ヘリオセントリック(太陽中心)占星術とは
ヘリオセントリック(太陽中心)占星術は、地球ではなく太陽を中心に据えて、惑星の配置を見る現代の手法です。ふつうの占星術は、地球から見上げた空(ジオセントリック=地球中心)をもとにしますが、太陽中心では視点を太陽に移します。そのため、地球から見ると行きつ戻りつして見える逆行が、太陽中心ではすべて順行になる、というのが大きな特徴とされます。逆行はあくまで、動きの速い地球が外側の惑星を追い越したり、内側の惑星が地球を追い越したりするときに生まれる「見かけの現象」です。視点を太陽に移すと、その目の錯覚そのものが消えるため、どの惑星も止まったり戻ったりせず、一定の向きにめぐり続けることになります。
太陽から眺める惑星の配置
太陽中心の図では、惑星がほんとうに太陽のまわりをめぐる軌道上の位置を、そのまま並べて見ることになります。地球の動きという「見かけのゆらぎ」が取り除かれるため、惑星どうしの本来の位置関係が、よりすっきりと眺められるとされます。いっぽうで、太陽を中心に置くぶん、太陽そのものは図に現れません。地球から見た光景に根ざす月やアセンダント、ハウスも使えなくなります。月は地球をめぐる衛星であり、太陽中心の軌道としては描けないからです。代わりに、地球そのものが一つの惑星として図に置かれ、太陽から見た地球の方向が読みどころの一つになります。つまり、個人の出生の瞬間を映すというより、惑星たちの幾何学的な並びを客観的に見るための図、という性格が強くなります。
地球中心の図と重ねて読む
ヘリオセントリックは、ふだんの地球中心の図に取って代わるものではなく、それと重ねて補い合う視点として用いられることが多い手法です。社会的・客観的なテーマや、惑星どうしのアスペクトを別の角度から確かめたいときに参照する占星術家がいます。たとえば、地球から見ると逆行で複雑に見える時期でも、太陽中心に置き換えると惑星どうしの角度がすっきり整理でき、二つの図を見比べることで読みに奥行きが出るとされます。歴史をさかのぼれば、太陽を中心に置く宇宙像は16世紀のコペルニクスが体系立て、その後ケプラーやガリレオらの観測と理論によって確かなものになりました。太陽中心の図は、こうした近代天文学の成果を象徴の世界に持ち込んだ、比較的新しい試みといえます。同じ空でも、どこに立って眺めるかで姿が変わる。その事実をはっきり示してくれる点で、占星術と天文学のつながりを考える好材料ともいえます。もっとも、これは象徴的な読みであり、出来事を断定するものではありません。用語「ジオセントリック(地球中心)」「占星術と天文学(コラム)」もあわせてどうぞ。自分のチャートは「無料のホロスコープ作成」から確かめられます。