ペレグリン(放浪の星)とは
ペレグリン(放浪の星)は、支配・高揚・トリプリシティ・ターム・フェイスという五つのエッセンシャル・ディグニティ(品位)を、ひとつも持たない天体のことです。「ペレグリン」はラテン語の peregrinus(さすらう・よその土地から来た旅人)に由来し、よりどころとなる「家」を持たない旅人のような状態にたとえられます。ここで言う品位は、その天体がいるサインや度数で発揮しやすい「持ち場」のようなもので、ペレグリンはその持ち場をどこにも見つけられていない状態を指します。強い後ろ盾を持たないため働きが定まりにくく、流されやすいと読まれることが多い項目です。なお、品位を欠いていることと、障害(デトリメント)や転落(フォール)といった弱さの状態とは別の指標なので、混同しないように注意します。古典占星術で天体の状態をはかるときの、基本となるチェック項目のひとつです。
品位がひとつもない状態
天体がいまいる場所(サインや度数)に、占星術ではいくつかの「品位(ディグニティ)」が割り当てられています。たとえば、そのサインの支配星にあたるか、高揚するサインにいるか、トリプリシティ(三区分の支配)に該当するか、あるいはターム(境界)・フェイス(顔)といった度数ごとの細かな分類に当てはまるか。こうした五つの手がかりを順に当てていきます。そのどれにも一つも当てはまらないとき、その天体はペレグリンと判定されます。つまりペレグリンは、品位の表のどこにも自分の席を見つけられなかった状態、と言いかえられます。判定の手順はシンプルで、まず品位表を引き、五つのうちどれか一つでも該当があればペレグリンではなく、すべて空欄のときだけペレグリンとなります。古典では「賢者と賢者でないものを見分けにくい」とされた記述もあり、頼れる後ろ盾を持たず、振る舞いが読みにくい天体として扱われてきました。とくにマンデン占星術やホラリー占星術では、当事者の立場が定まらない様子を示す手がかりとして注目されます。
占星術での読まれ方
ペレグリンは、それ自体は良くも悪くもないニュートラルな状態とされますが、つかみどころがなく「迷子」のように感じられることもあります。古典では、その天体があらわすものが、よりどころを欠いて流されやすい、と読み添えられることが多いようです。一方で、ペレグリンであっても角の利いたハウスにいたり、吉星と良い角度を結んでいたりすれば、その不安定さは目立ちにくくなる、とも語られてきました。つまりペレグリンという品位だけを取り出して結論づけるのではなく、ほかの条件と重ねて読むのが基本姿勢です。ただしこれは天体の状態をはかる一つの目安であり、運命を断定するものではありません。実際の解釈では、アクシデンタル・ディグニティ(場所の良し悪し)や、ほかの天体との角度(アスペクト)、サインの主星がどこにあるか(ディスポジター)といった要素とあわせて、全体の中で慎重に意味を組み立てていきます。品位の全体像はコラム「ディグニティ(品位)」へ。用語「ディグニティ」「ターム」もあわせてどうぞ。自分のチャートは「
無料のホロスコープ作成」から確かめられます。