トランジット冥王星 セスキコードレート ネイタル太陽
いまの冥王星が出生時の太陽にセスキコードレートを取るとき
この時期に高まるエネルギー
人事の知らせや家族の事情など、自分では動かせない用件によって、これまで当たり前に名乗ってきた役割の形を見直すことになる。トランジット冥王星がネイタル太陽にセスキコードレート(135°)を結ぶ時期は、そうした外からの圧が、自己像の根のあたりに届きやすい局面とされます。135°はスクエア(90°)の1.5倍にあたる角度で、円を8等分した45°系列のひとつです。正面から自分を問い詰めるのではなく、外側の事情を通して「いまのやり方では具合が悪い」と知らせてくる形になりやすい配置です。
冥王星は約248年で黄道を一周しますが、軌道が楕円なので、1つの星座にいる年数が十数年から30年ほどと大きく変わります。そのため、この角度が訪れる年齢や回数は、生まれた年代と太陽の位置しだいで人によって違います。オーブは1〜2°ほどと狭く見るのが一般的です。冥王星は逆行をはさんで同じ度数を何度か通るので、2〜3年のあいだ、強弱をつけながら断続的に続きます。
太陽は意志や自己表現、「これが自分だ」という実感をあらわし、冥王星は深く根づいたもの、手放しにくいもの、作り替えを迫られやすいものをあらわします。この2つが135°で結ぶと、無理をして保ってきた自己像や、力を入れすぎて続けてきた役割に、やりすぎの反動として外から手直しが入る、という運びになりやすいと読み取れます。大きな崩壊を示す角度ではなく、作用は合・スクエア・オポジションより穏やかです。
起こりやすい出来事・テーマ
内側では、「これだけ尽くしてきたのに、なぜこの扱いなのか」という割り切れなさが、帰り道や寝る前にふと戻ってくる感覚が代表的です。自分の存在をかけて背負ってきた役割ほど、外から条件を変えられたときに腹の底がざわつきます。ふだんは表に出さない対抗心や、認められたい気持ちの強さに、自分で驚くこともあります。誕生日や節目の面談のように、自分を振り返る機会が重なると、その感覚は少し強まりやすいようです。
外側では、仕事や家庭での立場にかかわる用件が持ち込まれやすくなります。担当替えや配置の見直し、上の人の方針転換、父親や年長者の事情による予定の組み替え、肩書きにまつわる面談などです。十分に務めているつもりでも、組織の都合や他人の判断で枠が書き換わる場面に出会いやすいとされます。頑張りの反動が体に出る形も語られます。休まず走ってきた人ほど、寝つきの悪さや肩の張り、朝のだるさといった小さな疲れが積み上がりやすいでしょう。気になる症状が続くときは、専門の医療機関への相談が先です。
この角度を「誰かが自分を押さえつけようとしている」という物語で読むと、取りこぼしが出ます。冥王星の135°は、敵の存在を示すというより、自分が力を入れすぎていた箇所が外の事情として表に出てくる配置と見るほうが、実態に近いと考えられます。やり返すつもりで大きな決断に走っても、角度の強さと釣り合わず、あとに消耗だけが残りやすくなります。
このエネルギーの活かし方
試してみたいのは、外から言い渡された変更のうち、自分が本当に守りたい部分はどこかを仕分ける作業です。肩書きの名前、任されている範囲、周囲からの呼ばれ方、報酬といった項目に分けて眺めると、譲れる点と譲れない点の線が見えてきます。全部を守ろうとしても、全部を手放そうとしても、冥王星は納得しません。守る部分を小さく絞るほど、残りの調整には落ち着いて応じられます。たとえば「この仕事の質だけは自分で決める」と1行で言える状態にしておけば、それ以外の変更は、交渉の余地がある事務的な話として扱いやすくなります。
予定が狂ったときは、その場で結論を出さず、一晩置いてから返事をする習慣が効きます。反射的に引き受けても突っぱねても、あとで「あれは意地だった」と気づくことが多い配置だからです。上の人や年長者との話し合いでは、相手の判断を変えさせようとせず、自分が引き受けられる範囲だけを言葉にして伝えるほうが、関係を傷めずに済みます。
冥王星は動きが遅く、この角度の前後には、同じ太陽へ合やスクエアなどを結ぶ時期も別に巡ってきます。今回の外圧がどの役割に集中したのか、どんな場面で腹が立ったのかを短く書き留めておくと、のちに深い通過が来たとき、自分の核がどこで揺れやすいかを知る手がかりになります。ただし、これは気づきの記録であって、先の出来事を言い当てる材料ではありません。肩書きに頼らず、何をしているときに自分らしいと感じるかを知っておくことが、この時期のいちばん確かな備えになります。
事典トップ
天体×サイン
天体ペア
チャート作成
参考文献: Robert Hand, 'Planets in Transit: Life Cycles for Living' (Whitford Press, 1976) / Howard Sasportas, 'The Gods of Change' (Penguin/Arkana, 1989) / Noel Tyl, 'Synthesis & Counseling in Astrology' (Llewellyn, 1994)