ネケシティ(必然)のロットは、ヘルメスの七つのロットに数えられる感受点(ポイント)で、制約・束縛・避けがたい事柄や、自分の意志ではどうにもならない領域をあらわすとされます。願望をあらわすエロスのロットと対をなし、「望むこと」と「縛られること」を一組で読むのが古典の発想です。ギリシア語で必然を意味するアナンケーに通じる名で、人生の避けがたい条件を象徴する、重い響きのロットとされています。古代の占星術師は、人が抱える義務や負担、あるいは自由を狭める外的な事情を、このロットの位置やそこに重なる天体から探ろうとしました。たとえばこのロットがどのサインやハウスに落ちるか、どの天体と角度(アスペクト)を結ぶかが、制約のあらわれ方を読む手がかりになるとされます。とはいえこれは象徴を介した解釈であり、特定の出来事や苦難を予言するものではありません。
実生活でこの制約があらわれる場面はさまざまで、辞めたくても辞められない仕事上の立場、断り切れない家族への扶養や介護、契約によって身動きが取れなくなった金銭の事情など、自分ひとりの意志では解きほぐせない状況として経験されやすいとされます。初学者が誤解しやすいのは、このロットを単純に「不運を呼ぶ点」と受け取ってしまうことです。ネケシティのロットが示すのは選択の幅が狭まる領域であって、そこに落ちた出来事の吉凶そのものを保証するものではありません。
ロット(アラビックパート)は、ふつう二つの天体のあいだの距離を、アセンダント(出生の点)から測り直してチャート上に投影する感受点です。ネケシティのロットも、特定の天体の組み合わせから計算で導かれ、昼生まれ・夜生まれで測り方を入れ替える、という古典の作法に従います。願望のエロスのロットと向きが反対になるように組まれており、二つを並べると、「心が惹かれていくもの」と「逃れがたく縛りつけるもの」が、ちょうど鏡のように対比して見えてきます。計算では基準となる二天体とアセンダントの三点を用い、昼夜で天体の役割を入れ替えることで、同じ生まれでも光の向きによって意味合いが変わるよう設計されています。こうした昼夜の区別(セクト)は、ヘレニズム占星術がロットを扱ううえで欠かせない前提でした。導き出された点がどのサインに位置するかを見て、その支配星(ルーラー)の状態とあわせて読むのが伝統的な手順です。あくまで象徴的な手がかりで、出来事を断定するものではありません。
実際にこの点を割り出すときは、まず出生時刻において太陽が地平線の上にあったか下にあったかを確かめ、昼生まれ・夜生まれのどちらの測り方を使うかを見極めるところから始まります。ここを取り違えると、本来とは逆の測り方で計算してしまい、意図した位置とは違う点が導き出されてしまいます。
七つのロットは、同じ計算の型を土台にしながら、それぞれ違う生活の領域に焦点を当てる点として並べられています。
ネケシティのロットは、運勢・精神・愛欲・勝利・大胆さ・必然・復讐という、人生の主要なテーマをあらわすとされる「ヘルメスの七つのロット」のひとつに数えられてきました。その中で必然のロットは、ままならない人間関係や、受け入れざるをえない制約を読む手がかりとされます。ネケシティはギリシア語で「必然・宿命」を意味する言葉に由来し、重く避けがたいものの象徴とされますが、これはあくまで伝統的な読みで、運命を断定するものではありません。用語「エロスのロット」「ヘルメスの七つのロット」もあわせてどうぞ。自分のチャートは「
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