この時期に高まるエネルギー
トランジット火星が、生まれたときの自分の火星とセスキコードレート(135°)を結ぶ時期は、いつもの動き方に外から修正が入る局面とされます。ネイタル火星は、何かに挑むとき、怒るとき、欲しいものへ手を伸ばすときの、その人なりの癖を示します。そこへ現在の火星が135°で触れると、「普段どおりに動いたのに、今回は通らない」という場面が増えてきます。自分の勢いが外の都合と噛み合わず、やり方の見直しを迫られる、と読むことができます。
自分の火星の位置には、火星が約2年で黄道を一周するあいだに2回、この角度が巡ってきます。順行なら数日から1週間ほどで通り過ぎ、逆行にかかるときは数週間から数か月のうちに何度か同じ度数へ戻ります。合やスクエアのような強さはなく、短く穏やかな作用にとどまります。
同じ火星どうしの角度なので、外側の出来事と内側の衝動が、似た顔で重なって現れるのも特徴です。誰かに先を越される、順番を待たされる、自分の担当の仕事に別の用件が割り込む。その瞬間にむっとする感覚と、「早く動きたい」という体の疼きが、ほとんど同時に立ち上がります。
135°は、動き出す速さや競う気持ち、体の使い方といった勢いの出し方に、小さな再調整を求めます。慣れた方法が通用しないわけではなく、同じ方法でも、量や順序や相手を変える余地がある、という知らせです。この時期は、体が先に動いてしまい、頭があとから追いかける感覚が出ることもあります。
起こりやすい出来事・テーマ
最もわかりやすいのは、ペース配分の乱れです。調子がよいからと予定を前倒ししたら、ほかの人の都合が追いついてこない。運動や作業の量を増やしたところ、数日後に疲れがどっと出る。やる気に任せた動きが、外の段取りか自分の体力のどちらかに、少し押し返されます。
人との関係では、小さな競り合いが話題になります。会議で意見が割り込まれる、順番や担当をめぐって軽く張り合う、車の運転や行列で苛立つ。喧嘩にまでは育ちにくいものの、「負けたくない」という気持ちが急に強く出て、自分でも意外に感じることがあります。スポーツや筋力トレーニングでは、フォームの乱れやオーバーワークによる軽い筋肉痛、擦り傷など、体を急いで使った分の反動が出やすいとされます。食事や睡眠を後回しにして動き続けると、体が先に音を上げることもあります。仕事では、先に動いた人の段取りに、あとから修正が入る形が目立ちます。自分が先に進めた案件が、他部署の都合で組み直しになることもあります。
こうした場面を「自分の運が悪い」と受け取る必要はありません。火星が火星に触れる角度は、自分の動き方の癖を、外の出来事が映して見せてくれる機会です。急ぎすぎたのか、押しすぎたのか、あるいは我慢しすぎたのか。出来事の中身よりも、そのとき体がどう動いたかのほうに、手がかりがあります。
このエネルギーの活かし方
勢いを止めようとせず、使う量を前もって決めておくのが合います。1日に動く量の上限を決める、運動は回数を増やさず今のペースを守る、詰め込む予定は2つまでにする。上限があるだけで、火星の力は消耗ではなく持続に向かいます。仕事では、最優先の作業だけは午前中に済ませておくと、割り込みが入っても一日の成果が残ります。割り込みが入ったら、受けるか譲るかを、その場で一度だけ決めて引きずらないことも大切です。
休むことも、火星の活かし方のひとつです。動く日と休む日を交互に置く、睡眠時間を削らない、水分を意識して取る。力を温存することが、次に動くときの余力を残します。
苛立ちが出たときは、相手に向ける前に、体を動かして熱を逃がします。階段を使う、大股で歩く、重い荷物を運ぶ、短く走る。短時間で終わる運動が向いています。そのあとで話し合いに戻ると、言葉の勢いが落ち着いています。
火星は2年ほどで、ネイタル火星に合やスクエア、オポジションも結んでいきます。今回の出来事を、「どこで急いだか」「何に腹が立ったか」の二点だけ短く残しておくと、強い角度が来たときの自分の反応を、あらかじめ知る目印になります。自分の火星の使い方に、少しだけ客観の目を向けられる時期でもあります。