この時期に高まるエネルギー
ネイタル月に金星が60°で触れる数日間は、暮らしの足場にあたる部分が、ふっとやわらぐ時期とされます。月は気分、安心できる場所、慣れた暮らしの手ざわりをあらわし、金星は好み、くつろぎ、人との親しさをあらわします。セクスタイルは合のように気分を丸ごと染める角度ではなく、気持ちのよい方向へ少しだけ背中を押す程度の角度です。自分から「今日は居心地よく過ごそう」と動いたときに、その努力がいつもより報われやすい、と読まれます。月が象徴する「落ち着ける場所や人」に、金星の甘さや美しさが少し加わる、というイメージです。
ネイタル月へのセクスタイルは、金星が黄道を一周する約1年のあいだに2回めぐってきます。各回は1日から数日で、金星が約40日の逆行に入る年(約1年7か月ごと)は、前後に複数回、少し長めに触れます。逆行の間に、一度目の機会で過ごした感触を思い出して、暮らしの整え方を見直す機会になることもあります。年に二度の好機を目印にして、暮らしの居心地を点検する習慣にしておくと、気分の浮き沈みに振り回されにくくなります。
月は、考える前に感じ取る反応や、安心を求める心の動きをあらわします。金星がそこに触れると、安心の感覚と好きの感覚が近づき、「心地よい」と「落ち着く」の境目が薄くなります。自分が何にほっとするのかを知るには、ちょうどよい短い期間です。
起こりやすい出来事・テーマ
具体的には、食卓や部屋まわりのささいな心地よさが目立ちます。気に入った食器を使いたくなる、花や香りを部屋に置きたくなる、久しぶりに家族と同じ食卓でゆっくり食べる、といった過ごし方が自然に出てきます。人を家に招く、差し入れを持っていく、近所の人と立ち話が弾むなど、暮らしの延長で人とつながる小さな出来事も増えます。朝の光や食事の湯気のような、見過ごしがちなものに目が向くのも、この時期らしい現れ方です。
親しい相手との間では、言葉にしなかった気づかいがきちんと伝わる時期です。家族や古い友人から、何気ない一言で気持ちが軽くなったという話もよく聞かれます。自分のほうから「ありがとう」を口にすると、その場の空気がやわらぐ、という形で現れる人もいます。普段は照れて言えない気持ちも、この数日はいつもより自然に口に出せて、相手も素直に受け止めてくれます。子どもや年配の家族、ペットなど、世話をする相手との時間が、いつもよりゆったり感じられることもあります。
反対に、小さな機会なので、自分で動かないかぎり何も変わりません。いつもの習慣のまま、居心地のよさを意識せずに数日が終わるだけの人も多く、「あの日は気分が穏やかだった」程度の記憶で終わることもあります。気分がやわらかいと、疲れを感じにくくなり、夜更かしや食べすぎで体が重くなる人もいます。好きなものを楽しむ日は、量と時間の上限を先に決めておくと、翌朝に響きにくくなります。
このエネルギーの活かし方
家の中を整える作業に使うのが、いちばん素直です。長く放置していた引き出しを一つだけ片づける、枕カバーやカーテンの色を変えてみる、気に入った飲み物用のカップを一つ選ぶ、といった小さな作業で十分です。この時期の整えは、あとから見ても「ここに座ると落ち着く」と感じられる場所として残りやすくなります。大がかりな模様替えや買い替えは、気分の高まりに押されやすいので、小物の入れ替えにとどめておくほうが後悔しません。月は気分の波と結びつくので、気に入った品でも、一日置いてからもう一度見て、それでも欲しければ買う、くらいの慎重さが合います。
人との関わりでは、会う約束を一つ入れてみるのがよいでしょう。短い時間のお茶や散歩のように、重くない誘いのほうが、月らしい気楽さと金星の親しさがちょうど噛み合います。親しい人ほど、自分から日を決めて声をかけないと機会が流れてしまうので、通過の最初の日に連絡しておくと、通過が終わる前に会えます。一人で好きな店のカウンターに座るだけでも、この配置の性質には合っています。
体の側の手当ても、この時期は受け入れられやすいものです。湯船に浸かる、いつもより少し早く布団に入るなど、疲れをためない工夫は、気分のやわらぎと重なって定着しやすくなります。続けられそうだと感じた習慣だけを、通過が終わったあとにも残しておくと、気持ちが沈みやすい日の支えになります。