火星 スクエア アセンダントがシナストリーで示すもの
火星とアセンダントのスクエアは、火星を持つ側の勢いが、アセンダントを持つ側の出方に刺激と摩擦を同時に持ち込みやすい配置です。
スクエアは90°の角度で、二つの天体の向きがかみ合わず、動かざるを得ない緊張を生むとされます。火星は行動の起こし方、欲求、怒り、競争心をあらわし、アセンダントは出方、身のこなし、第一印象をあらわします。火星を持つ側の動き方が、ASCを持つ側の出方と直角に交わるため、お互いの癖が目につきやすい形です。アセンダントは平均して約4分で1°動くので、ASCを持つ側の出生時刻が確かでないと、この配置は確かめられません。出生時刻が問われるのはASCを持つ側だけで、火星を持つ側は日付が分かれば足ります。
二人のあいだに表れやすい力学
出会いの場面で、この配置はたいてい小さなひっかかりとして現れます。ASCを持つ側から見ると、火星を持つ側の話し方や動きが、少し押しが強い、せっかちだ、と映りやすいでしょう。悪気がなくても、自分の出方にかぶせられた気がして、身構える場面があります。
反対に、火星を持つ側からは、ASCを持つ側の出方が、のんびりしすぎている、遠回しだ、と見えることがあります。急かしたくなる衝動が湧くのは、相手を責めたいからではなく、自分の行動のリズムとかみ合わないからです。どちらも相手を変えたいと思ううち、ささいな言い方や段取りが言い争いの種になっていくのは、この角度に多い流れとされます。
DSCとの関係でも、同じスクエアが成り立ちます。パートナーの位置にあたるDSCから見ても、火星を持つ側は、ASCを持つ側にとって、自分が相手に期待する姿とは少し違う相手として意識されやすい、と読まれます。理想の相手像にぴたりと合わないからこそ、気になって目が離せない、という引きつけ方もあります。
人前で積極的に動く火星を持つ側を、ASCを持つ側が横で見ているとき、評価と苛立ちが同居することがあります。頼もしいと思う気持ちと、出る幕を取られたような気持ちが、ほぼ同時に湧くからです。二人がどちらも前に出たがると、主導権をめぐる暗黙の競争が生まれます。職場や友人の集まりでは、周囲が気づくほどの張り合いになる場合もあります。第一印象の段階で好き嫌いが分かれ、最初は苦手だと感じたのに、時間をおくうちに気になる存在へ変わる、という流れも読まれます。
決着を急かすのも、スクエアの特徴です。二人のどちらも、一度の話し合いで白黒をつけようとしがちですが、この配置では、時間をかけて何度か話すうちに、お互いの出方の癖が見えてきます。最初に目についた欠点が、のちに相手の特徴として受け入れられていくのも、この角度の流れです。
摩擦は、体にも表れやすいところです。会って話したあとに疲れがどっと出る、言葉の温度が上がって肩に力が入る、といった反応です。ただ、疲れるのに、また会いたくなる関係もあります。刺激が強いぶん、退屈とは縁遠いからです。
この配置を関係に活かす手がかり
ぶつかりそうになったときは、相手の動きを変えさせるより、自分の火星をどこへ使うかを考えるほうが早道です。二人で同じ目標に向かう、同じ運動に取り組む、共同で何かを作る。向かい合って争うより、同じ方向を向いて力を使う形に変えると、摩擦が推進力へ近づきます。
距離を置く時間も、この配置では有効な手段です。熱が上がったときは、いったん別々の場所で体を動かし、落ち着いてから続きを話す。顔を合わせたまま収めようとするより、双方が自分の火星を静めてから戻るほうが、言葉が尖りにくくなります。
言い方を変える工夫も役に立ちます。火星を持つ側は、提案を命令の形にせず、「こうしたいけれど、どうかな」と相手の返事の余地を残す。ASCを持つ側は、黙って不満をためず、早めに短く伝える。この二つだけで、小さな衝突が大きくなる前に収まりやすくなります。
続けるうちに、火星を持つ側の押しの強さが、ASCを持つ側にとって物事を始めるときの助走として働くことがあります。逆に、ASCを持つ側の慎重な出方は、火星を持つ側が踏み込みすぎるのを止める目盛りになります。摩擦を通して互いの足りない面を補い合えると、二人の動きは少しずつ鍛えられていきます。
スクエアの緊張は、使い方を覚えれば、関係の中で最も動きのある部分になります。相手の癖に腹が立つ瞬間は、自分の出方を見直す機会でもあります。
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