ティティは、インド暦における太陰の「日」をあらわす単位です。月と太陽の角度が、ちょうど12度ぶん進むごとに、ひとつのティティが進むと数えます。新月から満月まで、そして満月から新月までが、それぞれ15ティティ。ひと月で合計30のティティがめぐります。新月・満月・上弦・下弦といった月の節目も、このティティの数え方のなかにきちんと位置づけられています。
ティティは、太陽と月の「ひらき」を手がかりにします。空のうえで両者がぴったり重なる新月を起点に、月が太陽から12度先へ進むごとに、1ティティずつ数を増やしていきます。12度かける30で、ちょうど一周ぶんの360度。これでひと月が一巡する、という組み立てです。月の動きは日によって速さが変わるため、ひとつのティティの長さも一定ではなく、暦のうえで日付とぴったり一致するとはかぎりません。満ちていく15日ぶんを「シュクラ・パクシャ(明るい半月)」、欠けていく15日ぶんを「クリシュナ・パクシャ(暗い半月)」と呼び分け、月の満ち欠けのリズムを、こまやかに刻んでいきます。
数え方は割り算で、月と太陽の角度のひらきを12で割れば、新月から何ティティぶん進んだかの見当がつきます。たとえば太陽と月が180度のひらきなら、ちょうど満月で、新月から15ティティぶん進んだところです。ひらきが90度の上弦なら、十二で割って七つ半、つまり八番目のティティの途中にあたります。さらにそこから180度ぶん進めば、また重なって新月に戻り、30ティティで一巡します。明るい半月か暗い半月かも、このひらきが180度より小さいか大きいかで分かれます。
つまり、ティティは「月が何日目か」というより、太陽と月のひらきを細かく区切った目盛りです。西洋占星術でも、新月から満月へ満ちていく時期と、満月から新月へ欠けていく時期を分けて読みますが、ティティはその半周ずつをさらに15の段階に分けて眺める見方、と言えます。月の満ち欠けの基本は
コラム「月の満ち欠け」にまとまっています。
ティティは、西洋占星術でいう月相(新月・満月の満ち欠け)を、さらに細かく30段階に分けたもの、といえます。それぞれのティティに、向き不向きや性質があるとされ、パンチャンガ(インド暦)の中心要素のひとつとして、ことを始める日取りの目安に用いられてきました。たとえば同じ「満月のころ」でも、ティティで見れば何段階目かが分かるので、日ごとの性質のちがいを細かく読み分ける、という発想になります。もっとも、これらは伝統的な象徴であり、特定の結果を断定するものではありません。月の満ち欠けで暮らしのリズムを測る知恵は、世界各地に見られます。
パンチャンガは、ティティ・ヴァーラ(曜日)・ナクシャトラ(月の宿)・ヨーガ・カラナの五つの要素でその日の質を読む暦で、カラナはティティの半分にあたります。つまりティティは、その日の質を読む五つの目盛りのうち、月と太陽のひらきから直接数えられるものです。ほかの要素との組み合わせは
パンチャンガに、月の宿の区分は
ナクシャトラにあります。