水星と金星の隔たりは最大でも約76°で、出生図の中でクインデチレ(165°)が結ばれることはありません。
クインデチレは、オポジション(180°)に15°届かない165°の角度です。20世紀後半に広まった新しい見方で、伝統的なアスペクトではないため、どの組み合わせでも一つの見立てとして扱います。水星は考え方や話し方、金星は好みや美意識、人に好かれ方をあらわす天体です。言葉と好みが強く結ばれた形を思い描きたくなりますが、この組み合わせの165°は、出生図の上では起こらない角度です。
水星は太陽から最大約28°、金星は太陽から最大約47°までしか離れません。どちらも地球から見て太陽のそばを回っているためです。水星が太陽の片側、金星が反対側にいる場合でも、二つの天体の離れ方は最大で約76°にとどまります。
この約76°に対して、165°ははるかに遠い距離です。ABA Studioのオーブ2.5°まで幅を広げても、この差はまったく埋まりません。同じ理由で、90°のスクエア、120°のトライン、180°のオポジションも、水星と金星のあいだには出生図で現れません。出生図の水星と金星は、いつも太陽の近くで比較的近い位置にあり、合か、せいぜいセクスタイルほどの角度までが顔を出す範囲です。
もし計算結果の表に、この組み合わせのクインデチレが出ていたら、見ているのは水星や金星ではなく、別の天体や点かもしれません。生年月日の入力違い、あるいはアセンダントやMCなどとの角度を読み違えている場合もあるので、天体名をもう一度確かめてください。
サインで見ると、水星と金星は、同じサインか、近くのサインにいます。1サインを30°として度数の開きを足し合わせ、約76°より大きな値が出たら、天体名か度数のどこかを取り違えています。
165°の関係が成り立つのは、別のチャートや別の時点の天体どうしを比べるときです。二人の相性図では、片方の水星と相手の金星が165°を結ぶことがあります。一人は考えや言葉、もう一人は好みや愛情表現を持ち寄る形になり、言葉の選び方と好意の伝わり方が、互いに離れにくく気になる関係として読まれます。
空を巡る天体を重ねて見る読み方では、いまの空の水星が出生図の金星に、あるいは金星が出生図の水星に165°を作る日があります。どちらも動きの速い天体なので、角度が働く期間は短く、日々の会話や連絡、気持ちの動きに小さく出る程度です。新しい見立てなので、結果を断定せずに目安として扱ってください。
二人のあいだの165°は、生まれた瞬間の位置どうしの角度なので、年月がたっても動きません。いっぽう、空の天体との角度は短い期間で過ぎていきます。どちらの場合も、出生図の中では起こらない角度だと知っておくと、計算結果の読み違いに早く気づけます。ほかの天体との165°は、出生図でも成立します。
出生図の水星と金星の関係を読むときは、向き合う緊張ではなく、近さの濃さに目を向けます。ぴったり重なるのか、数度ずれるのか、同じサインに並ぶのか隣り合うのか。そこで、言葉と好みがどの程度一体になって働くかが見えてきます。重なる関係は
水星 合 金星、60°の関係は
水星 セクスタイル 金星で解説しています。