距離を縮めたい気持ちと、縮まったときの落ち着かなさが、同時に動くためです。
この摩擦は欠点というより、感情の扱い方を磨くきっかけになります。きしみを感じるたびに、自分が何を守ろうとしているのかを見直す機会が生まれるためです。きしみをなくそうとするより、きしむ場面を知っておくことが、扱いの出発点になります。力みが抜けてくると、同じ配置が、人の揺れに敏感で粘り強い共感力として働きます。
なお、時刻がはっきり分からない場合は、この配置を前提にしないほうが無難です。アセンダントは平均して約4分で1度進むので、出生時刻が10分ほど違うだけでも、スクエアが成立するかどうかが変わることがあります。出生時刻の記録がまったくないときは、月そのものも1日に約12〜15度進むため、月の位置も数度ずれることがあります。曖昧なまま読むと、実際にはない緊張を自分に当てはめてしまいかねません。
表れやすい傾向
感情を表に出す場面で、一拍おいてしまう傾向があります。言いたいことを飲み込み、後から思い返して引っかかる。あるいは、溜まったものがふとした一言であふれ、自分でも驚く。出し方の加減が一定せず、控えめにも強めにも振れやすい配置です。声の調子や口数が、その日の気分で大きく違うと言われることもあるでしょう。
育った家庭の雰囲気や母親像との間に、どこか距離を感じていることもあります。愛情がなかったという意味ではなく、安心の形が自分の欲しいものと少しずれていたという読み方です。そのため、自分なりの安心の作り方を、大人になってから探し直すことが多いでしょう。好きな食べ物や音、居場所を自分で選び直していく過程が、この配置にとっての育て直しになります。自分で選んだ安心は、他人から与えられたものより、ゆっくり、しかし確かに根づいていきます。
人づきあいでは、気を許した相手の前でだけ表情が緩み、ほかの場面では少し硬い印象で受け取られることがあります。本人は警戒しているつもりがなくても、周囲には近寄りがたく映っているかもしれません。反対に、親しくなった相手にだけ、感情の起伏を強くぶつけてしまうこともあります。新しい環境に慣れるまでに時間がかかり、慣れたあとで急に素の顔が出て、周りを驚かせる場面もありそうです。その落差を本人が一番気にしていて、素を出したあとに一人で反省する、ということも珍しくありません。
活かし方の手がかり
感情を出す場所と、抑える場所を、あらかじめ分けておくと扱いやすくなります。信頼できる相手に話す、日記に書く、体を動かして発散するなど、安全に出せる先を持つだけで、ふとした場面での噴き出しが減ります。抑え込むのではなく、行き先を決めておくという考え方です。
一人で静かに過ごす時間を、予定に入れておくことも助けになります。人前の構えを解いて、素の気分に戻る時間があると、きしみが溜まりにくくなります。この配置は、距離の取り方を自分で選べるようになるほど、人との関わりが安定していきます。近づきたい日と離れたい日があることを、あらかじめ身近な人に伝えておくのも、誤解を減らす方法です。感情の揺れは、体調や睡眠の乱れとつながって強まることもあるので、生活のリズムを整えること自体が、出方を安定させる土台になります。朝の起き方や食事の時間といった地味な習慣が、思いのほか表情の安定に響きます。
参考文献:Reinhold Ebertin, 'The Combination of Stellar Influences' (American Federation of Astrologers, 1972) / Noel Tyl, 'Synthesis & Counseling in Astrology' (Llewellyn, 1994) / Robert Hand, 'Horoscope Symbols' (Para Research, 1981)