トランジット土星 セクスタイル ネイタル太陽
いまの土星が出生時の太陽にセクスタイルを取るとき
この時期に高まるエネルギー
トランジット土星がネイタル太陽にセクスタイル(60°)を結ぶ時期は、「こう生きたい」という意志を、毎週の行動の枠に入れるきっかけが開きやすい期間とされます。太陽は自分らしさと活力、人生の中心に置いている目的をあらわし、土星は時間、責任、形にする力をあらわします。60°はトラインより小さな角度なので、追い風が吹くというより、手を伸ばした人の前にだけ道具が置かれる、という現れ方になりやすい配置です。気持ちが先走る時期ではなく、気持ちに足場を与える時期として読まれます。
合やスクエアのように、立場や自己像を揺さぶられる重さはありません。その代わり、何が起きるかは自分の動き方でほとんど決まります。「やりたいことはあるが、どう始めればいいかわからない」という状態の人に、最初の一歩の置き場所を見せてくれるような角度だと考えるとわかりやすいでしょう。同じ太陽へのトランジットでも、土星のセクスタイルは、自分を試される場というより、自分の使い道を整える場として働きやすい配置です。
太陽へのセクスタイルは、土星の約29.5年の一周のうちに2回、合からおよそ5年後と25年後に巡ります。1回の通過は数か月にわたり、逆行を挟むと同じ度数に最大3回当たります。5年後のほうは、合の時期に引き受けた方向を続けるかどうかの手応えを確かめはじめる頃、25年後のほうは、積み重ねてきた経験を自分の看板として整理し直したくなる頃として読む見方があります。
起こりやすい出来事・テーマ
仕事では、上の立場の人から「そろそろ責任のある仕事を任せたい」と声がかかる、新しい担当範囲の打診が来る、といった控えめな形をとりやすくなります。大きな昇進というより、いまの仕事の延長で任される範囲が少し広がる程度ですが、その打診を受けるかどうかは自分の返事しだいです。独立や副業を考えている人なら、屋号を決める、取引条件を文書にまとめる、開業の準備に手をつけるなど、実務の手前の作業が進めやすくなります。会社員でも、自分の担当領域に名前をつけて整理し、上司に見せる、といった動きが、評価の話につながることがあります。
暮らしでは、自分の時間をどう使うかが具体的な話題になります。毎朝30分を勉強にあてる、週末の午前は作業の時間にする、といった枠取りが、意志の力に頼らなくても続く人がいます。太陽は活力もあらわすため、睡眠や運動の習慣が、気合を入れなくても回りはじめる感覚が語られることもあります。家族や身近な人との間でも、「自分は何を優先したいのか」を落ち着いて話せる場面が増えるでしょう。長く先送りにしてきた健康診断の予約や、一年の目標を書面にする作業のような、地味でも自分のためになる事務に手が伸びやすい時期でもあります。
反面、セクスタイルの機会は小さく、「そのうちやろう」と思っているうちに通過が終わる人も少なくありません。土星の通過は数か月と長いので焦る必要はありませんが、区切りを置かないまま過ごすと、何も変わらないまま度数が離れていきます。忙しさを理由にしやすい配置でもあり、通過が終わってから、あの数か月に始めておけば、と振り返る人もいます。動き出した人にとっては、同じ数か月が基盤づくりの期間として働きます。
このエネルギーの活かし方
通過のあいだに、続けたいことを一つだけ選び、週に何時間あてるかを決めて、カレンダーに先に書き込んでみてください。夢の大きさより、毎週確保できる時間の長さのほうが、土星の力を借りやすい入口になります。複数のことを同時に始めると、どれも土星の枠に収まらずに終わりやすいので、最初は一つに絞るくらいがちょうどよい配置です。始める日は、通過のはじめの月のうちに置いておくと、後半の数か月を続ける期間として使えます。一回あたりの作業時間は短くて構いません。四十五分を週に三回でも、数か月続ければ形になります。
最初の通過で動きはじめたら、逆行で度数に戻ってくる時期に、続けられた量を見直します。多すぎたなら減らし、余裕があれば少し足して、最後の通過のころには自分の型ができている、という流れが理想です。見直しは自分への採点ではなく、枠の大きさを現実に合わせる作業と考えると、気が楽になります。
周りに先に伝えておくのも助けになります。「火曜の夜は勉強にあてる」と家族や同僚に話しておくと、約束という形で、土星の枠が外からも支えてくれます。誰かに話した予定は、気分の波で簡単には動かせなくなるため、意志の弱さを補う役目も果たします。
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参考文献: Robert Hand, 'Planets in Transit: Life Cycles for Living' (Whitford Press, 1976) / Noel Tyl, 'Synthesis & Counseling in Astrology' (Llewellyn, 1994) / Liz Greene, 'Saturn: A New Look at an Old Devil' (Weiser, 1976)