この時期に高まるエネルギー
繁忙期に追加の依頼が飛び込む、予定していた休みが誰かの都合で消える。トランジット冥王星がネイタル火星にセスキコードレート(135°)を結ぶ時期は、行動力や闘争心の使い方に、外側からの圧がかかりやすい局面とされます。真正面からの衝突というより、自分の意志と無関係に動かされる場面が増え、そのたびに腹の底で熱がくすぶる、という現れ方をしやすい配置です。
火星は、行動する力、競う気持ち、怒り、体力、「やるぞ」という推進力をあらわします。冥王星は、徹底してやり抜く執念、抑え込んだ強い感情、支配や服従といった力の問題をあらわします。この2つが135°で結ぶと、普段は上手に扱えている怒りや負けん気が、外から押し込まれるような状況のなかで、扱いにくいほど強くなる形が出やすいと読み取れます。やりすぎや無理の反動が、ここでまとめて表に出ることもあります。
逆行をはさんで同じ度数を何度か通るので、この影響は2〜3年のあいだ、勢いを増したり引いたりしながら続きます。何歳で何回訪れるかは、生まれた年代と火星の位置によって人それぞれです。作用は合・スクエア・オポジションのように決定的ではなく、小さな衝突が間隔を置いて繰り返される形に近いと見られます。
起こりやすい出来事・テーマ
仕事では、納期の前倒し、人手不足による業務の押しつけ、上司や取引先の都合による突然の変更など、自分の努力ではどうにもならない要因で予定が崩れる場面が増えます。無理をして引き受けたぶんだけ、あとから疲れが出やすく、短気になったり、ささいなことで声が強くなったりすることがあります。競争の場面では、手段を選ばない相手に出会ったり、自分が勝ちにこだわりすぎて空回りしたりする例も語られます。会議で意見が割れたとき、論破すること自体が目的になってしまい、肝心の決定が先延ばしになる、という流れも見られます。
体のほうでは、運動や仕事のやりすぎによる筋肉痛や疲労の抜けにくさ、睡眠不足による集中力の低下が出やすいとされます。トレーニングを再開した人は、負荷を急に上げすぎて痛めやすく、段階を踏むことが大切です。ジムや走り込みで、記録を急に伸ばそうとする動きも、この時期は控えめにしたほうが無難です。家庭では、家事や介護の分担をめぐって、口調がきつくなる場面もあります。同居する家族の帰宅時間や食事の支度が崩れるだけで、普段なら受け流せる一言に強く反応してしまうこともあります。言葉にしなかった不満が、夕食の支度中や運転中に急に噴き出す、という動きも見られます。
意外に多いのは、怒りを表に出さず、段取りの乱れとして抱え込むパターンです。表面上は淡々と対応しているのに、帰宅後に無口になる、ささいな物音に苛立つなど、熱が思わぬ形で漏れます。腹立ちまぎれの断り方や、勢いに任せた退職の申し出は、あとで後悔になりやすいとされます。
このエネルギーの活かし方
火星のエネルギーは、動かすことで落ち着く性質があります。だから、怒りや焦りを押し込めるより、歩く、走る、重いものを持ち上げるなど、体を使って流すほうが向いています。ただし、強度は上げずに、いつもより控えめにとどめたほうが、冥王星の過剰さに巻き込まれずに済みます。寝る前に十分ほど体を伸ばす、湯船につかるなど、静かに熱を下げる習慣も、翌朝の苛立ちを軽くします。
予定が崩れたときは、すぐに全体を立て直そうとせず、今日と明日にできることだけを決める切り分けが役に立ちます。引き受ける量を自分で決める練習をするのにも、いい機会です。「その日は他の案件があるため、翌々日なら着手できます」と、期限つきで返すだけで、相手の都合に飲まれきらずに済みます。急ぎの依頼ほど、引き受ける前に「いつまでに、誰が確認するのか」を一度聞き返しておくと、あとの手戻りが減ります。
自分の力を誰かに向けたくなったとき、勝つことより、続けられる形で自分の領分を守ることを優先してみてください。冥王星の粘り強さは、短期決戦より、長く淡々と続ける作業に向いています。怒りの強さに驚いたら、それは自分の限界を知るための信号だと受け取ると、あとの調整がしやすくなります。たとえば、返信を急かされて苛立ったなら、翌日からは返信の時間帯を決めて知らせておくなど、仕組みで先回りしておくのも一つの方法です。