この時期に高まるエネルギー
トランジット水星がネイタル火星にセクスタイル(60°)を結ぶ時期は、頭で考えたことを具体的な行動へ移すきっかけが、数日だけ開きやすい期間とされます。火星は行動力、意欲、主張、負けず嫌いな面をあらわし、水星は言葉、計画、情報、段取りをあらわします。二つは60°で穏やかにつながり、考えと動きの間にあった小さな溝が、いつもより浅く感じられるようになります。
火花が散るような勢いではなく、段取りを立てればその通りに身体が動きやすい、という静かな追い風です。やる気そのものが急に湧くというより、何から手をつければよいかが見えやすくなるので、腰が重かった作業にも着手しやすくなります。たとえば、気になっていた部屋の模様替えや、返していない書類の記入など、手順が単純で達成感を得やすい用事から動き出す人が多いようです。ただ、これは自分から動いた人に限って働く角度で、予定を立てただけで終わった場合には、何事もなく数日が過ぎていきます。
水星の公転は平均1年で、年に3回前後、およそ3週間にわたって逆行します。火星へのセクスタイルは年に2回前後めぐり、各1日から数日ほどで、逆行が絡む年は前後に何度か触れ直します。長くは続かない機会なので、大きな勝負に使うより、先延ばしにしていた用事を一つ片づける日として扱うのが現実的です。火星の領域は直線的な行動、水星の領域は寄り道を含む思考なので、二つが噛み合うこの期間は、寄り道を減らして目的へまっすぐ向かいやすい数日になります。
起こりやすい出来事・テーマ
仕事では、温めていた提案を実際に切り出す場面が増えます。企画書の草案を上司に見せる、取引先に見積もりの条件を相談する、会議で自分の担当範囲の拡大を申し出る。言い方が穏やかでも要点がはっきりしているため、相手も構えずに話を聞いてくれます。強い口調で押し切るより、事実と希望を順に並べて伝えるやり方のほうが通りやすい傾向があります。普段は黙って我慢しがちな人も、短い一言で要望を口にしてみると、思ったより素直に受け入れられることがあります。
体を動かす面でも、軽い好機があります。通うつもりで放置していたジムの見学に行く、ランニングのコースを下調べする、スポーツの練習日程を仲間と決める、といった動きです。考えるだけで終わっていたことが、日程の調整という具体的な形をとって進みます。家の中でも、棚の組み立てや部屋の片づけ、自転車の整備など、手順を調べてから取りかかる作業がはかどります。動画や説明書を先に確認してから手を動かすと、無駄な力みが減り、短い時間で形になります。最初の十五分だけ手を動かすつもりで始めると、そのまま最後まで進むことも珍しくありません。
先送りが一日続くだけで、着手の勢いは薄れます。今日やろうと思った用事を翌日に回すと、結局その週は手つかずで終わる人も多いでしょう。また、火星は競争心を含む天体なので、話が通りやすいと感じて要求を盛りすぎ、相手に負担を感じさせてしまう場合もあります。通りやすいのは、相手にとっても筋の通った内容に限られます。
このエネルギーの活かし方
動き出す前に、日付と所要時間を決めて予定表に書き込みます。来週の水曜の夜に一時間、と具体的に入れておくだけで、この数日に高まった着手のしやすさが、実際の行動へ変わります。準備物があるなら前日に玄関に出しておくなど、身体が自然に動く状況を先に作っておくのも手堅い方法です。
交渉や依頼ごとは、要望を一つに絞って伝えます。あれもこれも並べると、水星の軽さが散漫に働いて、相手に何を求めているかが伝わりません。何を、いつまでに、どの程度、という三点を短い文にまとめ、相手の返事を待つ余裕を残して伝えると、火星の押しの強さが穏やかな形で生きます。メールで伝えるなら、冒頭に用件、末尾に期限を置く構成が、相手に動いてもらいやすい書き方です。
運動や作業で張り切りすぎないことも大切です。頭が先に走ると、体の疲れに気づきにくくなります。最初の数日は普段の七割ほどの量で試し、続けられそうなら量を増やしていく進め方が合っています。無理をして故障すれば、せっかくの追い風が逆に足を引っ張りかねません。体の違和感が出たときは、計画を調整する合図として受け取り、休む日を先に予定へ入れておくと続けやすくなります。